株式会社白組 様

株式会社白組 Visual Effects Designer 平野将幸氏による
Wacom Intuos Pro クリエイターレビュー

株式会社白組(以下:白組)は、CM、劇場用映画、ゲーム映像、テレビ番組、ネット配信用番組、イベント映像などの各種コンテンツ企画制作を手がける、総合映像制作プロダクションです。白組はCGやVFXからミニチュア制作まで幅広い技術を持ち、多くの大ヒット映画やテレビアニメ、ゲームなどを手がけています。白組で、Visual Effects Designerとして活躍している平野将幸氏に、2025年に新しくなったWacom Intuos Proをお試しいただき、ご感想を伺いました。

製品情報:Wacom Intuos Pro

平野氏は、白組で18年以上、CMやPV、映画などの背景やキャラクター制作にまつわる業務全般を担当してきました。現在は、リードアーティストとして、3Dアーティストが描いた美術ボードを元にAutodesk 3ds MaxやAutodesk Maya、Blenderを使ったモデリング作業とMaxon ZBrushを使ったスカルプト、Adobe  Substance 3D DesignerやAdobe  Substance 3D Painter、Adobe  Photoshopを使ったテクスチャー作成も行っています。その後、Autodesk 3ds Maxに戻って、質感を付けてレンダリングするというのが平野氏の一連の制作フローです。

ワコムのペンタブレットを20年以上愛用している

平野氏は、スカルプトやテクスチャー作成の際にペンタブレットを愛用。平野氏とペンタブレットの付き合いは、白組入社以前の専門学校時代からになります。

「自分が専門学校に所属していたときは、学校所有のペンタブレットがなかったので、学生が各自持参していました。私は、Intuos 3を使っていたと思います」

会社ではミニPCを使っており、デュアルモニター環境にしているそうです。「ミニPCの手前にキーボードを置き、一番手前にペンタブレットを置いています。Altキーとか左シフトキーを押すことが多く、キーは常に左手で触っているのでキーボードを少し左側に寄せています。。その。テクスチャー作成などでは右手は常にペンを握っています」

平野氏は、会社だけでなく自宅でも作業をすることがありますが、自宅用にもペンタブレットを用意しているそうです。自宅用として以前のモデルのWacom Intuos Pro small(PTH-451・2017年発売)を使い、自宅と会社兼用で同じく以前のモデルのWacom Intuos Pro(PTH-651・2017年発売)を利用しています。どちらも平野氏の私物で、会社から自宅に持って帰っているとのことです。会社では、液晶ペンタブレットのWacom Cintiq 16を使うときもありますが、基本的には板型のペンタブレットを使っているそうです。その理由を平野氏は次のように語りました。「液晶ペンタブレットを使うと、操作するとき下を向くことになりますが、基本的にメインモニターの作業画面から目を離したくないのです。また、下をずっと向いていると首も疲れます」

また、自宅で作業をするときはリモートデスクトップツールのSplashtopでWacom Bridgeを利用して、会社のPCにリモートアクセスをして制作を行っているとのことです。
※Wacom Bridge : リモートデスクトップ接続時でも遅延なペン入力ができる機能

スカルプトもテクスチャー作成もペンタブレットがないと不可能

スカルプトやテクスチャー作成の際、ペンタブレットを使って作業を行うことは、大きなメリットがあると平野氏は力説しました。「スカルプトもテクスチャー作成に使うソフトも、基本的に筆圧が使えないと作業ができないんです。3Dモデリングでの押し出し(平面の形状を立体的なオブジェクトに変換するための操作)や全体のシルエットを整えるくらいならマウスでもできますが、人間の皮膚の皺(しわ)とか、線が途中で太くなってまた細くなるとか、そういう表現はペンタブレットを使わないと不可能です」

新製品のWacom Intuos Proの描き心地は最高

ワコムのペンタブレットを長年使い続けてきた平野氏に、新製品のWacom Intuos Proをしばらく試用してもらい、ご感想を聞いてみました。

「まず、前のモデルに比べて薄く軽くなったことには驚きました。質感もよくなっていると思いますし、見た目もすっきりしていてかっこいいと思いました。ペンを走らせたときの摩擦感も心地よいです。以前は別売りのオーバーレイシートに貼り替えて使っていましたが、新製品は標準で採用されているオーバーレイシートでも描き心地がとてもいい印象です。また薄くなったので、手をタブレットとの境界に置いて描くときも、段差が気にならなくなりました」

新たに追加されたラバー芯の感触も気に入ったと話してくれました。「ラバー芯はほどよく滑り感がありつつ、筆圧を強くするとグリップ力もあるのでとても使いやすいです。また、以前はExpressKeyとダイヤルを使っていませんでしたが、押しやすい位置に配置され、ダイヤルも物理ダイヤルになったので、カスタマイズの幅が広がっていろいろ試したくなりました」

ペンのボタンが3つになったことも大きなメリット

新製品では、ペンの世代も最新のWacom Pro Pen 3になり、側面のボタンの数が2個から3個に増えています。平野氏は、このボタンが3個になったことを高く評価しています。

「ボタンが3つになったことは、いろいろなソフトと組み合わせて使う際に大きなメリットだと感じました。Maxon ZBrushとかAdobe  Substance 3D Painterみたいなソフトでは、ボタン2個では足りないことが結構多くて、もう1個あったらいいなと思っていました。ボタンが3つになったことでカスタマイズ性も広がりますし、すごくいいなと思っています」

smallとmediumは3D作業者向き、largeは2D作業者向き

Wacom Intuos Proには、small/medium/largeのサイズが異なる3モデルがあります。平野氏には、mediumサイズを試用していただきましたが、それ以外のサイズについて、平野氏ならどう使うかお聞きしました。

「3D作業だとスカルプトにしてもテクスチャー作成にしても、あまり大きな領域で腕を動かしてやる作業ではないので。smallサイズでも事足りるんですが、もうちょっと細かいスカルプトをやりたいとか、ペインティングをしたいといった場合にmediumサイズが一番いいサイズだと思います。オールマイティに作業ができ、キーボードやマウスなどの他のデバイスも圧迫しないちょうどいいサイズです。largeサイズは、3D作業者よりも、2D作業者、マットペインター向きだと思います」

ペンタブレットは紙と鉛筆であり、なくてはならない相棒のようなもの

最後にクリエイティブ制作の現場でペンタブレットはどのような存在なのか、平野氏にお聞きしました。

「私にとってペンタブレットは、昔から当たり前のようにあるもので、本当に紙と鉛筆のようなクリエイティブ制作において根本的な存在であり、なくてはならない相棒のようなものだと思います」

製品情報:Wacom Intuos Pro

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