スタジオコロリド

デジタル作画の旗手として注目されるアニメーションスタジオ。
若さと情熱あふれる制作現場で
液晶ペンタブレットが必須アイテムに。

スタジオコロリド

新進気鋭のアニメーション制作スタジオとして『陽なたのアオシグレ』『台風のノルダ』などのオリジナル作品を発表してきたスタジオコロリド。創業7年目を迎える2018年夏、自社初の長編劇場作品『ペンギン•ハイウェイ』が公開され大きな話題を呼んでいます。

スタジオコロリドは初作品となる『陽なたのアオシグレ』からデジタル作画を導入して以来、フルデジタル制作を目標に、デジタル作画の導入に積極的な取り組んでおり、業界内外から注目される存在となっています。

colorido.co.jp

このカットは液晶ペンタブレットでなければ
描けないという監督の要望でデジタル作画を導入

スタジオコロリドは、新進気鋭のクリエイターによるオリジナル作品を中心に制作してきた異色のアニメーション制作会社。近年ではその制作作品に加えて、デジタル作画への積極的な取り組みでも業界から注目を集めています。

同社がデジタル作画への取り組みを始めたのは、初作品となる『陽なたのアオシグレ』制作中のこと。学生時代からデジタル技術を用いた自主制作アニメーション作品で知られていた石田祐康監督が中心となって、ほとんどがデジタル未経験者の集まりだった制作現場に、液晶ペンタブレットによるデジタル作画の導入を進めました。

「作品のクライマックスで3DCGのカメラマップの中を作画のキャラクターが動き回るカットがあるのですが、このシーンを描くには液晶ペンタブレットによるデジタル作画でなければという石田監督の強い思いがあって、スタジオに5台のCintiq 12WXとStylosを導入しました」

現在は総勢40人のスタッフがCintiq 13HD/22HD、Wacom Cintiq Pro 16等を使用しているスタジオコロリドで、デジタル作画スタッフの中心的存在として活躍する栗崎健太朗さんも、『陽なたのアオシグレ』の制作で液晶ペンタブレットに触れるまではデジタル作画についての知識がまったくない状態でしたが、今では液晶ペンタブレットがスタジオにとって無くてはならないものになっているといいます。

デジタル作画の導入で作画スタッフの意識に変化

栗崎さんは、デジタル作画を導入することで、いち作画スタッフとしての自身の意識が大きく変化したと振り返ります。

「それまで紙で描いていた時は、パラパラめくって確認することはできましたが、完成した映像を観るまで自分の担当するカットがどうなっているのかを理解しきれていませんでした。デジタル上でリアルタイムのタイミングで再生すると細かい部分までわかるので、メリハリのある動きを追及することが出来ました。そして、ただ動画を描いているのではなく、映像を作ることに携わっているんだという感覚になれました」

スタジオにデジタル作画を導入する過程で、作画だけではなく、前後の工程との素材のやりとりについても考えた結果、スタジオワーク全体を俯瞰してみることができる様になったことも、栗崎さんにとって大きな収穫でした。

「デジタルで動画を教える時には、仕上げ(ペイント)も体験してもらうようにしています。自分が描いた動画を塗ってみると、これでは合成が上手くいかないとか、プレビューしてみると線質、仕上げの乱れ、いわゆるパカとして見えるということが実体験として学べるので、描いて終わりにならないんです」

デジタル作画技術の変革期に対応できる
ワークフローを構築

最新作『ペンギン・ハイウェイ』の制作期間は、ハードウェア、ソフトウェアの両面で、デジタル作画環境が大きく進歩する、文字通り激動の3年間だったと栗崎さんはいいます。それ故に、現場では様々な問題にぶつかることもありました。

「これまでにない長編ということで、紙とデジタル作画の混在は避けられないので、演出や動画検査などチェックする側は紙とデジタルの両方を見る必要がありました。さらにデジタルの中でもCLIP STUDIO PAINTとStylos、さらにTV Paintを使うチームもいたため、演出陣と監督と作画監督がまず全てのツールの使い方を覚えるところから始めました。」

同スタジオでは、これまでにStylosを使ったワークフローが定着してい たことから、各ツールでSt ylosに準拠したショートカットを作成する等、使い慣れたツールを基準にした環境を構築することで、ツールの混在が 制作に影響しない様にしました。

「作画ツールにはそれぞれ特性があるので、すべてを統一することは難しいので、混在する状況を避けられないにしても、ここだけは押さえたいという部分は制作や監督と密に話し合い、問題になりそうなところを予測して進めました」

演出スタッフにこそ有効な
Cintiq Pro 24の大画面と高解像度

「ペンギン・ハイウェイ」の制作を通じて、様々なツールが混在する現在のデジタル作画の現場では、最新のCintiq Pro 24のような大画面、高解像度の液晶ペンタブレットが作業の効率化に有効な手段になると栗崎さんは感じています。

「チェックする側は、異なるツールで作成された素材を確認するために複数のツールを起動する必要がありますが、大画面・高解像度であれば2つ以上のウィンドウを開いても画面が狭くならならず効率的に作業できるので、演出陣ほど大きい画面を使うべきだと思います。また、作画スタッフもツールの機能を拡張することで表示されるメニューが増えるので、高解像度のほうが作業領域を大きくとることができ、タイムラインも横に長く表示できるので作業しているカットの全体を把握しやすい等、Cintiq Pro 24の24インチ4K解像度の恩恵を強く感じました」

これだけデジタル作画について考えたのは、この3年間だからこそだという栗崎さん。様々な作画ツールや新技術が登場する中で、デジタル作画に関わるプレイヤーが増えていることに頼もしさを覚えています。

「SNSで自作のアニメを投稿する人やACTF(アニメーション・クリエイティブ・テクノロジー・フォーラム)の様なイベントで新しい技術やノウハウに触れる機会が増えてきたので、自分の学生時代とは比べられないほど、アニメーションを作るということがより身近になったと思います。これまで会社に入ってから考えていた様なことを、学生時代から追及しているような世代がこれから活躍していくのかなと期待しています」

これまでの経験を活かして、デジタル作画で作品を作る事例を積み重ね ていきたいという栗崎さん。スタジオコロリドの作品を観た人がデジタ ル作画に関わるようになり、情報交換や技術開発が活性化することで、より効果的な制作スタイルやワークフローが産まれる。そんな未来を見 据えて、スタジオコロリドは次なる挑戦へと歩を進めています。

この事例のソリューションや
製品に関するお問い合わせはこちら