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イラストレーター
森倉円

バーチャルタレント「キズナアイ」や丸井グループのオリジナルアニメCM『猫がくれたまぁるいしあわせ』のキャラクターデザインで知られる人気イラストレーター森倉円さんによる「Wacom Cintiq Pro 24」を使ったライブペインティングを公開!(2019年12月22日撮影)

Drawing with Wacom 104/ 森倉円 インタビュー

森倉円さんのペンタブレット・ヒストリー

『ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 森倉円』(翔泳社)
カバー用描き下ろしイラスト(2019)
©森倉円

――森倉さんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
高校入学の時に親にPCを買ってもらって、マウスを使ってお絵描き掲示板やお絵描きチャットで絵を描く様になりました。当時はペンタブレットの存在を知らなかったので、みんなどうやってこんなに強弱のある線を描いているんだろうと思っていたら、掲示板で知り合った人が使っていないIntuos3を譲ってくれたんです。それまでアナログで描いていた絵は友人以外の誰かに見せたりすることはほとんどなかったのですが、その頃ホームページを持っている人に憧れて、自分のホームページを作ってみて、お絵描き掲示板を設置したり、絵を載せたりしていました。

――液晶ペンタブレットを使う様になったのは?
使い慣れたIntuos3で特に不便は感じていませんでしたが、周りの方が液晶ペンタブレットを使っているのを見ていて気になってはいたので、引っ越しで生活環境が変化するタイミングに思い切ってCintiq 27QHDを買いました。せっかくなので大画面のものを買おうと思って選びましたが、私の場合実際に描く時に使うスペースは小さいままだったので、これまで紙で広げていた資料の代わりに、Cintiq 27QHDの画面上の空いているスペースに資料画像を表示するようになりました。画面上に出しておけば子どもに資料を触られたりもしないので、今の生活に合っていて便利だなと思っています。元々、アナログで絵を描くことも好きだったので、液晶ペンタブレットには紙に描くような楽しさとデジタルで描く便利さの両方があるところが気に入ってます。

――現在の作画環境について教えてください。
Windows PC(CPU:Intel Core i7-6700K 4.00GHz/RAM;24GB)にCintiq 27QHDと、サブディスプレイとしてEIZOの24インチディスプレイを繋いで使っています。できるだけ画面に対して顔が並行に近いポジションで描きたいので、Cintiq27QHDにはスタンドを装着してやや立てぎみで設置しています。作画に使うツールは、以前はSAIの描き味が好きで使用していましたが、お仕事で大きなサイズの絵を描く必要があった際にCLIP STUDIO PAINT EXも使用するようになり、今はCLIP STUDIO PAINT EXのみになりました。ペンはIntuos3の時には芯も色々試していたのですが、液晶ペンタブレットになってからはずっと標準芯のままですね。

――今回、Wacom Cintiq Pro 24を使ってみた感想はいかがですか。
Wacom Cintiq Pro 24のサイズ感はすごくいいですね。画面の視差もなくて違和感がありませんでした。表面の感触も描き味がサラサラしていて気持ちいいです。私は筆圧が弱いので適度に滑ったほうが描きやすいのですが、Wacom Cintiq Pro 24はちょうどいい感じの摩擦感で描きやすいと思いました。

森 倉 円 さ ん の 作 業 環 境

引っ越しを機にCintiq 27QHDと併せて買った机をダイニングの一角に設置。Windows PC(CPU:Intel Core i7-6700K(4.00GHz)/RAM:24.0 GB)に、サブディスプレイとしてEIZO FlexScan EV2450を接続して使っている。

森倉円さんのクリエイティブ・スタイル

「第三回オリジナル大同人祭」イラスト(2019)
©森倉円/MELON BOOKS

――森倉さんが普段、絵を描かれるときのワークフローを教えてください。
お仕事でご依頼を頂いた時は、まず何を見て私に声をかけてくださったのかヒアリングをすることが多いです。自分の中で色々試しながら描いていることも多くあるので、どういった絵を見ていいと思ったかを確認しておいた方が、クライアントの求めるイメージを掴みやすくなるからです。初めてお仕事をさせていただく場合は特に、お互いのイメージのずれを未然に防いてより良いものができるように最初の聞き取りを大切にしています。

