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イラストレーター
久賀フーナ

書籍の装画やVTuberのイラストなどを手がけ、和モチーフの美麗なイラストで注目されるイラストレーターの久賀フーナさんによる「Wacom Cintiq Pro 24」を使ったライブペインティングを公開!(2022年5月29日撮影)

※ブラウザで動画が再生されない場合はYoutubeのワコムチャンネルでご覧ください。

Drawing with Wacom 131 / 久賀フーナ インタビュー

久賀フーナさんのペンタブレット・ヒストリー

プライベートワーク(2022)
©久賀フーナ

――久賀さんがデジタルで絵を描くようになったのはいつ頃ですか?
小学3年生くらいからPCを使い始めて、しばらくはお絵描き掲示板にマウスで描いたりして遊んでいたんですけれど、ネットでいろいろ見ている内にペンタブレットの存在を知ったんです。誕生日のプレゼントにBamboo(CTE-450)を買ってもらって、お絵描き掲示板で使うようになったのですが、ペイントツールを使って描くという概念がなくて。pixivとかのイラスト投稿サイトを見るようになって、ようやくBambooにバンドルされていたペイントツールのPixiaで絵を描くようになりました。

――その後はどのようなペンタブレットを使われましたか?
第3世代のBamboo(CTH-470)に買い替えてしばらく使っていて、大学に入学するときにWindowsのタブレットPCを買ったので、少しの間だけそれで描いていたのですが、スペック的に大きいイラストを描いたりするのが難しくて。それでまた板型のペンタブレットに戻って、Wacom Intuos Pro Smallを使うようになり、現在に至ります。せっかくなので大きいサイズにしようか迷ったんですけれど、ずっと小さいBambooで慣れていたので、板型のペンタブレットだと狭い範囲で作業するほうがやりやすいですね。

――現在の作画環境はどのようなものですか。
Raytrekのクリエイター向けノートPC(CPU:Intel Core i7-11800H/RAM:32GB)にWacom Intuos Pro Smallを繋いで使っています。実家に帰る時に環境が持ち運べた方が便利なのでノートを選んだのですが、使い始めたら別にデスクトップでなくてもいいなという感じになって、ディスプレイなどは特に繋がずにノートの画面で作業しています。作画につかうツールはペイントツールSAI ver.2がメインで、大きいサイズの絵を描く時や、印刷用のデータを仕上げる時はCLIP STUDIO PAINTとAdobe Photoshopを使うこともあります。

――今回、Wacom Cintiq Pro 24を使って絵を描いてみた感想はいかがですか。
大きい画面と高解像度で、ぜんぜん拡大しなくても描けるのが本当にありがたいですね。板側のペンタブレットとノートPCの画面で描くのに慣れているつもりでしたが、ラフや線画の時のストレスの無さは段違いです。液晶ペンタブレットは画面に描くぶん、板型のペンタブレットより描き味が落ちると思っていたので、その面でも全く違和感がないのに驚きました。気になっていた、ガラスを1枚挟んで描いているような感じもなく、発色も綺麗で見やすかったです。

――いつも板型のペンタブレットを使っていると、ポジションの違いに違和感があったりしませんでしたか?
確かに画面を見ながら描くので、描いている時の姿勢は違いますが、紙に描くのと同じなので作業として違和感はありませんでした。私は普段、小さいペンタブレットを使っているのでストロークが綺麗に出すぎてしまうところがあるのですが、Wacom Cintiq Pro 24で描いた線は機械的になりすぎることがなくて、いい感じの手描き感が出るのがいいなと思いました。

久 賀 フ ー ナ さ ん の 作 業 環 境

ドスパラのクリエイター向けノートPC、Raytrek R5-TA6(CPU:Intel Core i7-11800H/RAM:32GB)とWacom Intuos Pro Smallで制作している。
作画に使うツールは主にペイントツールSAI ver.2で、大きいサイズのイラストや印刷向けのデータを作る時はCLIP STUDIO PAINT、Adobe Photoshopを併用する。
ノートPCの画面のみで作業するため、PCの隣にあるMicrosoft Surfaceを作画資料の表示などに使っている。

