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マンガ家/イラストレーター
ぽむ

人気ウェブマンガ『先輩はおとこのこ』や、「ジャージちゃん」等のLINEスタンプでも知られるマンガ家/イラストレーターのぽむさんによる「Wacom Cintiq Pro 24」を使ったライブペインティングを公開!(2022年8月4日撮影)

※ブラウザで動画が再生されない場合はYoutubeのワコムチャンネルでご覧ください。

Drawing with Wacom 133 / ぽむ インタビュー

ぽむさんのペンタブレット・ヒストリー

『先輩はおとこのこ』単行本1巻表紙イラスト(2021)
©pom/LINE Digital Frontier

――ぽむさんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
中学生の頃にニコニコ動画の「描いてみた」動画でデジタルイラストのメイキングを見て、その人達が使っているワコムのペンタブレットに憧れていたんです。高校受験が終わったら買って欲しいと母にお願いして、試験が終わったその足で家電量販店に向かいBamboo(CTH-461)を買ってもらったのが初めてのペンタブレットでした。

――ペンタブレットを手に入れてどのような使い方をされていましたか。
ずっと憧れていたpixivにボーカロイドのファンアートを投稿したりしていました。中学生の頃はすごく厳しい部活に入っていたので、なかなか好きな絵を描く暇がなかったんですけれど、ペンタブレットを手に入れてからは絵を描くことが楽しすぎて。家に帰って夕方くらいに絵を描き始めると、気が付いたら夜の1時とか2時になってるんですよ。暖房を付けるのを忘れて描いているから、手足がキンキンに冷えていたりして(笑)。かつてないほど集中して楽しく描いていましたね。

――液晶ペンタブレットを使うようになったのは?
ずっとBambooを使っていて、入社したときにCinqiq 13HDを支給されたのが初めての液晶ペンタブレットでした。板型のペンタブレットを使っている時は画面とペン先の間が離れているので、まだ全力を出し切れてないような感覚があって、アナログの線画を取り込んで描いたりしていたんです。でも液晶ペンタブレットは直接、画面に描くことができるので感覚のズレがなく、作業のスピードも段違いに上がりました。

――現在の作業環境はどのようなものですか。
マウスコンピューターのPC(CPU:Intel core i7-8700K/RAM:16GB)にWacom Cintiq Pro 16とAcerの24インチディスプレイを2枚繋いでいます。作画に使うのはペイントツールSAI ver.2でサブデバイスとしてExpressKey Remoteを使っていて、ビュー拡大/回転・消しゴム・元に戻す・手のひらツールをそれぞれ登録しています。ExpressKey Remoteはマウス感覚で手に力を入れずに使えるのがお気に入りです。

――今回、Wacom Cintiq Pro 24を使って描いてみた感想はいかがですか。
ふだん使っているWacom Cintiq Pro 16は作業にはちょうどいいスペースなんですけれど、それ以外の余裕はないので、描いているキャンバス以外のデータやフォルダを画面に広げておくのは難しくて。以前、抱き枕の絵を描いた時もずっと拡大と移動を繰り返しながら作業していたので、この画面の大きさがあれば楽だったろうなと思います。webtoonは縦長の原稿を分割して描いているので、Wacom Cintiq Pro 24ならそのデータを並べながら作業することもできそうですね。会社に1台あると嬉しいなあと思いました(笑)。

ぽ む さ ん の 作 業 環 境

会社のオフィスにあるぽむさんのデスク。マウスコンピューターのデスクトップPC(CPU:Intel core i7-8700K/RAM:16GB)にWacom Cintiq Pro 16とAcerの24インチディスプレイ(KA240Hbmidx)を2枚接続している。
ディスプレイには作画資料やSAI2のナビゲーターを表示して使用。 ExpressKey Remoteでよく使うショートカットを操作している。

ぽむさんのクリエイティブ・スタイル

「さき」
『先輩はおとこのこ』単行本PRイラスト(2021)
©pom/LINE Digital Frontier

――ぽむさんがイラストを描く時のワークフローを教えてください。
ポーズや写真などの参考資料を集めて、それを見ながら描き始めることが多いです。描く内容はストーリーを意識するようにしていて、どんなシーンでどういう会話をしているのかみたいに想像しながら考えていきます。描くものが決まったら、まずグレーでぼんやりとレイアウトをとってみて、そこからラフ、下描き、線画と描き進めていきます。仕事でラフを提出する場合は、下描きの段階で色を付けてカラーラフにすることが多いですね。以前はラフはざっくり描けばいいやと思っていたんですけれど、上手い人のラフをみたらすごくきっちり描かれていたので、それから自分もちゃんと描くようになりました。