――そこからの作画作業はどのような工程ですか。
CLIP STUDIO PAINT EXでラフを描いていきます。大ラフでOKの場合は構図だけ描いてみてもらうこともありますが、基本的には色ラフまで描いてクライアントに確認します。色が持つ印象も大きいので、出来る限り色も塗って見せたほうがお互いにイメージの共有がしやすくなります。ラフのOKがでたら、線画を仕上げていって、パーツ毎にベースとなる色で作った塗り分けレイヤーを作成します。その上から色ラフの塗りレイヤーをクリッピングして、塗りを整えていきます。色ラフと同じレイヤーを使うことで、できるだけラフの印象から離れずに仕上げていきやすいです。それでも進めていく内に色や形を調整した方が良いかもと思う時もあるので、迷ったときは横に色ラフを表示しておいて、全体の印象が変わっていないか、より良くなっているかを確認しながら作業するようにしています。

――クライアントがないプライベートの絵は描き方が変わるのでしょうか。
描きたいなと思うものが思いついたら、それを忘れないように文字や簡単ならくがきでメモしたりしています。最近はコンスタントにイベントで同人誌としてアウトプットしているので、先にフォルダを作っておいて、思いついたら簡単にでも良いので描いてフォルダにためていっています。メモのままだといざ描こうとした時には思いついた時の熱を忘れてしまっていたりするので、後々思い出しやすいよう色もなるべくつけています。趣味の絵の場合は仕事の絵の時とは違って、「この足のこの角度が描きたい」というような、その時に描きたいものを忘れないようにとりあえず手を動かしていって、それが生かされるような絵にしたいなと思いながら完成まで仕上げていくことが多いです。

『雨上がり』プライベートワーク(2019)
©森倉円

――森倉さんが絵を描いていて特にこだわっている部分はありますか?
もともと服装やしぐさなどを考えたり描いたりするのが好きなのですが、実際に絵を見ていただくと意外と顔のほうが印象に残っていることが多かったので、顔まわりも意識しながら描くようになりました。自分が意識して描いている部分と、絵を見た人によって注目するところが違ったりすることは、興味深いなと思っています。私は素材の持つ質感が好きなので、遠目に見るとあまり目立たないんですけれど、Tシャツなら袖の折り返しの縫い目を描いたり、白いシャツでも漂白剤入りの洗剤で洗った様な白なのか、生成りの白なのかとかを考えるのが楽しいんです。それによって影の色も青系とか黄色系とか変わってくるのかなって。制服ならブレザーの光沢は抑えめにして、リボンはサテン生地っぽくツヤのある光り方をしたり、逆に絵として存在感を出すために二次元の絵ならではの表現をしたり、そういったことを考えながら楽しんでいます。

――そういう密かな部分にイラストの良さが宿るような気がします。
イラストを一瞬だけでなく、なるべく長く楽しんでもらいたい気持ちもあるので、よく見ると発見があるような部分があっても楽しいかなと思っています。遠目に見たときも、近くでじっくり見たときも、どちらでも楽しむことができたらいいなと思っていて。私の絵の場合は全体的にはシンプルな印象でも、服や顔や髪など注目してほしい場所は描きこむようにしていて、見てほしいところに視線を誘導できるよう意識しています。

――森倉さんの描く女の子の絵は、髪の動きが印象的なものが多いですね。
なるべくシンプルな素材でできるだけ華やかに見せたいと思ったときに、じゃあ髪を動かして躍動感を表現してみようと考えたんです。髪の毛の動きでその時の雰囲気やキャラクターの性格などを表現しやすいですし、例えば、その女の子に恋をしている人から見た目線のような、時が止まったような気持ちになる瞬間を表現したくて。キラキラさせたりするのも、その子を見ている人からはキラキラ見えるのかなという気持ちで描いています。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

