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イラストテクニック第109回/四季まこと

第109回は、四季まことさんの登場です!
Corel Painter X3を使ったイラスト作成過程を紹介します。

四季まこと

風景・ファンタジー系イラストレーター。現在はゲームの背景等で活躍中。当面の目標は、書籍の表紙を担当すること。

ウェブサイト

http://makkou4.tumblr.com/

各項目のサムネイルをクリックすると、制作画面のスクリーンショットか、拡大画像を見ることができます。

1:大ラフ・カラーラフの作成

まずはラフの作成です。季節が冬ですので、今回は雪原を題材にした絵を描くことにしました。

最初にPhotoshopで大ラフを描きます。大ラフは構図のバランスと陰影の調子をつかむために、ざっくりとグレースケールで作成します。三分割法※を意識した構図です。

大ラフが決まったら、大ラフをベースにカラーラフを作成します。
カラーラフは画面全体の色彩設計が目的です。普段は、大ラフにオーバーレイや乗算レイヤーを重ねてグリザイユ画法※で着彩することが多いのですが、今回は大ラフを直接ブラシで塗り潰して色を置く手法とりました。
納得のいく色合いになったら、要素別にレイヤーを切り分けます。

遠景には雪山、中景には針葉樹まじりの雪原、近景には枯野と少女、白馬の構成です。

キャラクターと背景が同じ白色なので配色が難しくなりますが、ここではキャラクターの白さと空の青さとのコントラストと、前景に黄・赤といった前進色を置くことで対処したいと思います。

季節は初冬――真冬の厳しさではなく、新雪の美しさと冬空の爽やかさを表現することが目標です。

※三分割法……画面を縦横に三等分する直線を引き、それぞれの交点に重要な要素を配置する構図法。
※グリザイユ画法……最初にグレースケールで下塗りをし、その後オーバーレイや乗算のレイヤーを重ねて着彩する画法。色相に惑わされないため、明暗の調子がつかみやすくなる。

2:着彩準備

カラーラフの作成が終わったら、いよいよ着彩に移ります。今回メインで使用するソフトは、Corel Painter X3です。500種類を超えるブラシを選択することが可能で、アナログ的な表現に優れています。

今回は、テクスチャにアーティストキャンバスを設定し、ブラシは標準搭載のものではなく、ざらりとした描き心地のオリジナルの油彩ブラシを採用することにしました。精密な表現には不向きですが、油彩風の味のあるタッチが可能です。

※2015年12月現在のPainterの最新バージョンは2016なので、X3とは一部仕様が異なります。

3:フレームの作成

カラーラフをPainterに取り込んだ状態です。
キャンバス全体を左右上下に500ピクセルずつ拡張し、レイヤー最上部に黒塗りのフレームレイヤーを作成しました。
これは後々の構図修正に配慮して塗りの範囲を大きめにとるためと、Painterのブラシエンジンの弱点である白引きずり・黒引きずりに対処するためです。このフレームは、最後に削除します。

※白引きずり・黒引きずりは、Painter2016で改善されたそうです。

4:空・雲の描画

空は、カラーラフで切り分けたレイヤーは使用せず、一から描き直すことにしました。

空を青色で塗り潰した後、雲の描画に移ります。雲の描画には、雲影を意識したオリジナルの雲ブラシを使います。

最初に、高い所にある雲を薄く描きます。強風にあおられる雲を意識して、刷毛で払うように荒々しいタッチで描きます。
続いて、少し低い所にある積雲を描きます。パースを意識して、近い雲ほど雲の底を広く大きく、遠い雲ほど狭く平らに描きます。この絵では強風で形が崩れていますが、積雲は雲の頭を丸みを意識して描くようにします。

5:遠景の描画

全体の空気感を重視するために、まずは最遠景の雪山から描いていきます。遠景の雪山は、ハイライト部は青みを帯びた白、陰部はより空の色に近いブルーで、山塊をノミで彫刻するように谷部を描いていきます。水流で削られた谷は断面がV字に(V字谷)、氷河で削られた断面がU字に(U字谷)になります。水や氷河の流れを意識して、地形を彫り込んでいきます。

続いて雪山の手前の丘陵を描きます。丘陵の針葉樹は、[ストロークのジッター]とブラシの[間隔]を大きめに設定した専用のブラシで描いていきます。
針葉樹は近くで見ると濃い緑ですが、遠方から見るとブルーに見えます。

風景を描くときに大切なことは、空気は無色透明の存在であるという先入観を捨てることです。遠景を描くときは、たっぷりと空気の色を含ませるのがコツです(空気遠近法)。

6:中景の描画

雪原と針葉樹を描いていきます。パースをより意識するために、アイレベル(カメラの高さ)にガイドラインを入れています。

まずは遠方の針葉樹から手をつけます。ブラシは遠景の針葉樹を描いたものと同じものを使いますが、カメラからの距離が近い分、空気の色を弱めにし、色を固有色の深緑に近づけます。

大きめの針葉樹の描き方です。最初に大地に垂直に幹を描き、上から見て同心円状に枝をはやしていきます。針葉樹は枝が、上向き、横向き、下向きの種類がありますので、資料でしっかりと確認します。
ここでは枝をやや上向きで描いていますが、豪雪地帯の針葉樹は枝が下向きの種類が多いです。

