KADOKAWAマンガアカデミー 徳永 様

KADOKAWAマンガアカデミー 徳永氏によるWacom MovinkPad Pro 14レビュー

KADOKAWAマンガアカデミーは、コンテンツ業界の第一線で活躍するKADOKAWAが、マンガ・イラスト・ノベル・フィギュア制作などのクリエイターを育成するために設立した専門スクールです。現役プロによる少人数制の直接指導、業界に直結した産学連携など、実践的なカリキュラムを通じ、業界が求める即戦力の育成を目指しています。

今回お話を伺った徳永氏は、マンガ学部マンガ・イラストレーター専攻の運営を担う学部運営担当として、生徒の生活指導からキャリアサポート、カリキュラム構築、講師の開拓などを担当。日々、デジタル制作に挑む生徒たちの最前線を支援しています。

教材選定のポイントは、生徒が「マンガの制作に集中できること」

──スクールで採用している教材やソフト、選定する際の検討ポイントについて教えてください。

スクールの設備としてはWacom Intuos Proなどを導入していますが、生徒向けの教材としてはApple iPadを採用しています。ソフトウェアは、基本的にCLIP STUDIO PAINTで統一。一部の授業でAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorも使用していますが、作図に関してはスクール全体としてCLIP STUDIO PAINTを採用しています。

教材を選定するポイントは、生徒が「マンガの制作に集中できること」を大前提に置いています。デバイスが複雑すぎて、トラブルシューティングに時間が取られてしまうことは避けたい。中学校を卒業してすぐに入学してくる生徒が多いのですが、本校入学まではスマホや紙で絵を描いていて、PCなどのデジタルデバイスのノウハウが全くない状態の生徒がほとんどです。

生徒がスマホの操作の延長で使えること。何かトラブルがあっても、現物をスクールまで持ってきてもらえればすぐに解決できること。この2点を機材選定では重視しています。

さらに、持ち運べる端末の中に作品がまとめられることも重要です。仮に教室でペンタブレットを導入したとして、その環境に依存してしまうと、スクール以外の時間で制作が止まってしまいます。漫画はいくつも作り、何度も完成させる経験をすることで、初めて土俵に立てるもの。だからこそ、制作環境を授業時間以外にも持ち歩けて、なおかつ、そのまま出版社の方に作品を見せられるポートフォリオにもなる端末が必要でした。こうした観点から、現状ではApple iPadを選択しています。

Wacom MovinkPad Pro 14の、紙のような描き味と軽さに驚いた

──Wacom MovinkPad Pro 14を試した第一印象はいかがでしたか?

まず、軽さにびっくり。私は自宅でWindows OS搭載のWacom MobileStudio Proをずっと愛用してきたのですが、ワコムさんのデバイスは重量感があるものだと思い込んでいました。実際に箱を受け取ったときに「本当に中身が入っているのか?」と思うほど軽かったです。

校舎間の移動で持ち歩いてみましたが、全く苦にならない重さです。外寸のサイズ感もA4ファイルに近く、PCほど幅広ではないのでバッグへの収まりが非常に良いと思いました。

次に驚いたのが画面の質感です。自宅でApple iPadなどを使って作業していると照明の画面映りが気になることがあります。しかし、Wacom MovinkPad Pro 14はまったく気にならない。紙のような質感で、目が疲れにくいのも驚きでした。それと、表面の引っ掛かりがしっかりあって、ペンを受け止める強度があり、かつサラサラ描けるのがいいですね。

Apple iPadでこの描き味を再現しようとすると、ペーパーライクフィルムが必要になりますが、Wacom MovinkPad Pro 14のディスプレイはデフォルトでこのマットな質感を実現しているので、特にアナログから移行する人には馴染みやすいだろうなと感じました。

Wacom MovinkPad Pro 11も使わせていただきましたが、こちらはB5ノートに近いサイズ感がとても良いですね。ノートのように持ち運びたくなるデバイスです。Wacom MovinkPad Pro 14よりも軽いところも良い。でも、この2つを比べてみると、Wacom MovinkPad Pro 14はWacom MovinkPad Pro 11より重いはずなのに、体感はあまり変わらず。むしろこの大きさなのに軽さを感じるのはすごいなと思いました。

Apple iPadより画面が横長でキャンバスが広く使える。まさに描くためのデバイス

──Apple iPadとの違いはどう感じましたか?