――塗り作業はどのように進めていくのでしょうか。
パーツごとにバケツで塗り分けたレイヤーに、エアブラシで陰影のニュアンスを付けながら下塗りをしていきます。それから1枚の乗算レイヤーで全体の影を塗り、その影レイヤーを複製して髪・肌・服などの塗り分けでクリッピングしてそれぞれの影塗りにします。そこから筆やエアブラシで影の形や色を整えたり、より濃い影やハイライト部分を塗り重ねていきます。影は光源から遠い方にやや彩度の低い色を、光源に近くて明るい方は彩度が高めに塗るようにしています。

――色を塗る時に特に意識していることはありますか?
影の形が面白くなるようにしようということは、いつも考えています。ドローイングで描いた絵の場合は、セーラー服にラブレターを持っている手の影が落ちているんですけれど、こういう面を分断するような落ち影というのは意識的に描いています。モ誰さんや米山舞さんの絵を見ていて、目立つところに落ち影があると絵が平面的にならずかっこよくなると気づいてから、自分でも面白い影というのをすごく意識しているんです。

『先輩はおとこのこ』97話より(2021)
©pom/LINE Digital Frontier

――ドローイングを見ていると、仕上げ作業でもかなり細かく手を加えていますね。
仕上げは納得いくまで色を調節し続ける感じです。今回の絵だと全体的に桜のピンクっぽい雰囲気でまとめたかったんですけれど、締まりがなかったのでセーラー服の襟の部分だけ最後に色相をずらして青を乗せています。一番最後に顔のパーツまわりを調整するようにしていて、特にキャラクターの口は表情を作る上ですごく大事だと思っているので、必ずいろいろやってみて、一番納得いく形を描くようにしています。

――確かに『先輩はおとこのこ』単行本の表紙も、1~3巻でそれぞれ口の描き方が違っていました。
単行本の表紙イラストも、口まわりは何度も書き直しをして、どんな形がいいか試行錯誤しました。LINEスタンプを作っている時に顔の表情をもっと出して欲しいということをよく言われていて、スタンプの小さい絵でどうすれば表情が分かりやすくなるのかを考えたときに、口だと思ったんです。数ピクセルずらしただけで感情が変わるので、それ以来ずっと口のパーツにはこだわっています。キャラクターの顔を見せる絵が多いので、口元に手を寄せるなど何かしら口の近くに目を引く要素を置いたり、髪の毛の毛先の方向で口元に視線を誘導するような線を入れたりしています。

――ぽむさんはwebtoonという縦スクロールのマンガを描かれていますが、マンガはどのように制作しているのでしょうか。
プロットを元にネームを描いて、文字入れと枠線をアシスタントさんにやってもらったら線画を描いていきます。塗り分けもアシスタントさんにお願いしていて、基本の影の色などを決めてあるのでノーマルなトーンの場面はその色で塗ってもらいます。

――キメのシーンのコマでは、線画や塗りの情報量が増えてイラストに近い仕上がりになっていますよね。
劇的に見せたいところは、線画のブラシを細めにしたり、入り抜きを強くして見ごたえのある線で描くようにしています。塗りもイラストのように下塗りで変化を付けたり、影の色味や形を変えて、工程をどれくらい増やすかみたいなところでクオリティの差をつけているんです。写真を使った背景も多いんですけれど、撮ってきた写真をそのまま貼り付けるといかにもという感じになってしまうので、場面ごとの感情や視線誘導を意識して加工することでマンガの中に馴染ませるようにしています。

――縦スクロールならではの演出や見せ方などwebtoonならではの要素もあるのでしょうか。
webtoonは文字が多いと読みにくいので、極力、セリフを少なくして絵で見せるようにしています。従来のマンガよりもPVのようなものに近いと感じていて、理屈よりもフィーリングで受けとれるような表現が求められている気がします。縦スクロールを活用した表現は意識していて、「ジャンプ+」(集英社)で『タテの国』(作:田中空)というずっと落ちていく設定のマンガを読んだ時にすごくいいなと思ったので、『先輩はおとこのこ』でも高いところから飛び降りるシーンみたいなものは意識的に入れるようにしていました。

