Product
製品から探す

  • Wacom MobileStudio Pro
  • Wacom Cintiq Pro
  • Wacom One
  • Wacom Intuos Pro
  • Wacom Cintiq
  • Intuos
  • Bamboo Smartpads
  • Bamboo Stylus

Category
タイトルタグから探す

  • 製品の選び方
  • 活用ガイド
  • Sculpting with Wacom
  • Drawing with Wacom
  • イラストテクニック
  • ~あの作品の制作環境が見たい~
  • ペンタブレット活用事例
  • Bamboo Blog
  • 写真に絵を描く!フォト・ドローイングのススメ
  • 教育現場での導入事例
  • デジタルペンのおしごと図鑑

Category
カテゴリから探す

  • イラスト
  • アニメーション
  • マンガ・コミック
  • ゲーム
  • ウェブデザイン
  • グラフィックデザイン
  • デザイン
  • ムービー
  • 3DCG
  • フォト
  • コラージュ
  • お絵かき
  • ビジネス
  • ナビゲーション

イラストレーター
526

SNSで発表する何気ない日常のワンシーンを切り取ったイラストや、セリフ無しで表現するサイレント形式のカラーマンガで注目を集め、画集『世界でいちばん何でもない日』も好評のイラストレーター526による「Wacom Cintiq Pro 27」を使ったライブペインディングを公開!(2024年7月22日撮影)

※ブラウザで動画が再生されない場合はYoutubeのワコムチャンネルでご覧ください。

Drawing with Wacom 145 / 526 インタビュー

526さんのペンタブレット・ヒストリー

「見えるタイプの幽霊ちゃん」プライベートワーク(2023)
©526

――526さんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
学生の頃にアニメーションを作っていた時は紙で作画をしていたので、デジタルで絵を描くようになったのは4年ほど前にiPad miniを使い始めてからですね。仕事の休憩時間に描いたものをポートフォリオ代わりにSNSに投稿していたら、イラストの仕事の依頼もいただくようになって。大きなサイズの絵を描いたり、データを整理したりするのにiPadだけだと対応しきれないなと感じてPCを購入し、液晶ペンタブレットも使ってみたかったのでWacom Cintiq 22も導入して……と、徐々に環境を揃えながら描いてきた感じです。

――液晶ペンタブレットを使い始めて、変化はありましたか?
それまで小さい画面で描いていたので、最初は大きい画面で描くことに戸惑いがありましたが、やはり大きい方が見やすいので描いている内にすぐ慣れることができました。私は遠くから見ても目に留めてもらいやすい絵を描きたいので、よく離れたところから絵を見て確認するんですけれど、Wacom Cintiq 22くらいのサイズの方が絵の感じをつかみやすいですね。ペンのサイドスイッチにアンドゥとスポイトを登録しているのですが、物理スイッチで誤ってタップすることもないので、Wacom Cintiq 22を使う様になって1.5倍くらい作業スピードが上がった気がしています。

――現在の作業環境はどのようなものですか?
GALLERIAのゲーミングPC(CPU:Intel Core i7-13700F/RAM:64GB/GPU:NVIDIA GeForce RTX 4080)に、Wacom Cintiq 22を繋いでいるシンプルな環境です。筆圧が強いほうなので、滑らかな液晶保護フィルを貼って、ペンは標準芯を使っています。ショートカットなどの操作は手元に折り畳みのミニキーボードを置いて使っています。

――Wacom Cintiq Pro 27を使って描いてみた感想はいかがですか?
画面が大きく綺麗でいつもより細かいところまで見えるのが良かったです。線を描く時の反応もよくて、軽やかに描くことができました。Wacom Pro Pen3のカスタマイズをいろいろ試させてもらって、普段使っているWacom Pro Pen2に近い形で自分好みの少し重めのペンにセッティングしたのですが、すごく描きやすかったですね。

5 2 6 さ ん の 作 業 環 境

GALLERIAブランドのゲーミングPC(XA7C-R48)に液晶ペンタブレットだけという526さんのシンプルな作業環境。Wacom Cintiq 22以外のサブディスプレイなどは接続していない。
Wacom Cintiq 22はスタンドで立てて使い、手元にミニキーボードを置いてショートカット類の操作に使用している。
作画ツールはCLIP STUDIO PAINT EX。

526さんのクリエイティブ・スタイル

「旅する天使たち」プライベートワーク(2023)
©526

――526さんが普段カラーイラストを描く時のワークローを教えてください。
レイヤーカラーで線の色を青くして、鉛筆系ブラシでラフを描いていきます。パーツでレイヤーを分ける時は分かりやすいように線の色も変えて、ラフが完成したらざっと色を塗ってカラーラフにします。色がまとまったら、全体の表示を薄くして新しいレイヤーに線画をクリンナップしてから、パーツ毎に塗り分けレイヤーを作っていきます。ベースの色を塗ったら、ブラシで影を塗ったり、紙の流れやハイライトなどのディテールを乗せていきます。絵の内容によっては照明効果を足したりして、仕上げで全体にノイズを入れて完成みたいな感じです。