使ってみて感じたのは、Apple iPadが「映像や写真を映すデバイス」に描く機能が付属しているのに対し、Wacom MovinkPad Pro 14は「描くためのデバイス」であるという根本的な違いがあるということです。それが様々な仕様に表れていると感じました。

Apple iPadは縦横比が4:3ですが、Wacom MovinkPad Pro 14は16:10で横に広い。CLIP STUDIO PAINTのようなソフトは両脇にツールバーが出るので、この横長の形状はキャンバスの有効領域を広く保つために大きな差になります。

また、Wacom CanvasからスムーズにCLIP STUDIO PAINTに連携できる機能には感動しました。Wacom Canvasで力を抜いてラフを描き始めて、良い絵が描けたと思ったら、そのままCLIP STUDIO PAINTにシームレスに移動して本格的な制作へ繋げられる。機能性が美しくデザインされているなと感じた次第です。

──Wacom Pro Pen 3の描き心地はいかがでしたか?

描き味へのこだわりを感じました。デジタル画面特有のスリップ感が抑えられていますね。芯の遊びやブレが減っているので、より「しっかり描ける」という手応えがあります。

私は筆記具として先端から軸までストレートな形が好きなので、この形状は好みです。サイドスイッチが3つ付いているのは、ショートカットを多用するデジタルイラストでは本当に嬉しい。しかも充電不要なのもいいですね。

Apple Pencilは充電のために一部が平らになっていますが、Wacom Pro Pen 3はペンと同じ形状なので、ペンとしての使用感がよく、描いている間、ずっと触っていても気持ちいいですね。まさに文房具として手に馴染んでいます。

Wacom MovinkPad Pro 14なら、初心者でもプロの作業環境の入口に立てる

──Wacom Movink Pad Pro 14を導入するとしたら、スクールや生徒にどんな利点があると思いますか?

アナログからデジタルへの導入として、非常に優れていると思います。Wacom Canvasを使って、まずは「ノート代わりに描く」というところから始めれば、描く道具としての自然な導入が可能です。

初心者がいきなりCLIP STUDIO PAINTの複雑な画面を見ると萎縮してしまうことがありますが、Wacom Canvasなら「まずはここで自由に描いてごらん」と誘導できるハードルの低さがあります。画面比率がPCに近いので、液晶ペンタブレットや板型のペンタブレットなどの本格的なデバイスへ移行する際の良いステップになるはずです。

──教育機関にとってワコム製品はどんな存在ですか?

スクールとしては、第一線で活躍されているプロの講師の方々と、これから絵を始める初心者である生徒たち、両方のニーズや環境と向き合う必要があります。その点において、ワコムさんの製品は、プロを目指す上で「一度は必ず通る道」であり、現場でもっとも信頼されている共通言語のような存在です。

特にWacom MovinkPad Pro 14は、スマホでの「指描き」から創作を始めた生徒にとっても、過度な負荷を感じさせずにプロ仕様の環境へと誘導できる稀有なデバイスではないでしょうか。まずはこの軽やかなツールで「描く楽しさ」を広げ、そこから段階的に本格的な制作へとステップアップ。その過程で、常にプロの現場と同じワコムのデバイスに触れていられるということは、生徒たちが将来クリエイティブの世界へ飛び込んでいく際、非常にスムーズな橋渡しになるはずです。

「描くこと」に特化したストイックな姿勢を貫きつつ、初心者にも寄り添ってくれる。Wacom MovinkPad Pro 14は、そんなワコムさんらしい信頼感と新しい可能性を両立させたアイテムだと思います。私自身、このデバイスがもたらす制作のスピード感と手馴染みの良さに魅了されましたし、これからの漫画・イラスト教育の現場においても、欠かせない選択肢になっていくと感じています。

製品情報:MovinkPad Pro 14

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