イラストテクニック第210回/まくらたみ
第210回は、まくらたみさんの登場です!
Photoshopを使ったイラスト作成過程を紹介します。
まくらたみ
もののけが好きなイラストレーター。
白昼夢のような、日常の一歩先にある不思議な景色を描きます。
WEBサイト
X(旧twitter)
各項目のサムネイルをクリックすると、制作画面のスクリーンショットか、拡大画像を見ることができます。
テーマは「狐の営むクッキー屋さん」です。
季節を感じる一枚にしたかったので「紅葉×食べ物×秋が似合う動物」をキーワードにしてテーマを考えていきました。
ラフはモノクロで制作します。
グレースケールでラフを考えることで、色の情報を一旦気にせず構図やトーンのバランスを見ることができます。
ラフの段階でパースを決め、絵に入れたいモチーフをざっくりと描いていきます。
カラーラフ
グラデーションマップやトーンカーブを使用して、大まかな色の方向性を決めます。
グラデーションマップは自作のものをストックしていて、イラストごとにパラメータを調整して使います。
今回は完成イメージに近い配色にできたので、このベースを活かして色を塗っていきます。
全体の描き込み
キャラクターの色や形状を整えつつ、背景の色や小物も調整していきます。
ラフの時点ではあまりレイヤーを分けていないので、各キャラや小物などを必要に応じて別レイヤーに分離しました。
構成としては、画面の手前に来る紅葉の枝葉、キャラクター、小物、背景といったくらいの分け方です。
レイヤー数が増えると調整に必要な手数も増えてしまうので、数が増えすぎないよう注意しながら適宜分離と統合をしていきます。
くっきりとした線画は最後の方に描いていくので、それまでは描き込みながら形状を整えていきます。
キャラの描き込み
ラフな線を描き、キャラクターの形を整えます。
狐のキャラは腰元までしか映りませんが、プロポーションを確認するために全身を描きます。
他のキャラも同様に、隠れてしまう部分も描いておきます。
ただし、完成形では見えない部分はシルエットが分かる程度で問題ありません。
クッキーの描き込み
ラフな線で形を取ります。
葉っぱ型のクッキーは今回の絵の中で重要なモチーフのため、実際の植物を調べ、特徴を入れながら形や色を決めました。
パッと思い浮かぶ紅葉や銀杏以外にもユニークな葉があり、これらを絵に取り込むことで絵の説得力が増します。
新しいレイヤーを追加し、クッキーの絵にクリッピングして描き込みます。
クッキーの重なりや陰影を意識しながら、厚みや落ち影を加筆しました。
均一に描き込むと遠近感が崩れるため、子供が立っている箇所から画面左手側は描き込み過ぎないよう注意します。
お店の描き込み②
狐の後ろの棚やお店の丸い看板も描き込みます。
棚の瓶にもクッキーや焼き菓子が入っているので、ショーケースのクッキーと関連付けられるように近い色味を入れました。
看板にはクッキーやさんのイラストロゴをいれて、お店のポップな印象が分かるようにしています。
遠景も加筆し、紅葉した木を追加しています。
全体のバランス調整
バランスを見ながら背景を調整していきます。
紅葉の大きさや位置調整を行ったり影の追加をしました。
さらに、黒で描いたキャラの線の主張が強かったので、部分的に色を乗せてなじませます。