「おいでよ」
京都精華大学 KIKA
絵の中と見ている私たちをつなげて、キャラクターを娯楽の対象として消費することへの疑問を提示させるためにこの作品を制作しました。
結局3次元に存在している私たちも2次元のキャラクターたちと同じで誰かの娯楽であり消費されるもの、自分だって作品の一部であるということを額縁の中へと誘い込む「おいでよ」という題名に込めました。

絵の中と見ている私たちをつなげて、キャラクターを娯楽の対象として消費することへの疑問を提示させるためにこの作品を制作しました。
結局3次元に存在している私たちも2次元のキャラクターたちと同じで誰かの娯楽であり消費されるもの、自分だって作品の一部であるということを額縁の中へと誘い込む「おいでよ」という題名に込めました。

現実と空想が交わる「繋がり」をテーマに描きました。
私はずっとファンタジーが好きで、現実とは違う「もうひとつの世界」に心を寄せてきました。
描くことで空想の世界と繋がれる気がして、そこにいるキャラの存在を感じたくて絵を描き続けています。
創作はひとりきりの時間かもしれないけれど、描いた世界には確かに“誰か”がいて、私はその誰かと繋がっている。
「描くこと」は「繋がること」。そんな思いを込めました。
難度の高い角度とポーズを巧みに構成し、空間に奥行きをもたせている。周囲のキャラクター配置により想像の世界との連続性を示す構成が見事。視線誘導も自然で、中心人物から周囲へと視点が移る時間差の設計が秀逸。
こちらの作品は描き手と、描かれる側のファンタジー世界との繋がりをテーマに制作されたものです。描く事とは空想世界とのアクセスの手段であり、境界を超えて繋がり向こうのキャラクターを現実に連れて来る方法でもあると思います。作者の世界に存在する様々なキャラクター達が魔法のようなエフェクト共に現実化してくる、描くことの楽しさや喜びと共にそんな嬉々とした感情が伝わってくる作品でした。
デジタルデバイスで絵を描くという作品が多い中、こちらの作品は完成度がとても高く感じました。それとお顔がとても達者で可愛いかったです!青ベースを基調とした暗い部屋とカラフルなファンタジーなキャラクターやエフェクトの明るい色彩のコントラストのバランスがよく取れていて、とても見やすい画面に仕上がっています。構図についても現実の人物の振り向き加減や視線がきちんと映像の1場面のように前後を感じることができるようになっており、それが俯瞰の構図に上手くマッチしていて素敵な作品です。

江戸・大正・令和の日本橋を描いた三分割構成のイラストである。繋がりは、人の意思と努力によって築かれるものであるという考えから、命と時代を繋ぐ人々の営みに焦点を当てた。それぞれの橋の奥には先の時代の景色があるという入れ子構造にして、今ある未来はただ昔からの延長線上にあるものではなく、行動によって必然的にたどり着いたものであるということを表現した。各時代にはその時代に流行した色を取り入れて描いた。
繋がりというテーマに対して、時間というアプローチをチョイスしたことも素敵ですし、それをシンプルで平面的な構図で横3分割にし、赤青黄とトーンを分けるという思い切りが明快で大変素晴らしいです。イラストレーション自体がそういった「伝える」とうことだ大事だと考えるのでこちらの作品はそれが叶っているように思います。このまま小説の装画になりそうなくらい素敵です。また、手前の橋は平面的な構図にも関わらず下端が見えていてパースがかかっているのも巧みです。映像にしたら素敵だなと思わせてくれるような作品でした。
ご先祖様との繋がりを感じられるお盆に焦点を当てて、送り火で手を合わせている場面を描きました。
全体的に構図も安定していて画力の高さを感じる作品です。手前の送り火の明度、それを受けている少女のライティングも適切で、見せたいポイントにすっと視線誘導が出来ているので、まず目が行きました。テーマとしては、自分のルーツであるご先祖様との繋がりをテーマに、歴史を超えて自分まで脈々と繋がる命のバトンにより、今日生かされている感謝にも繋がり、また他の作品とは違ったテーマの消化が出来ていたと感じます。
意外な組み合わせの2人の共通点を書きました
キャラクターの描き慣れた線と色づかいが光る。高彩度ながら破綻のない配色と的確なデザイン処理でテーマを明快に伝えている。可愛らしさと完成度を両立しているが、構図がややフラットで動きの抑制が惜しい。

