カワサキモータース株式会社

KAWASAKI こだわりのデザインを支え続けるワコムの液晶ペンタブレット
Wacom Cintiq Pro 27 でさらなる「革新」に挑む

カワサキモータース株式会社

1896年の創業以来、船舶から航空機、鉄道車両、モーターサイクル、ロボット、産業用プラントまで幅広い事業を手掛け、常に革新的な製品を世に送り出してきた川崎重工業株式会社。その川崎重工グループの中で唯一、一般消費者向けの製品を開発する事業部門が、カワサキモータース株式会社です。モーターサイクルを始め、パーソナルウォータークラフト 「JET SKI®」、ATV(四輪バギー車)、ユーティリティービークルなど幅広い製品ラインナップを誇ります。そのデザインの現場では、ワコムの液晶ペンタブレット Wacom Cintiq Proが活用されています。

www.kawasaki-cp.khi.co.jp/corp/

ワコムのペンタブレットがデザイン業務のデジタル化の引き金に

カワサキモータース株式会社は、「Let the good times roll(楽しんじゃえ!)」をビジョンに掲げ、「走る悦び、操る楽しさ」を体現する様々な製品を開発しています。中でも、Ninja、Zシリーズ、Wシリーズなどで知られるカワサキブランドのオートバイは、最先端の技術が注ぎ込まれた高い性能と装備もさることながら、他と一線を画す革新的で個性あふれるデザインが、世界中の多くのファンを魅了し続けています。

同社の製品のすべてのデザインを行っているデザイン部スタイリング 課は、15年以上にわたりワコムのペンタブレットを使用してきました。入社から19年が経つ主事兼スタイリングデザイナーの澁田祐さんは、次のように振り返ります。

「私が入社したばかりの頃は、まだほとんどが手描きのアナログ手法でデザインをしていました。なので、わりと絵の上手な人がデザインも上手だという感じがあって、私は入社時は絵が上手とはいえず、先輩たちにはとてもかないませんでした。その頃、誰も使っていない板型のペンタブレットが部屋の片隅にポンと置いてあって、新しいもの好きの私はさっそく触ってみたんです。使っているうちに、これなら自分も先輩たちに負けない表現ができるんじゃないかと思い、どんどんデジタルにのめり込んでいきました」

澁田さんがペンタブレットを使いこなすにつれて、表現や作業効率の面においてアナログにはないデジタルのメリットが部署内で認知されるようになり、徐々にペンタブレットの使用率が上がっていったと言います。液晶ペンタブレットを数台導入した際には、部署内で取り合いになるくらいの高評価で、そこから一気にデジタル化が進み、現在ではデザイナー1人1台の割合でワコムの液晶ペンタブレットが導入されています。

進化したWacom Cintiq Pro 27がデザイナーの作業ストレスを軽減

スタイリング課では、最新のペンタブレットを導入してきました。2019 年には液晶ペンタブレット Wacom Cintiq Pro 32を、そして2023 年には最新のWacom Cintiq Pro 27を導入しました。Wacom Cintiq Pro 27の使い心地について、澁田さんは次のように評価します。

「32型を使っていたときは、本体が机の半分くらいを占めて、重量もあるので取り回しがちょっと大変なところがありました。27型はだいぶ軽くコンパクトになったので取り回しが楽になりました。解像度も高く、ベゼル幅も狭くてすっきりしているので、画面のサイズは前より小さくなりましたが、小ささを感じることはありませんね。」

また、蛍光灯の映り込みがなくなったことも、Wacom Cintiq Pro 27の大きなメリットだと言います。「今までは蛍光灯が映らないようにわざと本体を立てて使うことが多かったんです。多少無理な描き方になるので、長時間作業していると首や腰が痛くなってきて。今    のモデルは寝かせても映り込みが気にならないので、すごく自然な角度で描けて、だいぶストレスがなくなりました。」

同部署のスタイリングデザイナーである村山 友美さんは、学生時代はほとんど手描きでデザインを学んできて、入社後に初めて液晶ペンタブレットを使い始めたそうです。デジタルでの作業に最初は戸惑いがあった村山さんですが、Wacom Cintiq Pro 27を導入してからはその戸惑いもなくなってきたと話します。

「私の場合、手描きの経験が長かったせいか筆圧がちょっと強めなので、今までの液晶ペンタブレットだと画面上でペンがつるつると滑ってしま い、少々描きづらいところがありました。ペンを摩擦抵抗のあるものに変えても、すぐ擦り減ってしまうんですね。でもWacom Cintiq Pro 27 は、画面自体に摩擦抵抗がある感じで、まさに紙に描く感覚にすごく近くて、私にとってはそこが一番のメリットです。」

同じくスタイリングデザイナーのケウソムリウテンさんは、タイで9年間、カワサキ製品のデザインを手掛けてきました。タイで働いていた頃から長年ワコムのペンタブレットを使い続け、日本に来た現在も Wacom Cintiq Pro 27を使ってアイデアレベルのスケッチからプレゼンクオリティの作り込み、さらに3Dモデリングまでを行っています。

「私はペンをわりとアナログ感覚で使うのが好きで、サイドボタンはあまり使いません。ただその分、本体のExpresskey™をよく使います。新しいWacom Cintiq Pro 27のExpresskeyはグリップ型になっていて、本体の側面に手を添えるとぴったりとフィットして、すごく自然に操作できるのが気に入ってます。」

描いて伝える。チームのコミュニケーション向上にも貢献

3Dベースのデザインフローが主流になりつつある昨今、スタイリング課では現在、一部のデザイナーが簡単な3 Dを作ることはありますが、製品の量産に向けてきちんとした3Dを作成する場合は、外部の3Dモデラーと連携して業務を進めています。そうした外部とのコミュニケーションにも、ワコムの液晶ペンタブレットが大きな役割を果たしていると、澁田さんはいます。

「コロナ以降、3Dモデラーとはリモートでやり取りすることが多くなってきました。その場合、上がってきた3Dに対して修正をお願いするときなど、電話やメールではなかなかこちらの思いが伝わりづらく、そこに時間と神経を使わなくてはなりませんでした。今は液晶ペンタブレットを使って、キャプチャーした3Dの上から『ここのラインをもうちょっとここに』といった細かい指示を描き込んでパッと送っています。それができるようになってからは思いが伝わりやすくなり、スピードもクオリティも上がるようになりました。」

それまで手描きが主流だったデザイン業務にいち早く液晶ペンタブレットを取り入れ、積極的にデジタル化を推進してきた同社のデザイン部門。今後はVR 空間上に直接スケッチを描く技法にも注力していく方針です。〈型破りであること〉〈精悍であること〉〈こだわりがあること〉という揺るぎないデザイン哲学のもと、これからもワコムの液晶ペンタブレットとともに唯一無二のデザインを作り出していくことでしょう。

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