森倉さんが描く女の子のイラストは髪の毛に動きがあることで華やかに見えるようになっている。線を描き込みすぎないようにして毛束ごとに流れを作るのがポイント。まとまっていない細い毛を描き足したり、ツヤの塗りでも毛の質感が強調されている。

※動画では11:14あたりから森倉さんが毛のツヤを塗る工程を見ることができます

森倉円さんのクリエイターズ・ストーリー

『‥待った?』プライベートワーク(2019)
©森倉円

――森倉さんがイラストレーターとして活動するようになった経緯を教えてください。
高校卒業後の進路で美術系と医療系で迷ったんですが、当時自分が絵で生活していける想像できなかったので、医療系に進んだんです。在学中にホームページの絵を見てライトノベルや児童書の装画や挿絵のお仕事をご依頼いただいたりして、お仕事と学業を平行していました。卒業後はそのまま医療系の会社に就職したのですが、その後結婚したタイミングで引っ越した際に退職したのを機に、本格的に絵を仕事にできたらいいなと思い、仕事絵とは別で、同人活動も始めてみたんです。

――なぜ同人活動もスタートしたんですか?
お仕事の絵だと、基本的にはご依頼を待つ形が多いですが、同人誌の場合は自主的に内容やイベントへの参加のタイミングを決められるので、コンスタントに描いていけるかなと思ったんです。はじめはサークルの運営の仕方や宣伝方法もよくわからない状態で始めましたが、友人から色々教わったり、家族がサポートしてくれて、気が付いたらこれまで続けてこられることができました。

――同人活動を始めてみていかがでしたか。
絵描きさんとのつながりが増えて嬉しかったですね。また、どういった同人誌だと手にとっていただきやすいのかを考えたり、毎回テーマを決めてみて挑戦したりしていました。オリジナルイラストで覚えてもらうためには「こういう絵を描く人」だというのが定着したほうがいいのかなと思って意識して描いてみたりもしました。トライアンドエラーを繰り返す中で得られた結果を次に生かすようにしていて、 そう考えると、反応が得られた時は達成感がありますし、失敗したりうまくいかないことがあっても次に生かそうと思うと気持ちが楽なんです。

マルイCMアニメ『猫がくれたまぁるいしあわせ』
キービジュアル(2018)
©MARUI GROUP CO., LTD.

――森倉さんがイラストレーターとして自身の転機になったと思うようなお仕事はありますか?
丸井グループ様のアニメCM『猫がくれたまぁるいしあわせ』のキャラクターデザインは大きな転機になりました。CMのように普段の生活の中でテレビなどで流れてたくさんの方の目に触れる機会があるお仕事は初めてだったので、そういった場面で自分の絵が存在することがとても新鮮で嬉しく思いました。コミックマーケット(以下、コミケ)で同人誌を頒布したり、Twitterやpixivにイラストを投稿したりしている中で、お仕事関係の方が知ってくださって、こういった機会をいただいたのですが、誰かが自分の絵を知ってくれないと始まらないので、そういった意味では同人誌や他にも様々な方法を通してイラストを発信し続けることは意味があるんだなと思いました。

――CMが放送されてからの反響はいかがでしたか。
普段からイラストが好きで興味をもって見てくださっている方以外の方々にも見てもらえたことは大きかったですね。『猫がくれたまぁるいしあわせ』のおかげで、広く見てもらいやすい仕事を担当させていただけるイラストレーターだというイメージを作ってもらえました。丸井グループ様としても大きく宣伝をしていただけたので、自分だけでは届かないところまで届けられるのもありがたかったです。

――大きなお仕事を経験されるのと同時に同人活動の方も順調で、SNSでも森倉さんの絵をよく見るようになった記憶があります。
コミケでは毎回小さな挑戦を続けていて、それまでやったことが無かったテーマのものも出してみようと「水着」や「下着」をテーマにした同人誌を作ったりしていました。少し肌色が多めの絵はあまり描いたことがなかったので、どういった反応が返ってくるのかはじめ不安でしたが、意外にも女性の方も買いに来てくれて驚きました。その時期、商業でもそういった仕事の依頼が来るようになって、描いたものが自分の描く絵のイメージとして見られるんだなと思いました。それ以来、描きたいものは描いていきつつ、今後どういったものを表に出していこうかよく考えるようになりました。