久賀フーナさんのクリエイティブ・スタイル

プライベートワーク(2022)
©久賀フーナ

――久賀さんが普段、イラストを描く時のワークフローを教えてください。
たいていは頭の中でどんな絵にするか考えてからなので、そのイメージを壊さないようにSAI2でラフを描いていきます。線画は後から統合して上書きしてしまうタイプなので、綺麗にクリンナップするというより、描いている自分の気持ちが停滞しないように、塗り分けができる程度に描けたらいい、くらいのスピード感で作業しています。パーツ毎に分けて下塗りをしたら、全体の明暗のコントラストや色のバランスを意識しながら、クリッピングしたレイヤーに大きな影を塗っていきます。ある程度塗れたら線画と塗りを統合して、その上に描き込んでいく形でブラッシュアップしていきます。

――パッと見た時にコントラストの強さからセル塗りのような印象を受けるのですが、実際は厚塗りのように筆を重ねて仕上げていますよね。
華やかなイラストが好きなので、最初の印象で綺麗だなと感じてもらいたいんです。光と影を極端にするとキラキラとゴージャスな感じになるので、コントラストは意識しているところですね。ただそれだけだと派手にはなるけれど、上品な感じがなくなってしまうことがあるので、塗り重ねた色に筆ブラシを使ってタッチを加えることで手描きっぽさを出して、塗りのギラギラした感じを抑えるようにしています。

――ブラシはどのようなものを使われていますか?
主にテクスチャを無くしてフラットにした鉛筆ブラシと、混色・水分量・色延びのパラメーターをほぼ最大にした筆ブラシを使っています。鉛筆ブラシで線画や下塗りをして、塗りが平坦なところを筆ブラシでグリグリすることで塗りにタッチを付けていく感じです。

――最初から厚塗りで筆を重ねて色を乗せていくのとは違うんですね。
高校の時に美大受験のためのデッサンを習ったことがあって、試験時間の中で描くには最初に大きな影を描いてしまって、細かいところは後から描いていくのが一番早いと教わったんです。結局、美大にはいかなかったんですけれど、その時に習ったことが仕事をするようになって役に立ちました。

――プライベートで描かれている絵を見ると、全体に青や赤が乗っていたり、暗いトーンの色使いが多い印象です。
暗い青の逆光とか、夕日に照らされた赤が好きで、プライベートだとほぼそのどちらかで描くことが多いですね。せっかく絵を描くなら好きな色で綺麗に見せたいので、リアルさよりも美しさを出していきたいという色の選び方です。逆光の絵が多いのは、その方が少ない描き込みで綺麗に見えるのと、自分のイメージする上品で落ち着いた感じが出せるからなんです。せっかく描いたキャラクターを暗くしすぎてもったいないと言ってもらうこともあるのですが、下塗りしたらすぐ乗算で青を乗せてしまって、そこから塗り進めていくので自分としてはもったいなく感じるタイミングがないんですよ(笑)。

プライベートワーク(2022)
©久賀フーナ

――青がメインの絵に差し色で入る赤や黄色の鮮やかさがすごく印象に残ります。
この表現にたどり着いたのは、青色の逆光で塗っている時だったんですけれど、赤とか黄緑みたいな差し色の彩度を極端に高くすると、発光レイヤーみたいな効果を使わなくても、そこだけ蛍光色で輝いているように見えるんですよ。そういう部分を適度に入れておくことで絵に艶が出るというか、キラキラしてくれる気がしたので、そこから紆余曲折を経て、青系以外のイラストや順光で描く時にも彩度の高い差し色を入れたほうが可愛いなと思うようになりました。レンズフレアとかもそうですが、基本的にキラキラしたものが好きなので。

――逆光の絵で鼻筋の横に入る明るい部分や、目の上にかかってくる前髪などに久賀さんのこだわりを感じます。
個人的に、顔にかかる髪の影というのが、美少年や美少女を表現する文脈だと思っていて。ほつれた前髪とかも大好きなんですけれど、それが高じてよく前髪で片目が隠れるようなキャラクターを描いてしまいます(笑)。

――和のモチーフに漂う耽美な雰囲気というのが、久賀さんのイラストの特徴だと思いますが、和モチーフのどこに魅力を感じていますか?
和装を描くのはすごく大変なんですけれど、難しいからこそ燃えるみたいなところがあります。歴史もの、特に私の好きな平安時代の貴族文化などは調べれば調べるほど美しいなと感じるモチーフが出てくるので、それを描くことがすごく楽しいですね。谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』という随筆に「日本的な美は暗い中に光が当たるところにある」という内容のことが書かれていて、すごく納得がいったんです。最初は和のモチーフについての話だと受け止めていたんですけれど、最近はどんなモチーフを描く時も『陰翳礼讃』のことを思い浮かべているので、イラスト表現の上ですごく影響を受けているかもしれません。