次世代とのつながりをつくる若手雛人形職人を描きました。
私自身の夢や想いを重ねて描きました。
ここまで人物に接写していると入れる情報の量のコントロールが難しいのですが、後ろの背景も逃げずにしっかりと描写されていて、伝えたいことが明確に表現されているように感じました。また、人物の逆光加減や奥の雛壇の空気遠近の明度差も出ていて、手前のシルエットが目立つようになっています。高校生でこういったこだわりを持てることは素晴らしいです!また、モバイルデバイスで描かれているという情報もお聞きして、雛人形のアナログ感と相まって、世代や媒体の描くことの「繋がり」を感じることができて感慨深い気持ちになりました。

今やネットでも人々がつながる時代となりました。特に配信という空間の中は他のコミュニティとは異なりリアルタイムでおんなじ感情を配信者とだけでなく、多くの視聴者と共有できます。私はそこに繋がりを感じ、イラストにしました。
所謂「絵を描いている絵」ですが、地味にならず光の差し込み加減や画面のバリエーションで華やかになっていて、レベルが高いなと感じました。絵のモチーフも身近で等身大なところが伝わりやすさに繋がっており、非常に素晴らしいです。何より、こういった構図で全てのモチーフが隅々まで丁寧に描かれていてとても愛を感じますし、絵を描くのが好きということがよく伝わって来て非常に好感が持てました。見ていて楽しい気持ちになる作品です。マイクや椅子など無機質なものはもう少し構造を調べてしっかり描いてみてもいいかもしれません。
モノを作るということは、一つの大きなつながりです。
誰かが作ったモノを見て、意欲が触発されて作る。その完成品はまた誰かを触発するし、自分が触発されたモノは、何かに触発されている。
この大きな流れは、小さなつながりでできていると思います。シナプスのつながりや、そのアイデアと結果、紙とインク、自分の頭の中と社会、といったつながりがあります。この小さなつながりで、モノは作られると考えました。
まずこの絵を見たときに初見でとても17歳の作品とは思えませんでした。線の在り方、構図・レイアウト・文字の配置、すべてがもう大分キャリアの長いイラストレーターの作品のように見えて驚きました。コンセプトとしては、モノによる何らかの刺激を受けて制作をしたモノがまた社会に出ていき、結果また自分に影響が返ってくるという、クリエイティブにおける創造活動の循環構造がイラストとしてうまくまとめられていると思います。
今から約46億年前に地球ができ、その後、それぞれの生命体としての進化に枝分かれしたのだが、元を辿れば、全ての生命体は、ビックバン後に生成された元素で構築されていて、私も貴方も、動物も植物も無機物だって何だって元素レベルでいうと“つながり”がある。命の繋がりとそれらに対しての祈りを、私なりに表現しました。
群像構成の難しさを克服し、個々のキャラクターの個性を保ちながら統一感を実現。抑えた彩色で複雑な要素を整理し、全体に深みと静かな緊張感をもたせている。細部の描写力が高く、観る者にテーマを考えさせる力をもつ。
リンクする瞬間
上の子の視点では、下の子がまぶしい存在として輝いて見えています。
一方、下の子にとっては、上の子“だけ”が世界の中心であり、周囲はモノクロに近い色で表現しています。
ふたりの感じ方は全く異なるけれど、同じ「今」を大切にしていることには変わりません。
その感情の交差点が、“フレーム”として画面の中に現れる。
見え方は違っても、確かに心はリンクしている。
言葉には出来ない相手への想いや取り巻く世界との関係性は個々人によって異なるものです。しかし共に今というこの瞬間を楽しみ、大切にしているということは共通する部分であり、心の部分でリンクしています。 相手というフレームを通して見る世界をポジティブに捉えるかネガティブに捉えるか、その視差による見え方、感覚の違い、そんな二人の少女の感情の機微を表情の差や色彩でうまく表現している作品だと思います。
クリエイティブにチャレンジする学生をサポートするプログラム
WCCC(ワコム クリエイターズ カレッジ クラブ)初めてのコンテストを開催!
受賞者にはワコムのペンディスプレイなどの豪華賞品だけではなく、
クリエイティブスタジオの訪問やクリエイターとの座談会の機会もご提供。
また優秀作品はワコム主催イベントで展示されます。
これからクリエイターとして活躍していきたい学生の方は、是非ご応募ください!
| 応募資格 |
|
|---|---|
| 作品テーマ | つながり |
| 作品の規定 |
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| 応募期間 | 2025/5/16(金)~ |
| 応募方法 | 応募ページより必要項目を入力し、作品データを投稿 |
| 発表方法 |
|
グランプリ1名




