Wacom Cintiq Pro16を導入し、デジタル作画環境を整備。
次世代のクリエイターの養成、早期のデビューを強力にサポート。
アミューズメントメディア総合学院マンガイラスト学科
東京恵比寿に4つの校舎を構えるアミューズメントメディア総合学院は、エンターテインメント業界に直結した専門の学校として、「制作現場こそ、最高の教育現場である」という創立以来の教育理念のもと、「産学共同・現場教育実践」を実現するための教育環境の整備に力を入れています。
マンガイラスト学科では、これまでもペンタブレットを用いたデジタルでの漫画制作をカリキュラムに取り入れてきましたが、2017年度東京に50台の Cintiq Pro16を、姉妹校の大阪アミューズメントメディア専門学校には50台のMobileStudio Pro16を導入し、学生がフルデジタルで漫画制作を学ぶことができる環境を整えました。
実践的な教育のために 液晶ペンタブレットを導入
最新の液晶ペンタブレットを導入した背景として、これからますますデジタル化が進む業界で即戦力として活躍できる人材を育てるには、最新の機材で学ぶことが不可欠という現場の教員の声が大きかったと言います。
「プロの漫画家もデジタルで作画する人が増え、アシスタントもデジタルに対応できる人材が求められています。この現状に対応できないと現場に即した教育とは言えない」
同学科の上野泰永先生は、学生がプロの漫画家と同じ液晶ペンタブレットを使うことが、より現場を意識した学習につながると期待を寄せます。
数ある液晶ペンタブレットの中から画面が16インチのサイズの製品を選んだのも、「画面サイズが商業出版の現場で使われる漫画の原稿用紙に近く、自然な作画ができる」という実践的な理由によるものでした。
デジタルで描くことによりアウトプットを増やしプロへ
マンガイラスト学科のカリキュラムでは、1年次にはアナログ画材を使ったデッサンやパースなどの基礎画力の向上、ネームやコマ割り等の漫画に必要な知識や技術の習得と並行して、Cintiq Proやイラスト・マンガ制作ソフトCLIP STUDIO PAINTなどデジタルツールの使い方に習熟します。2年次からはデジタルでの本格的な漫画制作をスタートし、学生はフルデジタルでオリジナルの漫画作品を描けるようになっていきます。
入学時にはデジタルで絵を描いたことがないという学生が多く、以前はデジタルへの苦手意識からペンタブレットの扱いに慣れる前に挫折してしまう学生がいて、指導の課題となっていました。
アナログと同じ感覚で描くことができる液晶ペンタブレットを導入してからは、学生のデジタル嫌いがなくなっただけでなく、授業中の課題にかかる時間も短くなり、学生の指導もやりやすくなったと言います。
「プロを目指すには学生の間にどれだけ多くの作品を作れるかが重要です。液晶ペンタブレットを使うことでアウトプットの量が増えたのは大きなメリットです」
デジタル作画の授業を担当する小川京美先生は、自身も現役の漫画家としてフルデジタルで仕事をしている経験から、学生がデジタル作画を学ぶ必要性を強く感じています。
「パースを理解していなければ、たとえCLIP STUDIO PAINTにパース定規機能があっても正しく使うことができません。描くという基本の部分ではアナログと変わらないので、基礎をしっかり学ぶことでデジタルツールの便利な機能を使いこなせるようになってほしいですね」
地に足の着いた実践的な漫画教育と合わせて、デジタルツールの活用の仕方を学ぶことで、学生はプロの漫画家として即戦力になるための力を身に着けていきます。
産学共同で学生のデビューを支援
同学科では、人気漫画雑誌の編集部を招いて毎月開催する編集部批評会や、第一線で活躍するプロのクリエイターによる特別講義など、学生のデビューを支援するために様々な取り組みを行っています。
その中でも特徴的なのが、学内に「A MG出版」という出版社を立ち上げ、学生や卒業生とともに商業ベースのコンテンツ制作を行う「産学共同」の事業を行っていることです。
学内コンペなどで選ばれた学生を起用して企画を立案し、大手出版社から書籍化したり、電子取次と契約して独自の電子コミックレーベルを立ち上げるなど、才能のある学生を世に出すための独自ルートを日々開拓しています。
「学生は、プロの編集者やクリエイターとともに仕事として作品制作に関わります。在学中からリアルなプロの現場を体験する中でプロデビューの一歩を飾り、さらに卒業後に必要なプロ意識を持つことで成功につなげていきます」学院で出版事業をプロデュースする小川里江先生は、「産学共同・現場教育実践」においてスピード感を強く意識していると語ります。
そのため、学院ではめちゃコミックやBookLive!のような大手電子書店とも積極的にリレーションを築いています。
電子コミックの普及やアプリの進歩など、日々進化し続ける業界の動向を把握し、それに応じてカリキュラムを柔軟に変化させることで、常に最先端の教育を行うことが、次の世代に活躍できる才能を輩出することにつながっています。
マンガイラスト学科の学生がCintiq Proを使って描いた漫画が、様々なメディアを通して発信される日がすぐにも訪れそうです。
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