――イラストを描く中で特に意識している部分はどこでしょう。
一番は「顔」ですが、全体としてはゴージャスな絵だなと思ってもらえるように意識しています。ガラスや花、水みたいなものを描くとすごく綺麗じゃないですか。比較的インパクトが強いモチーフなので、入れるかどうか迷うこともあるのですが、見た人に喜んでもらいたいので、入れられるならどんどん詰め込んでおこう、みたいな気持ちで描いています。パッと見てすごく綺麗だな、と感じてもらえる絵になっていれば嬉しいですね。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

セル塗りのような明暗のコントラストを出しつつタッチのある塗りをする久賀フーナさん。セル塗の風にフラットな鉛筆ブラシで影の形を塗ってから、色の延びを良くした混色用ブラシを使って筆のタッチを加えることで塗り作業を効率化している。線画と塗りのレイヤーを統合した後の鉛筆ブラシによる描き込みにも注目。

※動画では5:36から久賀さんが影塗りにタッチを加える作業を、8:42からレイヤー統合後の塗り作業を見ることができます。

久賀フーナさんのクリエイターズ・ストーリー

バーチャルシンガー幸祜イメージイラスト(2021)
©KAMITSUBAKI STUDIO

――久賀さんが絵を描かれるようになったのはいつ頃ですか?
両親ともマンガ好きで、幼い頃から家にあるマンガを読んでいるうちに、ごく自然に大きくなったらマンガ家になりたいと思うようになっていました。少女マンガのキラキラした感じが好きで、小学生の頃から見よう見まねでマンガを描いていたりしたんですけれど、ファンタジー小説の「精霊の守り人」(著:上橋菜穂子)にハマって、挿絵に描かれていたチャグム皇子に一目惚れしたんです。それで皇子のイラストを描き始めたのが趣味になって、デジタルと出会いました。

――デジタルで絵を描かれるようになってからはどのような活動をされていましたか。
デジタルで絵を描きたいと思ってネットの情報を見ている間に、ちょうど流行っていたボーカロイドとか東方プロジェクトみたいな文化にふれて、二次創作という概念を知りました。そこからしばらくは自分も趣味で描いた絵をネットに公開してみんなに見てもらえたらいいなという感じで、プロになりたいみたいな感じではありませんでした。

――プロのイラストレーターを目指そうと思ったきっかけは?
高校で歴史の勉強をしていた時に、小学生の頃、山岸涼子先生の『日出処の天子』が大好きだったことを思い出して、あんな美しい世界感を自分なりに表現したいと思ってオリジナルのイラストを描き始めたんです。そうやって描き続けている内に、いろんな人に自分の絵を見てもらいたいと思うようになって。そのためには絵を仕事にできたらいいんじゃないかと考えて、頑張ってTwitterに絵を載せて、仕事を募集するようになりました。

――初めての絵の仕事はどういったものでしたか?
大学2年生の頃に『Arcaea』という音楽ゲームのイラストを描いたのが初めてのお仕事でした。メールで連絡をいただいて、Twitterに載せていたイラストのような感じで描いてくださいと言われたので、かなり自由に楽しく描くことができたのを覚えています。ゲームの中に自分が描いた絵が出てくると、こんなところに使ってもらえたと感じて嬉しかったですね。

――ネット以外で、イベント参加などの活動はされていたんですか?
一度だけ、コミティアにサークル参加したことがありましたが、あまり大がかりなものではなくて。大学3年生になればすこし時間ができて同人活動とかもできるかなと思っていたら、コロナ禍になってイベントそのものが無くなってしまったんです。これからオリジナルの絵でいろいろやっていこうと思っていた矢先のことだったので、残念でしたね。

「絵師100人展 12」出展作品「千年の道」(2022)
©産経新聞社/久賀フーナ

――そんな中でも、だんだんお仕事の依頼も増えてイラストレーターとしての活動も認知されていくわけですね。
企業でイラストレーターとしての経験を積んだり、何か賞を取ってみたいなことがなかったで、ヌルっとはじまった感があります(笑)。活動の初期から、バーチャルシンガーの幸?さんのイラストは定期的に描かせてもらっているのですが、それを見てVTuber関連のイラストをご依頼いただくことが多いのでありがたいですね。