準グランプリ1名




国内クリエイティブツアーに
ご招待(2025年冬)
TOP 10 Artistsグランプリ、準グランプリ各1名を除く計8名


TOP 100 ArtistsTOP10 Artistsを除く計90名


アート、人間表現、学び、そして、それらを支えるテクノロジーの新しい方向性を模索する毎年11月に実施されるワコム主催のイベントです。
創造的混沌(クリエイティブ・カオス)をテーマとした多様なステージプログラムが展開され、パートナー企業による体験ブースも出展されるなど、幅広いコンテンツで来場者の好奇心を刺激します。
広い会場内にはワコム製品の体験コーナーも設けられ、それらを通じて生み出された数々の作品にも触れることができます。
株式会社312STUDIO 代表取締役/イラストレーター
有田 満弘
1996年よりフリーランスのイラストレーターとして活動を開始。
ファイナル・ファンタジーや劇場版ベルセルクなど、ゲーム、書籍、アニメの分野で幅広く活躍。
2022年に株式会社312STUDIOを設立し、オリジナル商品の企画・製作・販売を開始。
近年は北米、欧州、アジア、中東を含む国内外でのイベント参加や講演に加え、昨年はNara Gastronomy Night Expoや京都蔦屋書店でのライブパフォーマンスを実施。
コメント
他人と比べて上手いか下手かなんて気にしても仕方がない。自分は自分の器を超えることはできない。
大事なのはどこまで自分の限界や理想に迫れるかです。そのために何を考えて、何をして、何を描くべきか。徹底的に考えること。それが私にとっての描くことです。
あなたもあなたにとっての描くことの意味を深く考えて見つけてください。
コンセプトアーティスト/アートディレクターIZE/アイズ株式会社 代表取締役
本庄 崇
スクウェア・エニックスでFINAL FANTASY X/XII/XIII/零式/XV等の開発に携わり、XVの運営時にはアートディレクターを務める。
その後Luminous Productions に移籍し、『FORSPOKEN』のコンセプトアートに従事、ローンチ後に独立。
現在は複数のゲームスタジオと契約し、3DCG・VR でのモデリングやゲームエンジン等を駆使し、日々さまざまなアート案件に携わる。
コメント
あなたなりの“つながり”を、あなたの今の感性で表現してみてください。
それは誰かに届き、誰かの心を動かし、その先でまた誰かと想いがつながるかもしれません。
楽しみつつ、気軽に、そして想いを込めて。楽しみにしています!
アニメーター、イラストレーター
米山 舞
長野県出身。アニメーター、イラストレーター。作画監督として「キズナイーバー」/「キルラキル」/「プロメア」などのアニメ作品に参加、監督作として「サイバーパンク:エッジランナーズ」「LAZARUS ラザロ」のエンディングムービーなどを手掛ける。イラストレーターとして「RADIO EVA」、「KATE」のビジュアルなどを手掛ける。その出自を生かし、アニメーションとデジタルイラストレーションの文脈を様々な表現手法を用い、新たなメディアの可能性を模索した作品制作に取り組んでいる。
コメント
この度は貴重な機会をいただき有難う御座います!
描くこともそうですが、絵を見ることがとても好きなので今から作品が見られるのがとても楽しみです。
自分らしく、描くことを楽しみながら参加してもいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
※あらかじめご了承のうえご応募ください。
目と手の表情に強い印象を与える作品。繊細な質感と緻密な視線誘導の設計が際立ち、技術的完成度が高い。テーマにも深みがあり、インパクトだけでなく細部まで見応えがある。デジタル表現ながら絵画的な厚みがあり、全体の調和も極めて高水準。
描かれたキャラクターの視線がまっすぐ鑑賞者を捉えて離さず、まず初見で引き込まれる感覚がありました。描かれた額縁を作品世界と現実との境目と捉えるならば、その境目を壊し現実から作品世界に「おいでよ」と引き込む存在としての怖さと強さを感じます。テーマとしての「つながり」の概念として、エンタメに消費されるキャラクターと、その鑑賞者を繋げるという視点の在り方がコンセプトとしても尖っており、全体の作品群の中でも抜きん出ていました。
一見、ザックリ分断した額縁から見える見開いた目がドキッとする構図が印象的でした。そこから伸びた手から足まで視線が動くような構図になっていて視線の誘導が巧みに行われている作品です。絵のコンセプトに関しても強いメッセージ性を絵の色味や表情に反映することで少し不穏な雰囲気を纏わせており見ている人の気持ちを駆り立てます。消費されたキャラクターたちがまるで丸い花束のようになっていて美しくも残酷にも見え、また日の丸構図にもなっていて引いたり寄ったりしても絵を鑑賞する楽しみが凝縮されている1枚だと感じます。