TROYCA(株式会社トロイカ)

「ちゃんと努力をする人には応えたい」
スタッフの育成にも力を入れるスタジオが
アニメーションの動画工程をフルデジタル化
そのコストパフォーマンスを支えるツール

TROYCA(株式会社トロイカ)

三頭立ての馬車という意味のトロイカから名付けられた、制作・演出・撮影という3つのセクション出身の長野敏之・あおきえい・加藤友宜ら3名が立ち上げたアニメーションスタジオ。2014年に初のオリジナルT Vシリーズ作品となる「ALDNOAH.ZERO」を作り出し、その後も「Re:CREATORS」「やがて君になる」「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」など、アクションから日常まで幅広いジャンルを手掛けてきた。映像の一瞬・細部に至るまで妥協を許さず、作品世界の空気を作り上げ、キャラに生命を与えることに力を入れている。TVアニメ「アイドリッシュセブン Third BEAT!」の制作が決定し、現在、鋭意製作中。(2021年3月現在)

https://troyca.jp/
©BNOI/アイナナ製作委員会

組織としては背景部分以外の殆どのセクションを制作する環境を整えており元請け作品を中心に年間1~2本の制作ラインに絞ってアニメーション作品を産み出しています。中でも近年では作画工程の中でも動画作業のデジタル化を推進しており前述の加藤氏、プロデューサーの岡村繁久氏(以降、岡村氏)、動画検査の宮本雄介氏(以降、宮本氏)にWacom Cintiq 16を導入した経緯をお聞きしました。

目指すは動画工程を完全ペーパーレス化
動画マンのキャリアプランを考えて
無駄を省いた液晶ペンタブレットのチョイス

当初からアニメーション制作工程のデジタル化を推進し効率化していったトロイカ。すでにデジタル化されている仕上げ、撮影、CGのセクションに加えて、設立時から参画している動画検査の宮本氏を中心に徐々に2016 年頃から動画作業もフルデジタルへとシフトしていく事になりました。元々デジタル作業にも馴染みがあった宮本氏が他社からの研修を受けて動画仕上げを一体で作業する工程として取り入れたのが始まりでした。そこから試行錯誤を繰り返し、ワークフローの改善、スタッフのスキルプランの見直しから、デジタルでの動画と仕上げを分離する事になりました。

「当社は作品本数を絞っているのでおのずと求められるレベルは高くなっています。反面、新人で採用している動画のスタッフには将来のキャリアプランも考えて、原画の見習いとしての動画マンではなく動画に向いているスタッフはその道を極められるようにと指導しております。その中で動画のフルデジタル化に対しては、当初は板のペンタブレットで始めていましたが今後は生産性も考慮して液晶のペンタブレットに乗り換えていきたいです。(宮本氏)」

社内の動画マンや原画マンの育成環境を考えた時に「会社としてのツール環境にはちゃんと投資をしてあげたい」という思いから岡村氏や加藤氏ともディスカッションしていたそうです。13インチから22インチまでの液晶ペンタブレット製品を自宅でも導入し、テストを重ねてきた宮本氏、紙の作業も並行して行うには作画机の大きさと比べるとやや大きい印象と作画を扱うには13インチよりももう一回り大きい16インチの液晶ペンタブレットが今の所アニメーションの作画用紙と同等の作業スペースを確保するには最適解だったと結論づけました。その中でも最近リリースされた一番コストパフォーマンスの良いWacom Cintiq 16の導入を決定しました。

増える地方スタジオとの連携
デジタル・ネイティブ世代の教育
その中での作画データの扱いとメリット

新人の動画マンを採用して三ヶ月程度の研修期間を設けている同社、2021年度の動画新人採用から紙の研修をやめてスタートからフルデジタルの環境に切り替えました。既に社内での紙の動画作業は行っていない事もあって原則社外のパートナー企業にお願いする時もフルデジタルで動画仕上げの工程をやりとりしています。

「以前はどうしても、デジタルでの動画仕上げ、特に動画をお願い出来る会社さんが見つからなかったのですが…最近では地方や海外のスタジオさんがデジタル化を推進している事もあって、作画用紙といった物理的なモノを介せずに場所を選ばずにフルデジタルの動画仕上げ工程を完結出来る環境が整いつつありますね。(加藤氏)」

若い世代を中心に学生時代から液晶ペンタブレットを使っているデジタルネイティブの世代がでてきているのも追い風になっています。今後の懸念点は解像度の統一やタイムシートの扱いといった制作的なワークフローのペーパーレス化対応が求められるとの事でした。

「絵を描くクリエーターのスタッフには絵を描く事になるべく専念してもらいたいので、アナログ工程でのスキャン作業やデータ管理に関しては制作的な負担が増えつつある傾向がみられます。また演出工程や作画監督レベルのチェック工程でのデジタル化はちょうど過渡期で、現在進めている作品でも液晶ペンタブレットを導入してテストしています。無理やりフルデジタル作画へと移行するのではなく、制作管理システムとスタッフの育成を軸に社内での技術開発も含めて挑戦すべき課題はまだまだありますね。(加藤氏)」

ひとりひとりに合わせたスキルアップを!
デジタルで作画をする中での液晶ペンタブレットのメリットとは

「社内で一貫して動画検査や作画監督の工程だけでなく仕上げ工程まで含めてフルデジタルでアニメーションを作っていく、その環境下でスタッフひとりひとりのスキルアップも考慮しながら長く働いてもらえる土壌を培って共同作業で質の良い作品を生み出す、そういう意味で『社内にちゃんと描くセクションのスタッフが揃っている』からこそ、そのフィードバックが作品やスタッフに還元される、そういう環境を提供出来る組織に成長すると良いな、と思います。(岡村氏)」

アニメーション作品として最終的に画面に映し出される線画の基本は「動画の線」であり動画や動画検査といったセクションは極めて重要です。「今後は原画や演出の作業にも作業スピードを保ったままデジタルで作るアニメーションの範疇や表現を広めていく上で更に進化をしてくれれば」と抱負を語って頂きました。

Wacom Cintiq 16の導入はアニメーションの作画工程に液晶ペンタブレットの導入を加速させる画期的なモデルとなり、プロダクションラインで考えても今後求められる4Kサイズの精密な原動画を描くというプロ仕様に耐えうる品質に加えて、手頃な価格でのコストパフォーマンスでアニメーション業界のデジタル化を更に推進していきます。

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