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イラストレーター
Lowro

「にじさんじ」のライバー、赤城ウェン、叢雲カゲツのキャラクターデザインをはじめ、衣装デザインやグッズなどVTuber関連イラストで人気のイラストレーターLowroによる「Wacom Cintiq Pro 27」を使ったライブペインディングを公開!(2023年5月10日撮影)

※ブラウザで動画が再生されない場合はYoutubeのワコムチャンネルでご覧ください。

Drawing with Wacom 139 / Lowro インタビュー

Lowroさんのペンタブレット・ヒストリー

「絵師100人展 12」出展作品「犇めく再生」(2022)
©産経新聞社/Lowro

――Lowroさんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
小学生の頃からデジタルで絵を描けるんだということは見聞きして知っていました。中学に入ってPCを使うようになるのにあわせてBamboo(CTH-461)を買ってもらったのが初めてのペンタブレットでした。SAIを使ってイラストを描いていたのですが、その当時は特にネットに投稿したりはしていなくて、友達に見せたりするくらいだったと思います。

――液晶ペンタブレットを使うようになったのは?
専門学校に入ったときに教材としてIntuos5を買って、しばらくは板型のペンタブレットを使っていました。漫画を描くようになったのをきっかけに、元々、アナログで絵を描いていたことから液晶ペンタブレットの方が自分に合っているのかなと思ってCintiq 13HDを買ってみたら、予想以上に使い勝手がよくて。板型ペンタブレットだと拡大して描き込みすぎる癖があって、線画に時間がかかっていたんですけれど、液晶ペンタブレットだと変な几帳面さが出ずにいい具合で描けたんです。その後、より大きいサイズの方が描きやすそうだと考えてCintiq 22HDに買い替えました。

――現在の作業環境はどのようなものですか。
マウスコンピューターのクリエイターPC、DAIV DGZ-520(CPU:Intel Core i7-8700 3.20GHz/RAM:32GB)に、Cintiq 22HDとIIyamaの24インチディスプレイを繋いで使っています。サブデバイスは特になく、ショートカットなどはキーボードスライダーで机の下に設置したキーボードを使って操作しています。作画ツールはSAI2を主に使っていて、必要に応じてAdobe Photoshopで処理や加工をする感じですね。

――今回、Wacom Cintiq Pro 27を使って描いてみた感想はいかがですか?
画面がすごく大きいので、いい感じに没入して描くことができたと思います。作業エリアに余裕があるので、いつもはサブディスプレイに置いてある資料用の画像などを、Wacom Cintiq Pro 27の画面内に表示しながら作業したりもできそうですね。私はあまり筆圧が強くないので、普段使っている環境は自分にあわせてセッティングしているんですけれど、Wacom Cintiq Pro 27はそこまで設定を調整しないでも違和感なく描くことができました。太さや重心をカスタマイズできるWacom Pro Pen 3もすごく面白かったので、いろいろ試してみたくなりますね。

L o w r o さ ん の 作 業 環 境

最近、引っ越したばかりというLowroさんの作業環境。
DAIVブランドのPC(CPU:Intel Core i7-8700 3.20GHz/RAM:32GB)に、Cintiq 22HDとIIyamaの24インチディスプレイを繋いで使用。キーボードはデスクの下にスライダーで格納されている。
ペン先が適度に滑る方が好みということでペンの芯は標準のものを使っている。作画ソフトは動作の軽さからSAI2を愛用しているとのこと。

Lowroさんのクリエイティブ・スタイル

「プロジェクトセカイ クリエイターズフェスタ2023」
イラスト展 出展作品(2023)
© SEGA / © Colorful Palette Inc.
© Crypton Future Media, INC. www.piapro.net All rights reserved.

――Lowroさんがイラストを描く時のワークフローを教えてください。
最初の資料集めはかなりやるほうですね。描くものが決まったら、SAI2でアタリをとって、そこからカラーラフにして線画をクリンナップします。塗りはレイヤーで塗り分けを作ってから、カラーラフをクリッピングしたものをそのまま下塗りにして、あとは部分ごとにレイヤーを重ねながら厚塗りで塗り込んでいく感じです。

――作画に使うブラシはどのようなものですか?
アタリからラフは、決め込みすぎないようにふんわりとした線で描きたいので、かなり柔らかい線が出るようにカスタマイズした鉛筆系のブラシです。線画のクリンナップはデフォルトの鉛筆ブラシをちょっとぼかした感じのカスタムブラシで、塗りは透明度の低い平筆っぽいブラシを使っています。

――絵柄から受ける印象は、そこまで厚塗りっぽくないですよね。現在の作画スタイルにはどうたどり着いたんですか?
会社を辞めたあとに、あまりモチベーションが上がらない時期があって。その時にきっちり線画を描いて、塗ってという段取りを踏まないで、これくらいなら描けるかなという描き方を模索しているうちにいまのスタイルになった感じですね。あまり線画に頼らないようにしているんですけれど、仕事で描くイラストは丁寧にイメージを伝える必要があったりするので、カラーラフの段階でばっちりシルエットを決めて、その上に線画で保険をかけてやることが多いかもしれません。