――絵を描く上で影響を受けたクリエイターはいますか?
上手い人の絵を見るのは好きで、描き方の研究もするんですけれど、基本的な技法は森倉円さんの絵から勉強させてもらったところが大きいです。新しい表現とか、こんな見せ方もあるんだという部分では米山舞さんの作品からいつも刺激を受けています。仕事をする上では、どんな活動をしていけばいいんだろうと悩んでいた時に、可愛いイラストもマンガもこなす、なもりさんのスタイルに勇気づけられました。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

塗りの時短テクニックとしてぽむさんが使っている影の塗り方に注目。
パーツ毎の塗り分けが終わったら1枚の乗算レイヤーでざっくり全体の影を塗って[影レイヤー]を作成。
肌・髪・服といった主なパーツの数だけ[影レイヤー]を複製し、それぞれの塗り分けでクリッピングしてから筆やエアブラシで塗り込んでいく。レイヤー操作パネルで同じ[影レイヤー]を複製して使っているのが見てとれる。

※動画では7:21からぽむさんが影レイヤーを塗る作業を見ることができます。

ぽむさんのクリエイターズ・ストーリー

『ジャージちゃん』(2022)
©JOYNET LLC.

――ぽむさんが絵を仕事にしたいと思ったのはいつ頃ですか?
高校生の頃は絵が本業にできるとは考えていなくて、ずっと趣味で描いていこうと思っていたんですけれど、ボカロ曲のピアノアレンジをしている方から動画のサムネイルに絵を使わせて欲しいという連絡をいただいたんです。それだけで嬉しかったんですけれど、1年くらい経って動画で収益が出たので5000円送りますと言われて。初めて自分の絵でお金をもらって、こういう可能性があるんだと思って、大学に入ってからクラウドソーシングで仕事募集をするようになりました。大学は美術系ではありませんが総合科学部という変わった学部で、たまたま美術のゼミがあったので、そこに入って初めてスケッチやデッサンみたいな本格的な絵の練習もするようになりました。

――クラウドソーシングではどんなお仕事をされていたんですか?
大学1年生の夏くらいから、今の会社から依頼を受けるようになってWeb記事のカットとかを描いていました。それから1年ほどずっとクラウドソーシング経由でお仕事をもらって、2年生の頃にうちの社員になりませんかと誘われたんです。絵もぜんぜん下手で、他からは依頼もきていなかったので、こんなのでいいの?と思いましたが、ちょうどLINEスタンプが盛り上がり始めた頃で、とにかく需要があったんですね。それで在学中から会社に所属してスタンプ制作に関わるようになり、卒業とともに上京してそのまま働くようになりました。

――自分の絵で仕事をやっていけるんだという確信みたいなものを得た瞬間はあったのでしょうか?
まだ仕事でLINEスタンプを描くくらいしかできなかった頃に、自分の実力を試してみたいと思ってpixivで開催されているコンテストに片っ端から応募していたんです。「初音ミク10周年記念フィギュア企画」のイラストコンテストで大賞に選ばれたことで、ようやく自分の絵でやっていけるんじゃないかという自信が持てました。この時に初めて「フィギュアにするならどんなデザインが求められるんだろう?」みたいに相手側のことを考えて描くということを学びました。

「りゅーじ」
『先輩はおとこのこ』単行本PRイラスト(2021)
©pom/LINE Digital Frontier

――マンガはいつ頃から描き始めたんですか?
上京する少し前に、pixivで絵をみた編集さんから声をかけてもらって「まんがタイムきららMAX」(芳文社)で初めてマンガを描かせてもらったんです。夢みたいな話で嬉しかったんですけれど、なにもかも初めてのことばかりですごく大変でした(笑)。その後も表現としてのマンガに挑戦したいという思いはありましたが、マンガ家として活躍できるようになろうという気持ちにはなれなかったんです。

――そこから『先輩はおとこのこ』の連載を始めるに至ったのは、どのような経緯があったのでしょうか。
会社はやりたいと思ったことにはなんでも挑戦させてくれるので、その一環として描いた「おとこのこが後輩に告白される話」という4ページの創作マンガがTwitterですごくバズったんです。たくさんの人に見てもらえたので、これを何かにつなげられないかと思っていたところLINEマンガの編集部からwebtoonはどうですかと提案されて。それで縦スクロールの長編マンガとして再構成したものを「LINEマンガ インディーズ」でトライアル連載し始めたところ、評価をいただいて本格的に連載することになりました。

