年間60万枚の紙を削減、数理計算関連書類のペーパーレス化を実現

日本生命保険相互会社の団体年金部は、2024年12月にワコムの有機ELペンタブレットWacom Movink 13を75台導入。企業年金を扱う同部署で数理計算業務を担当するお二人に、DX化をするに至った課題や、Wacom Movink 13の導入効果について伺いました。

日本生命保険相互会社
令和元年に創業130周年を迎えた、国内最大手の生命保険会社。『誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会』を目指し、個人・法人向けの生命保険の引受をはじめ、資産運用や投資信託販売などの事業を展開しています。
https://www.nissay.co.jp/導入前は書類のスキャンに年間3,000時間を費やしていた
団体年金部では、確定給付企業年金の財政検証や退職給付債務の算定など、企業の退職金制度に関わる高度な数理計算を担っています。アクチュアリーと呼ばれる専門職が、統計や確率に基づいて将来の見通しを綿密周到に立てることで、約1,500社の顧客企業が社員へ確実に退職金を支払えるように支えています。
計算業務では、一つの算定結果を3〜4人体制でチェックする厳格なフローが設定されています。数字や根拠の妥当性・正確性が求められるため、1人目が必要書類一式を作成し終えたら、次の担当が整合性を確認し、さらに上へと上げていきます。確認漏れをなくし正確性を徹底するため、チェック時には注意点や補足事項などが紙書類に書き込まれます。
この厳格なチェック体制により、確認できるだけでも直近10年以上ノーミスという驚異的な品質を維持。信頼を高め、約1,500社の顧客にサービスを提供しています。
しかし、その裏側では紙の利用が膨大で、業務による資源や人のコストが課題でした。
白石氏はこう振り返ります。

「私たちの部門が扱う資料の枚数は年間約60万枚に上ります。保管場所の確保に加え、過去データを参照するために紙帳票をスキャンしてデータ保存する作業にも追われていました。これがとにかく膨大な量なので、サポート担当者が毎日コピー機に張り付き、長時間スキャン作業を続ける日々でした。」
ペーパーレス化を検討する中で算出したところ、年間約60万枚のプリントとスキャンが発生しており、各作業を10秒と仮定すると、年間約3,000時間の削減が可能であることがわかりました。これだけでも年間約2名分の労働量 に相当します。
書き心地、軽さ、画質。総合力の高さでWacom Movink 13を選定
「これらの課題を解決するため、ペーパーレス化の検討を開始しました。DX推進部署と協議を重ね、国内メーカーの製品を中心に比較検討を行いました。書き込み情報をデジタル化する必要があったため、『手書きでの注記』が可能なデバイスであることを必須条件としました。」

「インターネットでワコムさんを知りました。同時に他社製品も2〜3社調べてみて、すぐにワコムさんの製品が最も信頼できると感じました。問い合わせしたところ、すぐに丁寧な製品説明と検証機の貸し出しをご提案してくださいました。液晶ペンタブレットと有機ELペンタブレットの2タイプをお借りして2週間実務でテストし、要求を満たせることが確認できましたので、有機ELペンタブレットの採用を決定しました。現在、東京・大阪のメンバー全員分に加え予備も含めて 75台を導入 しています。」と中西氏は説明します。
選定の決め手についても、お話しいただきました。
・紙にペンで書くようななめらかな書き味
白石氏は、自然な書き味を高く評価。
「Wacom Movink 13を実際に使ってみて、まず“書きやすさ”に感動しました。デジタルなのに紙にペンで書くように何のストレスもなくさらさらと書けるところが非常に気に入っています。私は、PDF帳票をMicrosoft Edgeで開き、専用ペンでディスプレイにコメントを手書きするという使い方をしています。
中西氏は、「マルチタッチ機能を搭載しているので、指で画面を拡大して字を大きく書ける点も便利です。」と話します。一方で、この機能を使わずに指での操作に反応しない設定にして、ペンのみで操作をしている担当者もおり、各自が使いやすい設定を選べる点も評価が高いそうです。

