入館申請書のペーパーレス化で守衛所の業務負担を大幅削減

日本精工株式会社の藤沢工場では、2020年3月から入館受付システムの端末としてワコムの液晶ペンタブレットを導入。来訪者の入退館記帳を電子化し、守衛所の業務効率化と紙管理負担の大幅改善を実現しました。今回は、第一工場と第二工場で総務業務を担当されるお二人に、導入の経緯と成果を伺いました。
日本精工株式会社
産業機械事業本部 インダストリアル本部
藤沢工場 人事総務課
シニアアドバイザー 梶川 洋一 氏(左)と桐原勤務 主任 廣田 光洋 氏(右)

日本精工株式会社 藤沢工場
1916年創立の日本精工(NSK)は、日本を代表するベアリング(軸受)メーカーのひとつ。30以上の国や地域に(85の生産拠点、)200以上の事業拠点を展開し、電車や自動車などに不可欠なベアリングを生産しています。神奈川県藤沢市にある藤沢工場は、同社の基幹的な生産拠点。第一工場(鵠沼神明、同敷地内に技術開発本部も所在する事業所)と第二工場(桐原町)から構成され、技術部門と生産現場が連携して開発・製造を行っています。
https://www.nsk.com受付の電子化を検討するきっかけは、書庫に積み上がった大量の受付票
お二人が担当するのは総務業務全般です。梶川氏は「事務設備からオフィス空間、建屋の新築・改修・解体まで、安全で安心して働ける職場づくりが我々の使命」と話します。近年はシステム部門とともにDXにも積極的に取り組んでいます。
梶川氏は本社総務部での勤務を経て、2019年3月に藤沢第一工場へ赴任。着任直後、総務チームのメンバーに案内された書庫で、約1.8mもの高さに積み上がった大量のA4書類に驚いたといいます。すべて記入済みの入館受付票でした。 「守衛所の受付票は紙で運用していることは以前から知っていましたが、実際に保管されている大量の紙を目にして、その管理負担の大きさを改めて実感しました。後で計算すると、わずか3年でこれほどの量になってしまうのだと知り、すぐにでも改善が必要だと感じました。これが入館受付の電子化を本格的に検討するきっかけになりました。」と当時を振り返ります。

藤沢事業所には約2,000名の従業員が勤務しており、その約3分の2が技術開発本部の所属です。来訪者も約7割は技術部宛の訪問であるため、守衛所では工場への来訪対応に加えて技術開発本部宛の入退館管理も担っており、業務負担は非常に大きい状況でした。 敷地内にある2か所の門のうち、来訪者の多い南門だけでも月に約650組が入館手続きを行っています。1組あたり3〜4名とすると、月間では約2,500名分の紙書類を使用する計算となり、紙の運搬や長期保管スペースの確保も課題となっていました。
液晶ペンタブレットの操作性が受付の電子化の決め手に

「受付票のペーパーレス化を早速検討しました。技術開発本部のシステム部門から『使いやすさと書き心地に優れ、業務に取り入れやすい』という理由でワコムの液晶ペンタブレットを勧められました。ワコムさんへ問い合わせしたところ、入退館受付システム『eタブ』と組み合わせたソリューションをご提案いただきました。」と梶川氏は振り返ります。
試用期間を経て、2020年3月に入退館受付システム「eタブ」と、受付端末としてワコムの液晶ペンタブレットを南門に2台、北門に1台、予備1台の計4台導入しました。
ワコムの液晶ペンタブレットの採用の決め手は、実際に触った瞬間に分かる『ストレスのない書きやすさ』と、『誰でもすぐ使えるシンプルな操作性』でした。来訪者が迷わず操作できる直感的なUI、紙にペンで書いているかのような追従性、受付担当者がストレスなく扱える点など、「現場関係者の誰もが確実に使える」というテスト結果を得られたことだといいます。
また導入後も、設定方法の相談や運用上の細かな課題に対して、メーカーならびに販売店から丁寧かつスピード感のあるサポートを継続して提供していただいています。 こうした「導入して終わりではない」支援体制への信頼から、6年近く経つ現在でも安定した運用が続いている理由だといいます。紙の記入台帳を単に電子化するだけでなく、現場での使いやすさと長期運用の安心感を両立できた点で、ワコム製品を採用して良かったと考えています。