――これまでのお仕事の中で特に印象に残っているものはありますか?
『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』(著;天祢涼/星海社FICTIONS)で初めて書籍のお仕事をさせてもらったのですが、ずっと本の挿絵を描くことに憧れていたので、とても嬉しかったですね。ライトノベルやキャラクター文芸みたいな小説は表紙のイラストや挿絵を描くためにキャラクターデザインもする必要があるので、1枚絵の仕事に比べて大変でしたが、いろいろ勉強になることばかりでした。

――今年、大学を卒業されたばかりですが、学校では古典文学を専門に学ばれていたんですよね。
そんなに真面目に勉強ができるタイプではないので、好きなことじゃないと続かないと思っていて。美大にも憧れはあったのですが、高校の時から好きだった古典文学を深く学んでいけば、自分の絵にもフィードバックがあるんじゃないかと思ったんです。大学のゼミで勉強したことをそのまま創作活動にフィードバックしたりして、こんなに楽しいことをしながら単位をもらえていいのかなって感じで。専門は中古文学で、いわゆる平安文学について勉強していたのですが、卒論を描きながら同人誌で藤原顕光のアンソロジー本を作っていたので、どっちが主だかわらかなくなりそうでした(笑)。

――歴史上の人物としてはそこまでメジャーな名前ではありませんが、どのへんが「推し」なのですか?
古典をいろいろ読んでいる中で「大鏡」という藤原氏一族のキャラクター紹介本みたいな説話集と出会って、すごく面白かったんです。キャラ萌えみたいな感じで藤原氏のことを調べていたら、顕光という人は当時の権力者だった藤原道長の陰で不憫な境遇だけれど、すごく綺麗な顔をしていたという話もあって。不憫なイケメンとか、可哀そうな悪役キャラみたいなところがすごく刺さったんです。そういう人の顔を綺麗に描くために、私は生きてるのかもしれません(笑)。

伊吹亜門『京都陰陽寮謎解き滅妖帖』(星海社FICTIONS)
表紙用イラスト(2022)
©伊吹亜門/星海社

――大学卒業後はどのような進路に進まれたのでしょうか。
イラストレーター枠でゲーム会社に就職することができたのですが、周りにすごく絵が上手い人が多いので、プレッシャーを感じながらも成長できそうな気がしています。個人でのイラストレーター活動も認めていただいているのですが、しばらくは会社の仕事を中心に頑張っていこうと思っています。

――この先、やってみたいと思っていることはありますか?
歴史を読み込んで自分の世界観で描くような創作を本格的にやってみたいと思っています。古典文学はすごくキャラクターが立っているので、イラストだけじゃなくマンガのような形でエピソードを広げるところまで頑張ってみたいですね。古文とか漢文は難しい印象を持っている人も多いですが、『ヘタリア』で世界史を好きになる人が増えたみたいに古典にも親しんでもらえたらいいなと思っています。

――最近のお仕事についても教えてください。
「絵師100人展 12」に参加できたことがすごく嬉しかったですね。大きい絵で、あんなにしっかり寝殿造の建物を描いたことがなかったので、大変でしたがやりがいがありました。これまで生の声で作品の感想を聞く機会が少なかったので、イラストレーターとしての実感も持てました。それと、今月末には挿画を担当した小説『京都陰陽寮謎解き滅妖帖』も発売されるので、手に取ってもらえると嬉しいです。

――最後に、久賀フーナさんにとってペンタブレットとはどのような存在ですか?
ペンタブレットの存在を知ったことで、デジタルイラストの世界に入ることができたので、私の人生の可能性を広げてくれてありがとう、という気持ちです。

取材日:2022年6月7日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

久賀フーナ
イラストレーター。大学で平安時代の文学について学ぶ傍ら、SNSに投稿していたオリジナルイラストが注目され、リズムゲーム『Arcaea』の楽曲イラストで商業デビュー。バーチャルシンガー「幸祜」をはじめとするVTuber関連のイラストや、ゲーム『アズールレーン』の関連イラストを多く手掛けるほか、『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』(天祢 涼/星海社)の装画など書籍イラストでも活躍している。大学卒業後はイラストレーターとしてゲーム会社に勤めながら、個人としても活動を続け、この6月にはイラストを手がけた小説『京都陰陽寮 謎解き滅妖帖』(伊吹亜門/星海社)が発売される。

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