マンガ家 丸山恭右 様

「漫画家最強」を目指して。
Wacom Cintiq Pro 27とWacom MovinkPad Pro 14で漫画制作の常識を覆す

© Kyosuke Maruyama · Zoo / Cygames, Inc.

丸山 恭右(漫画家・イラストレーター)
武蔵野美術大学油絵学科卒業。2015年、読切『アシュリー=ゲートの行方』(少年ジャンプ+)作画担当でデビュー。その他の作品に、角川まんが人物伝『織田信長』、読切『SWORD IN THE CITY』、読切『その惑星で彼は生きる』などがある。現在は、『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』をサイコミにて週刊連載中。趣味はキックボクシングとトライアスロン。

サイコミ: https://cycomi.com/title/96
YouTube: https://www.youtube.com/@kyosukemaruyama4552
X: https://x.com/maruccckey (@maruccckey)

丸山 恭右 氏(漫画家/イラストレーター)

株式会社Cygamesが運営する「サイコミ」にて配信され、シリーズ累計発行部数570万部(2025年10月時点)を突破した格闘ギャグ漫画『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』。その作者である丸山恭右氏は、幾多の挫折と再起を繰り返しながら、漫画家という道に辿り着きました。丸山氏はデジタルの力を活用して徹底的に仕事の効率化を図り、現在は講演やYouTube配信など幅広く活動するほか、趣味のキックボクシングやトライアスロンにも精を出しています。

丸山氏が絵の道を志した原点は、小中学生時代の“落書き”にありました。時間があればいつも絵を描き、ノートの片隅に描いていた落書きは次第に密度を増し、ノートを埋め尽くす“大作”へと発展していきました。「長時間絵に向き合うのが全く苦にならなかった」というこの体験は、後の創作活動の基盤になったといいます。

地元静岡の美術系高校へ進学した丸山氏は、デッサンなど基礎を学び、絵の道に進むことを決意。その後、画力を磨くために武蔵野美術大学の油絵学科に進んだものの、抽象画中心の授業に挫折してしまいます。「自分が描きたいのはこういう絵ではなく、皆に“伝わる絵”だ」と方向性を定めました。ちょうどその頃、週刊少年ジャンプに連載していた『デスノート』『バクマン。』に強く影響を受け、丸山氏の中で「絵」と「漫画」がシンクロし始めました。

商業の方向に活路を見出した丸山氏は、大学在学中にイラストの仕事を始め、漫画の持ち込みにも挑戦するようになります。当初は厳しい評価を受けながらも、連載漫画家のアシスタント、読み切り漫画の制作、原作の作画担当などの経験を重ねながら、丸山氏の創作スタイルは磨かれていきます。転機となったのは、一時在籍していたCygamesでのネームコンペで高い評価を受けたこと、そして漫画原作者 Zoo(石橋和章)氏との出会い。

「当時、カンフー映画に感化されて太極拳教室に通い始めたことをZooさんに話すと、『太極拳って強そうに見えないけどなぁ』という返しがあり、そこから『でも一見弱そうな陰キャラが、実は太極拳使いで世界最強だったら面白いかも』と着想を膨らませたんです」。それが漫画『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』の企画の原点となりました。

丸山氏が描く作品の最大の魅力は、その圧倒的な画力にあります。「コスト無視」を信条とする丸山氏は、「これを描くと間に合わないから構図変えよう、ということは一切やらないと決めています。結果として工数がすごく上がり、アシスタント代とかも嵩んでしまってきつい部分ではあるんですが、そこから逃げないことが今の『TSUYOSHI』の画面の説得力につながっているのかなと思ってます」

その丸山氏の画力を支えているのが、現在メインで使用しているWacom Cintiq Pro 27です。連載を始めて7年以上使い続けたWacom Cintiq Pro 24から買い替えた理由は、「描き心地の進化」に惹かれたからだといいます。特に気に入っているのが、ベゼルの裏側に配置されたショートカットボタン「ExpressKey™」。「以前の左手デバイスを使っていた頃に比べて、肘の負担がなくなりました。それと、ボタンの数が5つに絞られているのがちょうどいい。僕の場合、多すぎると覚えられないんですよ。画面に何を押したかも表示されるので、かゆいところに全部手が届くといった感じです」また、細部の描き込みを重視する丸山氏にとって、高精細な4K解像度は欠かせないものとなっています。

もうひとつ、丸山氏が強く信頼を寄せているのが、Wacom MovinkPad Pro 14です。海外取材や全国各地での講演を行っている丸山氏は、飛行機や電車の中での作業がかなり効率的になったといいます。「ペンのサイドスイッチを使えるのがいちばんですね。スポイトツールを使うときなど、タップで操作するよりも、ボタンを押しながらスッと動かせる方が圧倒的にストレスが少ないです。それと、ペンの充電がいらないというのも大きなポイントですね」。現在では、出先でネームから下書き、場合によってはペン入れまで完了させることもあるそうです。

丸山氏は現在、8名のアシスタントを使っており、作業もコミュニケーションも全てリモートで行っています。ネームはアシスタントが背景を描けるレベルまで構図をしっかり固め、下書きができた時点で作業をアシスタントに任せるといいます。「下書きの段階でほぼ完成が見えるようにしているので、後はアシスタントにペン入れしてもらって、最後に仕上がりのチェックと修正を行います。毎回その修正意図をアシスタントにレポートにまとめてもらい、欠点と改善策を言語化することで、チーム全体の画力底上げを図っています」

“漫画家とか、絵描きのニーズって実に様々で、そうしたニーズに常にコミットするワコム製品というのは、本当にすごいと思います”
(丸山氏)

日々、漫画制作に取り組みながらジムでのトレーニングを欠かさず、海外取材、講演、YouTube動画の制作などをこなし、さらにトライアスロンやキックボクシングの試合にも出場するなど、次々と活動範囲を広げてきた丸山氏。今後の展望について次のように語ります。

「これを明確にやりたいっていうことより、次にどんな話が舞い込んでくるのかを楽しみにしています。今のことを精一杯やって、その結果、全く想像もつかない展開になっていることを期待しています」

表現と思考のプロセス

STEP 1 _ 下書きの作成

CLIP STUDIO PAINT EXを使用し、Gペンブラシで描き進めます。キャラクターのバランスやパースを意識し、ポーズやアクションはアタリを取ってから描き込みます。

STEP 2 _ ペン入れ

下書きの上から、Gペンを使って、本番となる線(主線)を描く段階です。線の強弱やタッチで、キャラクターの感情や背景の空気感を表現します。

STEP 3 _ トーンを加える

黒く塗りつぶすベタを塗ったり、グレーや模様を表現するためのトーン(網点)を貼ったりする段階です。レイヤー内に濃度ごとに素材として用意しておきます。

STEP 4 _ 仕上げ

キャラクターのペン入れが終わり、仕上げに建物、部屋の構造、風景、小物などを描き込み、画面にリアリティと奥行きを与えます。

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