――カラーラフで作り込みすぎると、その時点で達成感がでてしまいそうですね。
そうなんです。創作という意味では、いろいろアイデアを考えながらカラーラフを作っている段階が一番楽しくて。でもクリンナップまで進めれば、ちゃんと完成したイラストの方がいいなと感じるので、ラフから完成までのモチベーションを維持するための描き方がいまのスタイルといえるかもしれません。

――お仕事でイラストを描く上で、Lowroさんが特に意識していることはありますか?
「このキャラクターで、こういうイメージの絵」という発注をいただいたら、割とロジカル思考というか、外堀を埋めていくような感じでどんな表現にするか決めていきます。やっぱり既視感があるとつまらなく見えてしまうと思うので、与えられたテーマに対してテンプレっぽい返しにならないよう、遊び心をいれるように意識しています。

にじさんじ「赤城ウェン」キャラクターデザイン画(2023)
©ANYCOLOR, Inc.

――遊び心というと、具体的にはどういうことでしょう。
例えば、アクリルスタンド用のイラストを発注いただいた時に、アクリルスタンドをパズルみたいに組み合わせられるようなデザインにしようとか、背景とキャラクターの2段構えのデザインにしたいみたいなアイデアを自分から提案したりするんです。自分ならこういうグッズが欲しい、みたいなコンセプトを考えるのが好きなんですよ。

――Lowroさんが描くキャラクターの衣装はすごくお洒落な印象ですが、普段からファッションに興味をもっているのでしょうか。
Pinterestを見たりするのは大好きですけれど、すごくファッションに詳しいとかではなく人並みに興味がある程度だと思っているので、衣装のデザインを褒めてもらえるのは、すごくありがたいです。

――VTuberはそれぞれ個性的なキャラクターなので、その人のファンが喜んでくれるデザインに落とし込むのは大変ではないですか。
大切なのは、自分がそのキャラクターを好きになる努力をすること ですね。推し活だと思えば仕事の大変さもなくなるので、絵を描いているときはそのキャラクターのファンと同じ目線にたって、「この人のここが魅力的だな」って思いながら描いています(笑) 。

――Lowroさんが個人的に描きたいと思っているモチーフみたいなものはあるのでしょうか。
お仕事だとまずキャラクターが決まっていることが多いので、もっと自分のオリジナルで絵を描けるといいなと思っています。「絵師100人展」の時は「道」というテーマは決まっていたのですが、それ以外はほぼ自由だったので、かなり描きたいものを描くことができました。音楽も好きなので、オリジナル楽曲の世界観を表現するMVとか、そういうものもやれるようになれたら 嬉しいですね。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

パーツ毎にレイヤーフォルダを作って、細かくレイヤー分けした線画と塗りを管理しているLowroさん。
塗り工程では、カラーラフをそのまま各パーツの塗り分けレイヤーでクリッピングしたものをベースに、レイヤーを重ねて不透明ブラシで厚塗りしていくスタイルをとっている。
カラーラフを転用するのは、下塗りの効率化だけでなく、カラーラフで作ったイラストの印象からブレにくいというメリットもある。

※動画では12:28からLowroさんが塗りのクリッピングレイヤーを作る工程を見ることができます。

Lowroさんのクリエイターズ・ストーリー

『白夜極光』ハーフアニバーサリー記念イラスト
プライベートワーク(2022)
©Proxima Beta Pte. Ltd. ©TourDogStudio

――Lowroさんが絵を仕事にしたいと思ったのはいつ頃ですか?
高校生の頃に飲食店でバイトをしていたんですけれど、自分は接客業に向いてないなと思って。ある時、店長から「君は美術系の学校だよね」みたいな感じで店内の黒板アートを描くように言われたら、その評判がよくて。いつも私を呆れた顔で見ている店長がすごく笑顔で褒めてくれたんですよ。それで自分に向いていることと向いてないことの両極端を味わった気がして、これは絵で食べていくしかないぞと(笑)。

――高校から美術系だったんですね。
高校は日本画専攻だったんですけれど、絵で食べていくにも、就職はちゃんとした方がいいだろうと思っていて。絵で就職できる会社を考えたらゲーム会社だろうということで、高校卒業後はゲームの専門学校に進学しました。

――ゲーム業界への就職活動は大変でしたか?
就職活動を始めるくらいの頃に、学校にレベルファイブの採用募集があって。もともとレベルファイブのゲームが好きで遊んでいたこともあり、2Dのキャラクターデザインや背景グラフィック が特に魅力的な会社だと感じていたので、自分もその技術を学びたいと思って応募したら採用していただけたんです。