・薄くて軽く、在宅勤務の利便性も向上
在宅勤務での使用を考慮し、軽さや薄さも重視して選定したといいます。
白石氏は次のように話します。
「重い書類を持ち運ぶ必要がなくなりましたし、本体がスリムで取り回しがしやすいので、無理な姿勢にならず作業できる点も助かっています。また、薄くて軽いので、家の中でも職場でも、必要な場所にすぐ持ち運べる機動力が本当に助かっています。Wacom Movink 13はどこに置いても邪魔にならないサイズ感も気に入っています。すぐに作業環境を整えられるので、仕事が途切れずスムーズに進むようになりました。」
最近、自宅でこたつに入りリラックスしながら作業したところ、とてもはかどったというエピソードも紹介してくださいました。
・熱を持たない高精細ディスプレイで、長時間作業も快適
「細かい数字がびっしり並ぶ資料を扱うことが多いため、目の負担を軽減するうえでディスプレイは高画質であることが重要でした。一方で、高画質でありながら本体表面が熱を持たない仕様であることも欠かせません。なぜなら手をディスプレイの上に置いて長時間操作することが多いためです。ワコム製品はバッテリーを内蔵していないことに加え、有機ELの特性や設計上の工夫により、ほとんど熱くならない点も選定理由の一つでした。」
・直感的に使えるシンプル設計
「担当者が迷わずに使えるデバイスであることも重要だったので、PC画面を投影して書き込むというシンプルな仕様にも魅力を感じました。余計な機能がなく、業務で必要な操作を直感的にできます。また、セキュリティに厳しい金融機関としては、ペンディスプレイが記憶装置を持たないことも大きな安心材料でした。」
・外付けディスプレイとしての利便性
数理計算業務では、チェック対象の成果物や自分の計算結果、過去の参考資料など、複数のファイルを同時に参照する必要があります。そのため従来は、机いっぱいに書類を広げて作業していました。現在は Wacom Movink 13 をPCに接続し、外付けディスプレイとしても活用しています。その結果、ノートPC・Wacom Movink 13・もう1台の外付けディスプレイによる 3画面での作業環境 が定着しています。 「従来と同じ感覚で作業できるのが良いですね。」と中西氏は評価します。

ワコムのペンディスプレイ導入で完全ペーパーレス化を実現し業務を刷新
「Wacom Movink 13を導入して1年。書類への書き込みや確認作業をすべてデジタルで完結できるようになったことで紙を使う必要がほとんどなくなり、結果として完全なペーパーレス化につながりました。これにより、帳票をスキャンして保存する作業が不要となり、担当していたサポート業務の負荷も大幅に軽減。別の業務へリソースを振り分けられるようになりました。中西氏は「最初は紙でも確認したいという声もありましたが、今ではお客様に提出する報告書も紙に出力することはありません。部内の業務は、すべてペーパーレスで効率的に回っています。」と語ります。
短期間で慣れた、もう紙には戻れない作業環境
「導入前は不安の声があり、実は私自身も気が進まなかったのですが、それは杞憂でした。」と中西氏が振り返ります。
「私は1週間ほどでペンディスプレイの操作に慣れました。ガラケーからスマホに変えたときと同じ感覚かもしれません。最初は抵抗感があっても、便利さを知るともう元には戻れません。初めはディスプレイに近づけてペンを動かすとカーソルが動くことに違和感がありましたが、すぐに気にならなくなりました。いまでは業務に欠かせないツールです。」と白石氏。
さらに「ファイルの開き方や並べ方を工夫することで、Wacom Movink 13を含む3画面の作業環境を最大限に活用できるため、紙よりも効率的に仕事が進められています。同じように帳票をチェックする作業を担当する方にとっては、紙より便利なツールだと思います。」と語ります。
中西氏は次のように語ります。
「完全にペーパーレス化したと伝えると、同じ数理計算業務を行う他社の方には驚かれます。こうしたツールを必要とする企業や部署が、まだまだ多く存在しているのだと感じています。」

環境・BCP・働き方を前進させるDX
同社は、コスト削減や業務効率化だけでなく、環境負荷の低減やBCP(事業継続計画)の観点からもDXを推進しています。Wacom Movink 13を中心としたデジタル環境の整備により紙書類を大幅に削減できたことは、この取り組みを大きく後押ししました。さらに今後はフリーアドレス制の導入も予定しており、デジタルを前提とした柔軟な働き方を視野に入れています。良いツールを積極的に取り入れながら、時代に即した経営を実践していく方針です。
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