――4ページのTwitterマンガを全100話のwebtoonへと広げていくのは大変だと思いますが、最初から物語の構想はあったんですか?
最初はトライアル連載ということで16話までの物語しか考えていなかったので、本連載になるぞということで続きを考えて最後までのプロットも立てたんですけれど、ぜんぜんその通りになりませんでしたね(笑)。描いているうちにキャラクターたちがぜんぜん違う動きをしてしまって。プロットを書いては違う方向に行くのでまた書き直して……ということを10話ごとに繰り返しながら最終回にたどり着きました。でも、その思い通りにならない感じが楽しくてみんなマンガを描いているのかなとも思いました。

――『先輩はおとこのこ』は、連載を続ける中で「アニメ化してほしいマンガランキング」「次にくるマンガ大賞」など様々な賞で高い評価を得るようになりましたね。
本当に読者の力で押し上げてもらったというか、広げてもらった作品なので応援してくれた皆さんにはすごく感謝しています。イラストだけだと広く大勢の人に見てもらうのはなかなか難しいので、マンガを描くことでこんなにたくさんの人に届けられるんだと、連載を通して世界が広がったような感じがありました。

「まこと」
『先輩はおとこのこ』単行本PRイラスト(2021)
©pom/LINE Digital Frontier

――縦スクロールのwebtoonから、紙の単行本にもなっています。
今は単行本の出版が厳しいという話は耳にしていたし、縦スクロールから横開きへのコマの組み直しや、書き足しの作業もあってコスト的にも普通のマンガと違うので、単行本の話をいただいた時も実現すればラッキーくらいの気持ちでいたんです。実は『先輩はおとこのこ』の単行本化を企画してくれたのは、最初に「まんがタイムきららMAX」でマンガを描いた時に声をかけてくれた編集さんなんですよ。

――初めての連載を終えてみて、感じられたことはありますか?
2年くらいの連載でも、描こうと思ったことを描き尽くしてしまったと感じていたので、10年とか長期連載をされているマンガ家さんはすごいなあ……と。『先輩はおとこのこ』を描き始めた頃は、普段の仕事の手が空いた時にマンガを描けたらいいなくらいの覚悟でしたが、最後まで描き終えて、今はちゃんとマンガ家として活動を続けていきたいと思えるようになりました。

――これからぽむさんがやってみたいこと、挑戦したいと思っていることはありますか?
webtoonを描く時に、脳内で映像を作ってマンガにすることが多いので、PVみたいなものを作れたら楽しそうだなって。絵コンテとか監督みたいなことをやってみたいなと思っています。あと、私はダイビングをしていて海が大好きなんです。『先輩はおとこのこ』でもクジラを描きたくて無理矢理、物語に入れていたので(笑)、海の生き物や水の中を作品で描けたらいいなと。

――最近のお仕事について教えてください。
『先輩はおとこのこ』の単行本3巻が先月に発売されました。LINEマンガでの連載は完結しましたが、単行本の作業はまだまだ続いています。次回作の原稿も描き始めているので、楽しみに待っていて欲しいです。

――最後に、ぽむさんにとってペンタブレットとはどのような存在ですか?
ペンタブレットを手にして絵を描き続けていなければ全く違う人生になっていたと思うんです。デジタルを使うことで本当に楽しみながら絵を描けているので、ペンタブレットは私にとって仕事を楽しくしてくれる、一番の遊び道具みたいな存在です。

取材日:2022年8月15日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

ぽむ
マンガ家/イラストレーター。大学在学中より合同会社ジョイネットの所属イラストレーターとして数多くのLINEスタンプの制作を手掛ける。2017年『しのびます!』(芳文社/「まんがタイムきららMAX」11月号掲載)で初めてマンガを手がける。2019年7月にSNSで話題になったショートマンガ「おとこのこが後輩に告白される話」を元にしたwebtoon『先輩はおとこのこ』をLINEマンガで連載、同作は「次にくるマンガ大賞2021」WEBマンガ部門3位、「アニメ化してほしいマンガランキング」1位に選出されるなど数多くの読者の支持を得て、一迅社より単行本化されている。

twitter:@pomujoynet1
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