――レベルファイブといえば九州を代表するゲーム会社ですが、入社してからはどのようなお仕事をされていたのですか?
新人研修は福岡の本社で受けたのですが、配属先が東京にある社長直属の部署になったので、すぐ地元に戻ってくることになりました。 社長が中心になって新しい企画やアイデアを出す部門のデザイナーとして『妖怪学園』などの開発に関わらせてもらったのですが、デザインだけでなく会議でアイデアを求められたりもして、すごく楽しい仕事でした。『妖怪学園』はアニメ化もされたので、自分がデザインしたキャラクターがアニメで動くという夢もいきなり叶ってしまったんですよ。レベルファイブでの経験には本当に感謝しています。

――そこからフリーのイラストレーターになった経緯はどういう流れですか?
1年半くらい働いたところで調子を崩してしまい、会社を辞めてしばらく落ち込んでいたんですけれど、好きなゲームの新作が発売されたタイミングでファンアートを描いていたらイラストの仕事の依頼がきて……。そのまま流れに身を任せて描いていたら、いつの間にかイラストレーターと呼ばれるようになっていました。

――初めてのお仕事はどういったものでしたか?
実は会社員になるより前、専門学校の頃にお仕事をしていたことがあって。スクウェア・エニックスの『ゲシュタルト・オーディン』というソーシャルゲームでキャラクターデザインをしたのが初めて自分の絵がお仕事になった経験でした。イラストレーターの仕事は「選んでもらえた」という実感 がすごくあって。たくさんいる中から、自分を選んで発注してくれた喜びというのは大きかったですね。

にじさんじ「叢雲カゲツ」キャラクターデザイン画(2023)
©ANYCOLOR, Inc.

――これまでのお仕事で、特に印象に残っているものはありますか?
すごく個人的な感情になってしまうんですけれど、会社を辞めて落ち込んでいた時期に、にじさんじの黛灰さんを推していて、すごく精神的に救われていたんですよ。後に黛灰さんの誕生日記念イラストを描かせてもらったのが本当に嬉しくて。恩返しの気持ちで描いたので凄く思い入れのある一枚になりました。あとは「絵師100人展 12」に参加できたことも嬉しかったですね。自分とは違うフィールドだと思っていたので、そこでオリジナルのイラストが評価してもらえたというのはありがたい経験でした。

――最近では、にじさんじの新人ライバー2人のデザインも担当されましたね。
春にデビューした赤城ウェン君と、叢雲カゲツ君のキャラクターデザインを担当しました。「にじさんじ」さんでは初めてVTuberデザインをさせて頂いたので、お二人がこれからどんな活動をされていくのか、楽しみにしています。

――Lowroさんがこれからやってみたいことや挑戦してみたいことがあれば教えてください。
ずっと、オリジナルのストーリーを作るお仕事がしたいと思っていて。もともと、絵を描くよりも物語を作る事が好きで、そのために絵が描けたら便利だというのがイラストを描き始めた理由だったんです。実は会社に入る前に、編集さんから声をかけていただいて漫画を描きませんかという話もあって悩んだんですよ。その時に会社を選んだことは後悔していないですけれど、心残りもあって。もう一度チャンスがあれば、オリジナルの漫画に挑戦してみたいです。

――最近のお仕事状況はいかがですか?
まだお知らせできる段階のものがないのですが、いろいろやってはいるので楽しみにしていてください。最近発表されたものだと、『プロジェクトセカイ クリエイターズフェスタ2023』で2.5周年のお祝いイラストを描かせてもらいました。にじさんじの赤城ウェン君と叢雲カゲツ君も頑張っているので、ぜひ応援してあげてください。

――最後に、Lowroさんにとってペンタブレットとはどのような存在ですか?
最近、引越しをしたんですけれど、部屋のレイアウトを考える時は「変えられないもの」から決めていくというのが鉄則なんですよ。私の中で絶対に変えられないもというのが液晶ペンタブレットだったので、机の上にどんと構えてオーラを放っているCintiq 22HDを軸にして、全体のインテリアを考えました。ワコムの液晶ペンタブレットは、それくらい私の中で代替のきかない生活の中心なんだなと思っています。

取材日:2023年5月23日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

Lowro(チルマロウロ)
イラストレーター。専門学校卒業後、レベルファイブのデザイナー職を経てフリーに。オンラインゲーム『白夜極光』のキャラクターデザインや、人気VTuberグループ「にじさんじ」ライバーの衣装デザインや関連イラストを数多く手がけ、ファンの支持を得ている。2023年春にはキャラクターデザインを担当した新人ライバー「赤城ウェン」「叢雲カゲツ」もデビュー。男性キャラクターのイラストに定評があるが、「絵師100人展 12」への参加など活動の幅を広げている。

twitter:@Lowro_
pixiv

高い色精度と高解像度のディスプレイと、新しいペンテクノロジーWacom Pro Pen 3を搭載。クリエイターと作品の間で交わされる共鳴を存分に描きつくす、ワコムの最先端液晶ペンタブレットです。

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