――526さんの絵は線で見せる意識を感じます。要所要所で塗りと合わせて線の色トレスによる表現も使われていますね。
デッサンが苦手で、厚塗りの方法もよくわからないので、自分にできるやり方が線で描くことなんだと思っています。色トレスは肌の色が決まったら色トレス用のレイヤーを1枚作り、線画でクリッピングして部分に合わせた色を線に乗せていきます。肌の色を塗り直したり、主線の色を後から変えたりすることもあるので、基本的に色トレスの作業は塗りの最後にすることが多いですね。

――いつも描かれているイラストでは、照明効果など仕上げ段階での処理も多いですよね。
今回は比較的シンプルな絵なので、マイブームの黄緑のギンガムチェックを背景にして、仕上げの処理はノイズを少し足した感じです。塗りそのままだと全体的にのっぺりしてしまうので、最初はちょっと絵の完成度を高めたいと思ってノイズを入れていたのですが、今では必須みたいな感じになっています。不透明度を下げたオーバーレイのノイズ用レイヤーにスプレーブラシで満遍なく乗せますが、色が薄い部分は乗りにくかったりするので全体のバランスを見て足し引きすると、いい感じになるんです。

――526さんの作風として、キャラクターそのものよりも日常のワンシーンを切り取ったようなイラストが多いですよね。
アニメのワンシーンみたいな絵を描きたいと思っていたので、最初の頃は画面比率も16:9に合わせて描くことが多かったですね。私の絵にあまりカメラ目線のキャラクターがいないのは、映画のワンシーンを意識して描いているからなのかなと。元々、物語を考えるのが好きで、絵を描くのはそれを消化する手段みたいなところがあるんです。いつも考えているのは、「普通の人」を描きたいということで。外を歩いていても、マンガの主人公みたいな特別な人にはそう会わないじゃないですか。普通の人の考えていることのほうが共感できるので、特別な誰かではないキャラクターを描きたいという気持ちがあります。

ショートアニメ「憧れ」スタジオ・レモン×526(2021)
©526/スタジオ・レモン

――キャラクターとして普通の人を普通に描きながら、イラストにも魅力を持たせるのはなかなか難しくないですか?
全体のバランスを見て、あまり地味な色合いにならない様に服にラインや柄を付けたりしています。外で観察していても、男性はわりと暗い色の服を着がちだったり、髪の毛を染めている人も多くなかったりするので、そのまま描くとみんな似通ってしまうんですよね。年齢による姿勢や体形の違いとか、そういう部分をちゃんと描き分けないと普通っぽさがなくなってしまうので、キャラクターの幅を出せるように意識しています。

――シーンを描くという意味では、背景も重要な要素になりますよね。背景を描くのはお好きなんですか?
背景を描くのはあまり得意ではなかったんですけれど、キャラクターだけの絵が苦手すぎて、画面を埋めるために頑張っていたらだんだん楽しくなってきました(笑)。最初の頃は写真に撮ってトレスしていましたが、最近は取材したものを資料に描くことが多くなりましたね。キャラクターは愛嬌でなんとなくいい感じにできるので、背景を上手く描けたときがいちばん嬉しいんです。イラストの中に何かギミックを仕込むのが好きで、例えば玄関の前に積みあがった段ボールを描くだけで、この部屋の住人はどんな人だろう?というのが伺えたりするのが楽しいんですよね。

――ちょっとした背景の描写ひとつで、絵の中にドラマが生まれるんですね。
背景の色味を作ってからキャラクターの色も考えるので、木漏れ日の見える背景に合わせてキャラクターにこういう影が落ちるようにしよう、みたいな感じでイラスト全体を組み立てています。映画のイメージボードや、ストーリーボードを見るのが好きなのですが、並べてみたときに画面の色の変化で映画全体に波があるのが繋がってみえたりするのがすごく面白いんですよね。あまりエンタメ向けじゃない、時間がゆっくり進む感じの映画が好きなんですけれど、自分が描く日常っぽい感じや空気感もそういうところに繋がっているのかなと。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

526さんのイラストでは、部分的に線画の色を変える「色トレス」の手法が使われる。
作画工程の終盤で、線画のレイヤーを使ってクリッピングマスクを作成し、塗りの明暗や質感に合わせてブラシで線に色を乗せている。
黒のみの線画と比較してみると、色トレスによる線色の変化が、526さんのイラストの優しい雰囲気の大きなポイントになっているのがわかる。

※動画では3:45から526さんが色トレス処理をする工程を見ることができます。

526さんのクリエイターズ・ストーリー

「肉球チャンス!」プライベートワーク(2024)
©526

――526さんが絵を仕事にしたいと思ったのはどのような経緯ですか?
小さい頃から絵を描くのが好きで、周囲からも「絵を描く子」だと思われていたんです。絵を描くことを誰から反対されることもなかったので、自分の中に他の選択肢というのがありませんでした。大学を卒業して、就職した会社で働きながら趣味の絵を描いているうちにセリフのないマンガで物語を描きはじめて、自分の本を出したいと思うようになったんです。