枝を描き終わったら、続いて枝に雪をのせていきます。 雪を乗せるときも、平らでハリボテのような木にならないように、同心円を意識して描きます。

針葉樹を描きながら雪原の着彩も並行して進めていきます。
雪原の着彩には、最初にに紹介したオリジナルの油彩ブラシを使います。ブラシ設定の[不透明度][テクスチャ][補充量][にじみ]の数値を適宜調整して、色をなじませるようにブラシを走らせます。
[補充量]を"0"に設定すると、色を塗らず、キャンバス上に塗ってあった色だけを伸ばすことができるようになるため、この技法も併用していきます。

遠方の景色を描くときは奥行きの圧縮を意識してブラシを水平方向に走らせ、カメラに近づくに従って上下方向の動きを加えていくのがコツです。

7:キャラクターの描画

近景に着手する前に、今回のキャラクターである白馬と白髪の少女の着彩を並行して進めていきます。

馬は難しいので、資料にしっかりと目を通し、骨格と筋肉を描きます。他の動物を描くときもいっしょです。本物の動物を観察し、その生態を知ることも大切です。

続いて少女を描きます。こちらも骨格と筋肉を意識して人体の形状を整えていきます。
今回はリアルに寄せたデザインのため、目や鼻の造形を簡略化せずしっかりと描き込みます。顎も、喉側ではなく正中線にそって鼻の下に来るように配置します。
顔は細かいパーツが多いため、オリジナルの油彩ブラシのバリエーションである、エッジがたったブラシで描いています。

顔が描き終わったら、衣服を描いていきます。着衣は、日本とモンゴルの民族衣装を参考にデザインしました。厚手の生地をイメージして、皺をいれていきます。

8:近景の描写

草むらと樹木を描いていきます。

草むらを描くには、専用の草ブラシを使います。アナログで草を描くときのタッチを参考に、ブラシ設定の[角度][角度のジッター][角度範囲]を大きく設定し、まだ[角度][厚み][ハードメディア][厚み][最小(大)値(縦)]の数値を小さくして横幅を潰した円形のブラシを使います。
このブラシを横方向に走らせれば、すばやく草むらを描くことができます。大きめの草は、通常の油彩ブラシで、しっかりと葉を描いていきます。

樹木に着手します。写真などの資料を参考に、幹から枝へと描き進めていきます。
樹木のハイライトと陰影は、幹枝の丸みを意識して入れていきます。木の葉は脇役なので、シルエットのみを意識してラフに描きます。前進色である紅葉の赤色によって、キャラクターに視線を引き付けます。

9:ウサギの描画

ウサギを描いていきます。

ウサギには、画面に動きや遊びを加えるだけでなく、視線誘導の狙いがあります。少女から馬へと移動した視線を、画面左奥の中遠景へ流すため、黄金螺旋を意識した配置にしてあります。

10:前景の描写

前景の草むらを描いていきます。白馬に草を重ねることで、奥行き感を増すことが目的です。

草むらの描き方は近景での描き方と同じですが、遠近感を出すためによりディテールを鮮明に描いています。本来の枯れ草よりかなり強めの色ですが、画面に彩りを加えるためと、前進色である鮮やかな黄色で視線を画面手前に引き寄せるのが狙いです。

草を描くときは、"草"と"草むら"と"草原"の描き分けを意識します。
・草は主役と考え、ディテールをしっかりと描く。
・草むらは脇役と考え、シルエットを曖昧にし、目立たせたいところのみディテールを描く。
・草原は背景と考え、色彩と質感で表現する。

11:キャラクターのディテールの描写

ある程度、前近景の描き込みが終わったら、キャラクターのディテールを詰めていきます。

今回は馬が目立つので、馬具をしっかりと描いていきます。馬具と並行して、キャラクターの装飾も描き進めていきます。

ディテールを描くときは、質感を意識してブラシを走らせます。金属は金属らしく、布は布らしく、毛は毛らしく、写真などの資料をよく見て考えながら色とタッチをのせていきます。

12:アクセント・画面全体の調整

画面全体の調整 をしつつ、絵にアクセントを加えていきます。

まずは、全体の構図を整え、動きを加えるために青空に光の鳥を追加します。

次に空に舞う白雪を描いていきます。上空の雲の流れと対角線になるように風に流れるように配置し、構図に変化を加えます。

次は、中景のヤクの群れを描きます。褐色に見えますが、実際にはかなり灰色に近い色で塗っています。

画面に若干の寂しさを感じたので、目立たないように鳥の群れも追加することにしました。鳥の群れも雪と同様、雲と対角線になるように、画面の左上に向かって飛び立つように配置にしました。

画面全体の調整も並行して進めます。雲や山、樹木や草むらなど物足りなく感じたところはディテールを描き込み、逆にうるさく感じたところはディテールを塗り潰したり消したりします。

13:仕上げ

仕上げです。ファイルをPhotoshopで開き、色みを調整し、エフェクトをのせます。

最初に、遠景にブルーのスクリーンレイヤーをかぶせました。これは空気感を表現するためによく使うテクニックです。また、一部のオブジェクトについて色みやコントラストの微調整もします。

続いて、Painterに戻り、太陽光をスクリーンレイヤーで追加しました。普段はPhotoshopでエアブラシを使用することが多いのですが、今回はよりアナログ感を強調するために、着彩に使用した油彩ブラシをそのまま使用することにしました。

サインを入れ、フレームを削除したら、Photoshopに移り、調整レイヤーを二枚のせて、彩度と明度・コントラストを若干あげる処理をしました。

これでこの絵は完成です。タイトルはシンプルに『雪野原』とすることにしました。

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