電子受付の流れは、従来の紙台帳を使っていたときとほとんど変わりません。受付を担当する守衛は、従来の紙の受付台帳の代わりにワコムの液晶ペンタブレットを差し出すだけです。来訪者は紙に書くのと同じように記入できます。これまでの運用手順をそのまま引き継げたため、現場に負担をかけることなく電子化へ移行できました。
導入効果について、梶川氏は次のように話します。
「液晶ペンタブレットは薄くて軽く、画面の反応も非常に良いので、紙に書くのと同じ感覚でスムーズに記入ができます。受付業務を行う守衛担当者はもちろん、出入りする業者さんなど来訪者からも“とても書きやすい”と評判です。何より、記入済みの申請用紙を守衛所から人事総務課へ運ぶ作業が不要になり、毎日の業務負担が大幅に軽減されました。」
第一工場での運用開始後、廣田氏が勤務する第二工場でも入退館受付システム「 eタブ」 とワコムの液晶ペンタブレットを採用しました。
「当初、ディスプレイ画面上で紙のときと同じように受付票を書けるのか、ペンの追従性やギザギザした文字表示にならないかと半信半疑でした。」と廣田氏は振り返ります。
「しかし実際に使ってみると、文字が非常になめらかに入力できて驚きました。さらに専用ペン以外には反応しないため、手のひらや袖が画面に触れても誤反応が起きず、紙とペンと変わらない感覚で安心して使えます。」
現場が求める使いやすさ・書きやすさ・誤反応しない安心感が評価され、第一・第二工場ともに高い満足度で運用が継続しています。

紙の削減から始まった電子化を一歩ずつ前進
「とにかく大量の紙を減らし、電子的に処理できるようにしたい」という思いから、導入当初は入館受付票をPDFで保存するだけのシンプルな運用からスタートしました。 しかし、入退館状況や受付情報をより効率的に、正確に管理したいという要望を受け、2023年6月に入退館受付システム「eタブ」の機能を拡張しました。
この拡張では、以下の機能が追加され、運用がさらに改善されました。
・手書き文字変換:入館受付票に手書きされた文字を、自動でテキストデータに変換
・自動データ生成:各入力項目のテキストデータを、CSV形式で自動生成
・リアルタイム閲覧:来訪者情報や一覧を、管理者側からリアルタイムで確認可能
「受付票の原本はPDFで保存されますが、あわせて受付票の各項目に記入された手書き文字はテキスト化され、CSVデータとして自動的にファイルサーバーへ保存されるので、総務管理者は一覧を見るだけで来訪者情報をすぐに確認できます。守衛だけでなく、総務担当者の業務も大幅に楽になりました。入退館データの管理精度の向上、受付時間の短縮、検索性の向上など、拡張の効果は非常に大きかったです。」と両氏は話します。 今後も、運用を見直しながら段階的にシステムを進化させていく方針だといいます。
進化を続ける受付システム。最新受付端末とオプション機能でさらに使いやすく
「現在、ペーパーレス受付端末は2代目となります。最初に導入した機種はワコムの10.1型液晶ペンタブレットでしたが、さらに画面サイズが大きいワコムの14型液晶ペンタブレット『Wacom One 14』に入れ替えました。
受付業務を担当する守衛は、『以前よりさらに見やすく使いやすくなりました。特に、ケーブル1本でPCにつなげるようになり、設置も操作も格段に楽になりました。』と、使い勝手について評価していました。」
また第二工場では、腕章や入館証などの備品貸出管理にも入退館受付システム「eタブ」 のオプション機能を採用しています。各貸出品に管理コードを付与し、受付データと紐づけて管理できる仕組みで、あらかじめ貼付されたQRコードを受付時に読み取るだけで、入退館情報と貸出情報を一元的に管理できるようになりました。
今後、第一工場では車両の入館証(UHFカード)や社用車、鍵といった各種備品の管理にも対応できるよう、機能拡張を予定しています。
入退館受付システム「eタブ」は、入退館管理にとどまらず、貸出備品の運用までカバーできる柔軟性を備えており、現場のニーズに応じて継続的に進化していける点が大きな魅力です。
IT化ではなくDX化。安全で働きやすい職場づくりを持続的に実現する
「私たちが目指すのは、単なるIT化ではなく DX化 です。既存の業務プロセスをそのまま電子化するのではなく、業務効率や情報セキュリティの観点から、より良い運用へと変えていくことが重要だと考えています」と梶川氏は語ります。
第一工場では、まだ個別対応が必要な受付手続きがあり、一部紙台帳での運用が残っていますが、今後、その課題の解消にも取り組み、入退館管理の完全ペーパーレス化を目指す方針です。
「事業所間で良い意味で競争しながら、互いに学び合い、DXをさらに前へ進めていきたいですね」と、継続的に“安全で安心して働ける職場づくり”へ取り組む方針を語っていただきました。

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