――そこからフリーのイラストレーターとして活動するようになったのは、なぜですか?
仕事を続けながら絵を描き続けることもできたのですが、いざ本の形にして世に出そうと思ったら時間が足りないなと感じました。フリーになる前から自分のSNSに絵を投稿したりはしていたものの、イラストレーターとしての実績はなかったので、ある程度フォロワー数を増やせたら仕事を募集する上での説得力になるかなと思って。ポートフォリオを作るつもりでSNSで絵を発表し続けている内に、お盆に描いた猫の絵がバズったのがきっかけになって、いろいろなご依頼をいただくようになりました。

――これまでお仕事をされてきた中で、特に印象に残っているものはありますか?
画集「世界でいちばん何でもない日」を出せたことが、いちばん嬉しかったですね。フリーになる少し前からお話はいただいていて、収録されているイラストはほとんど個人的に趣味で描いたものです。表紙は編集さんから「526さんのイラストは電車内の絵が多いから、表紙も電車内でどうですか」と提案をいただいて、いろいろなアイデアを盛り込んで描き下ろしました。完成した画集を手にすると、我ながら頑張って描いたなと感じます。

――イラストレーターとしてお仕事されるようになってからも、頻繁にSNSにイラストを投稿されていますね。
イラストレーターとして活動していることを言葉でなく伝えていきたいと思っていて。仕事が忙しくなると趣味の絵を描く時間がなくなってしまいがちですけれど、そこを疎かにしたくないので、週1くらいのペースでなるべく頻繁にSNSに新しい絵を投稿するようにしています。

――イラストだけでなく、ショートのマンガ形式で描かれているものも多いですね。
最大の目標は、長編のストーリーマンガを紙の本で出すことなので、少しずつでも描いていければと思っています。短くていいものは描けても、長くていいものを描くのは勝手が違うんですよね。描きたい題材はあるんですけれど、これまでに描いたことがあるのは最長でも15ページ程度なので、長編マンガを描くにはまだまだ勉強不足だと感じているところです。

――セリフ無しのサイレントマンガにこだわるのは、なぜですか?
学生の時に制作したアニメーションもセリフを入れていなかったのですが、情景やキャラクターの動きで伝えられないものは、セリフがあってもあまり頭に入ってこない気がしているんです。ディズニーの短編アニメとか、英語がわからなくても話が伝わるじゃないですか。言葉の壁は高いけれど、セリフを無くしてしまえばその壁を越えていろいろな国の人に楽しんでもらえるので、単純だけどちゃんとストーリーがあって、見る人に伝わるような表現をセリフ無しのマンガでやれたらいいなと思っているんです。

画集『世界でいちばん何でもない日』表紙イラスト(部分)
パイ インターナショナル刊(2023)
©526

――最近興味を持っていることや、挑戦してみたいことはありますか?
私は音楽が全くできないので、何か楽器を使えるようになりたいなと思っていて。自分の絵に音楽をつけたいなという時に、ちょっと弾いてみたりするのに憧れますね。あとはフィギュアもすごく好きなので、自分のキャラクターで立体を作ってみたいというのもあります。

――最近のお仕事について教えてください。
「パイコミックスWEB」でサイレントマンガ「春の交差点」を連載中です。7月末からイラストを描かせていただいた京都市文化観光資源保護財団のポスターが掲示されているので、京都に行かれる方はぜひ見ていただけると嬉しいです。あとはskebやココナラでもイラストの依頼を受けているので、よろしくお願いします。

――最後に、526さんにとってワコムのペンタブレットはどのような存在ですか?
液晶ペンタブレットを使い始めてから、細かいところまで見ることができるようになって、絵を描く中で色々なことを試してみる余裕ができました。デジタルだけどデジタル感がないところがいいなと感じていて、アナログだけではできなかった表現を含めて、自分が描ける幅を広げてもらえたなと感じています。

取材日:2024年7月29日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

526(こじろー)
2022年よりフリーのイラストレーターとして活動を始め、SNSで発表する日常の1シーンを切り取った優しいイラストで注目される。『しあわせ動物園 スゴイ飼育員の本当の話』(片野ゆか/ポプラ社)装画、hololive × HoneyWorks『センパイ。』コンセプトアートなど書籍やMVのイラストからマンガまで幅広く手掛けている。2023年には自身初の画集「世界でいちばん何でもない日」(パイ インターナショナル)を上梓し、好評を得た。

twitter:@Kojiro337
ポートフォリオサイト

高い色精度と高解像度のディスプレイと、新しいペンテクノロジーWacom Pro Pen 3を搭載。クリエイターと作品の間で交わされる共鳴を存分に描きつくす、ワコムの最先端液晶ペンタブレットです。

製品詳細をみる

の検索結果 : 0件のページが見つかりました。
もっと見る