――2016年には森倉さんがキャラクターデザインをしたバーチャルタレントのキズナアイがデビューして、後のバーチャルYouTuberのブームへと繋がりました。
自分の描いた絵が3Dになるのは初めてだったので、360度、私の絵柄で動くのを見てもらえるのは新鮮でした。自分で描いたことがない角度が沢山発生するので、参考になることも多かったですね。「キズナアイ」から「森倉円」を知ってくださる方も多いので、自分の絵を見てもらう入り口が一気に増えた感じでした。バーチャルYouTuberはファンの年齢層も幅広いので、コミケなどのイベントで来てくれる人の年齢層が以前より広がりました。

「Kizuna AI キービジュアル」(2016)
©Kizuna AI

――キズナアイ人気を経て、森倉さんのお仕事には変化がありましたか?
アイちゃんの人気が出てきた2017年頃からは、絵柄を少し意識するようになりました。絵柄は少しずつ変化していくものだと思っていますが、3Dのキャラクターは基本的には見た目が変わることがないので、アイちゃんを描くときはなるべくデザインした当時の絵柄の印象に寄せて、3Dとあまり印象の差異がないよう意識していました。アイちゃんから私を知ってくれる人が違和感のないようにしたいと思って描いています。

――森倉さんの名前も広く知られるようになって、お仕事も増えたのでは。
最近は一般向けの内容だったり、昔より広く見ていただきやすいお仕事を頂く機会が増えてきたので、いままでと同じ様な描き方で適しているのかなと考える時もあります。でも、ご依頼される方はこれまでの絵を見て声をかけて下さっているので、ここで自分が気負ってしまって変な力の入り方がしたら良くないなと。お仕事については、ある程度求められているイメージも意識しつつ、新しいものにも挑戦していけたらと思っています。

――これからやってみたいことや、挑戦したいお仕事があれば教えてください。
丸井グループ様のアニメCMのお仕事の時に、私がデザインしたキャラクターが動いたり声が付いたりするのを見て、自分1人でできることには限界があっても、色々な方と一緒なら大きなものを作りあげていけることに感動しました。今後も、ストーリーや世界観を感じるアニメやゲームのキャラクターデザインなどにもっと携わってみたいですし、心に残るものを作って行きたいなと思っています。

――最後に、森倉円さんにとってペンタブレットとはどのような存在ですか。
私は仕事部屋を作っていないので、ダイニング横に置いてあるCintiq 27QHDの前に座ることで仕事のスイッチを入れています。元々絵を描くのは趣味でしたが、今はそれが仕事でもあるので、Cintiq 27QHDは遊びの道具でもあるし、仕事道具にもなっているんです。そういう意味では、液晶ペンタブレットは私の生活に欠かせない道具になっていますね。

取材日:2019年12月22日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

森倉円
イラストレーター/キャラクターデザイナー。大学在学中にライトノベル『インサイド・ワールド』(周防ツカサ/電撃文庫)で商業デビュー。2013年より同人サークル「CANVAS」を主宰し、商業共に本格的にイラストレーターとしての活動を開始。ライトノベルや児童書の装画・挿絵などを手掛ける。丸井グループによるオリジナルアニメCM「猫がくれたまぁるいしあわせ」、バーチャルタレント「キズナアイ」のキャラクターデザインでその名を広く知られ、2019年2月に東京・表参道のpixiv WAEN GALLERYにて開催された初個展「Girl Friend」も大盛況となった。2019年6月に刊行された初画集「ILLUSTRATION MAKING & VISUAL BOOK 森倉円」は、好評につき第2版も発売中。

twitter:@morikuraen
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Wacom Pro Pen 2による高精度な描き心地と、4K表示対応、最大Adobe RGBカバー率99%の広色域ディスプレイで使用可能な液晶ペンタブレットです。

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