プレスリリース バックナンバー
2006/11/07
デジタル・アニメーション制作に新しい試み
「Cintiq 21UX」の直感的な描画・操作で作業効率を向上
株式会社ワコム(本社:埼玉県北埼玉郡、代表取締役社長:山田正彦)は、当社の液晶ペンタブレット「Cintiq 21UX (シンティック にじゅういち)」を使用して制作されたデジタル・アニメーション作品が、インターネット・ブロードバンド放送「GyaO」で公開されましたことをお知らせします。一般的にアニメーション制作は、静止原画の描き起こしから動画映像の編集までを多くの作業工程に分割し、それぞれ異なる担当者が行っていますが、この作品は試験的に「Cintiq 21UX」だけを使用した環境で、1人の制作者が制作したものです。

この作品は、大手アニメーション企画制作会社である株式会社プロダクション・アイジーの大野大樹氏が制作した「ヒトモドキ」で、「GyaO」のオリジナル・ショート・アニメーション・シアター「a-i-r」(エア)において10月6日より配信されています。
【配信URL:http://www.gyao.jp/anime/air

現在プロダクション・アイジー社は、当社の高機能ペンタブレット「Intuos (インテュオス)」を使用してアニメーションやCGの制作を行っています。今回大野氏は、上記のショート・アニメーション企画として「Cintiq 21UX」を使用し、すべての制作作業を1人だけで、フルデジタルの環境で行いました。制作にあたっては、デジタル環境の利点を考慮して、高い描画品質と効率的な進捗管理に重点が置かれました。

原画

作品として配信されている画像

原画 作品として配信されている画像

一般的に行われるアニメーション制作は、しばしば「キャラクターや背景の原画を紙と鉛筆で描き起こす」「それぞれの動きを描画する」「作画をスキャンしてデジタルデータに変換する」などの工程を経て進められます。その後、デジタル環境に移行してキャラクターや背景に色付けし、映像にするための合成・編集が行われます。特に原画の描画作業では、紙と鉛筆、消しゴムを使用した場合、何度も絵を描いたり、彩色を試すなど、描画の試行錯誤が多く発生し、原画の損傷にもつながります。また、デジタル環境で映像化する作業においても、一部に紙ベースの作業が残っていたり、複数の担当者が多くの工程を踏むために、作業全体の工程管理が複雑かつ難しくなっています。

このような作業工程に対して、大野氏が今回「Cintiq 21UX」を使用して行ったデジタル環境では下記のような利点が指摘されています。
  • 液晶画面上の描きたい場所で直接操作できるため、描画とアプリケーション操作を直感的に行うことができた。
  • 筆圧を効かせた描画や色付け、素材合成、編集工程などの作業を、やり直しを気にせずに自然な動作で直感的に行えた。
  • 色付けにおける詳細な色味を容易に調整できた。
  • 通常行う紙への描画工程、スキャン工程を省略できた。
  • 制作過程において、さまざまなアプリケーションを使用した全ての作業を同一画面上で行うことで、制作ならびに工程管理を効率的に進めることができた。
プロダクション・アイジーでは、「Cintiq 21UX」を使用してフルデジタル制作で得られた効率的な描画作業、作業工程の進捗管理、デジタル資産の共有などのノウハウを今後の作品制作にも取り入れ、応用していくとしています。

「a-i-r」について

株式会社TLIP(トリップ)が株式会社 USENが運営するブロードバンド放送「GyaO」において10月6日から配信を開始した放送イベント。有力制作プロダクションや個人作家のオリジナル映像作品が毎週配信される。個人のアニメーターやクリエーターが自由な発想で面白いものを作れる環境作り、今までにない新しいコンテンツを創出する目的で企画された。

>> 公式URL:http://www.a-i-r.jp


プロダクション・アイジーについて

内容・映像・音楽ともにハイクオリティなアニメーション作品の企画から制作までを一貫して行い、ワールドワイドなマーケットに向けて提供していく、コンテンツ・プロバイダー。主要な作品は、「攻殻機動隊」シリーズ(劇場シリーズなど)、「イノセンス」(劇場用作品)、「やるドラ ポータブルシリーズ」(プレイステーション用ゲームソフト)など


【株式会社ワコムについて

株式会社ワコムは、1983年創業のペンタブレットメーカーで、全世界で事業を展開しています。当社は独自の入力技術「電磁誘導方式」でコードレス&電池レスの電子ペンを実現し、筆圧、消しゴム、傾き検出、デバイスIDなど、先進的な機能を搭載した入力デバイスを世界に先駆けて製品化してきました。ペンタブレットの国内シェアは96.5%。また、現在、世界で生産されているほとんどのタブレットPCにはワコム製のセンサー&ペンが使われています。

■この発表に関する報道機関からのお問い合わせ先■

株式会社ワコム 東京支社  広報室 (担当:池田) 
電話:03−5309−1501
Eメール:wacompr@wacom.co.jp

 

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