イラストテクニック第161回/ミルラ
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構図・ラフ

ラフから仕上げまで全てPhotoshopで描いていきます。
見た人が癒されるような絵が好きなので、そのようなイメージを持ちつつ、まずは構図を考えます。
「構図を考えるときはキャンバスの上で考えない」というのが個人的に良い絵を描くコツだと感じています。自分が良い気分のときに頭の中に降りてくるイメージをそのまま描いていきます。
ポーズや髪の束の形などもキャンバスの上で手を動かしながら、ああでもないこうでもない、と考えるのではなく、目をつむり頭の中にあるイメージを確認して、それをそのまま再現するように描きます。
そうすると何度も線を描き直すよりも良いものが出てきます。
線画

線画は4pxlのブラシで描いていきます。個人的な体感ですが一辺が2000~3000pxの絵だと、4pxの線が一番太さも強弱のつき方もちょうど良いです。
線画で気を付けることは線だけでも立体感を感じられるように描くことです。
そのためには空間を感じながら引いていく必要があります。頭の中で描きたいモチーフを三次元の空間でイメージして描きます。これをしないで平面のだけの意識で描くと、絵も平面的になります。
線画を丁寧にきれいに描こうとすると勢いが無くなるので、まずは勢い重視で線を引きます。
背景の塗り

陰影をつけていきます。後で厚塗りで整えるので、この段階ではそこまで丁寧に描きません。
今回の背景はフリー素材を下敷きにして描いていきます。
※出典元:https://pixabay.com/photos/autumn-autumn-leaves-leaves-141930/
フリー素材を使えば自分で1から描くよりも時間の節約になります。
ただ写真を素材として使用すると絵との質感の差が出てしまうので、写真そのまま感が出ないように加工を加えていく手順をご紹介します。
水彩加工と色調整

基本となる陰影だけ塗ったら水彩レイヤーをかぶせます。今回は自分でアナログで描いたものをスキャンして使っています。
レイヤーモードはその絵によって変わってきますが、ハードライト、ソフトライトなどを使うことが多いです。不透明度も下げます。
厚塗り

ここからは厚塗りで描いていきます。一番上に厚塗り用のレイヤーを作り、スポイトで色を拾いつつ細部を描いていきます。
使うブラシはぼかし無しの筆と、ぼかし用の水彩ブラシです。水彩ブラシはPhotoshopでしたら「Photoshop watercolor brushes」などで検索するとたくさん出てきます。
中心の見せたい部分(女の子)はぼかさない筆で塗り、画面端に近い部分は焦点ではないので、中央よりもぼかし多めにして塗ります。
使う筆の違いで、焦点の合う部分はピントが合い、そうでない部分は少しぼやけるように描いていきます。
全てが同じ密度で描かれているとメリハリのない絵になってしまうので、描き込み量も焦点の合う部分を細部まで描き、脇役となる部分はあえて描き込まないようにしています。
動物の毛を描く

今回の絵は和む雰囲気にしたかったので、クマはほとんどぬいぐるみのような顔にしました。
この毛も全てを描こうとすると画面がうるさくなりますので、メリハリをつけて描いていきます。
まずは全体の立体感を意識してざっくり明暗を入れます。
バランス調整

ひととおり厚塗りが終わりました。
しかし全体を見てみると、白で囲んだ部分が強すぎます。
黒に近い色で大きな面積を占める帽子やかばん、女の子よりも描き込み量が目立ってしまっているフルーツなどが気になります。