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イラストテクニック第44回/卯花つかさ

第44回は、卯花つかささんの登場です!
PhotoshopCS4を使ったイラスト作成過程を紹介します。

卯花つかさ

漫画家、イラストレーター。
代表作に、「天秤は花と遊ぶ」全2巻(芳文社)、「D.C.II Imaginary Future」全5巻(アスキー・メディアワークス)など。

ウェブサイト

http://unotsuka.hacca.jp/

各項目のサムネイルをクリックすると、制作画面のスクリーンショットか、拡大画像を見ることができます。

1:下書き

紙に鉛筆で下書きします。
だいたいのアタリを水色で描き、黒で主線の元になる線を描きます。

2:線画をスキャンする

下書きをペンでトレースし、スキャナーの解像度350dpiで取り込みます。
スキャンした画像を、[レベル補整]で明るさを整え、[選択範囲][色域指定]で白い部分をクリックします。
するとゴミが見えやすくなるので[なげなわツール]で囲んで、Deleteキーでゴミを取ります。

ゴミ取りが終わったら、チャンネルタブのグレーのチャンネルをCtrlを押しながらクリックし、[選択範囲][選択範囲を反転]します。
すると、線の部分だけが選択されるので、線画用の新規レイヤーを作成して、黒で塗りつぶします。
これで、線画レイヤーのできあがりです。

3:パーツごとにレイヤーを分ける

線画レイヤーの下に新規レイヤーを作り、[自動選択ツール]で選択→[選択範囲を拡張(1px)][塗りつぶし]を繰り返して、パーツごとにレイヤーを分けていきます。
塗り残しがわかりやすいように、一番下のレイヤーは暗めのグレーで塗りつぶし、パーツごとの塗り分けも鮮やかな色を使います。

4:パーツごとに下塗り

[透明ピクセルをロック]にチェックを入れ、改めてそれぞれのパーツにイメージにあった色で塗りつぶしていきます。

5:肌の彩色

まずは肌から塗っていきます。
ふんわりと大きめのブラシで影を置いたあと、小さめのブラシで髪や眉、鼻の部分などに濃いめに細かい影を入れます。
仕上げに、頬にふんわりと赤みをいれます。

6:髪の彩色

髪を塗っていきます。
まず全体に大きめのブラシでふんわりと影を置いてから、すじ状に濃い影を入れていきます。
CS4の機能、[回転ビュー]ツールを使い、画面を回転させて、描きやすい角度で描きます。(図1)

※この回転ビューツールは、Intuos4のタッチホイールに割り当てることも可能です。
タッチホイールについて詳しくはこちらをご覧下さい

透明感を出しやすいように、不透明度調整を筆圧でできるように設定したブラシツールを使っています。
特に細くとがった部分の髪は[パス]ツールを使って描いています。(図2)

7:髪の彩色-2

さらに濃い影を入れたら、
線画レイヤーの上に新規レイヤーを作成し、髪のベースより明るい色を使い、細い線でハイライトを描き足します。
これで髪パーツの完成です。

8:目の彩色

目を塗ります。
まず薄い影を入れ、濃い影を重ねていきます。
最後に白でハイライトを入れ、[覆い焼きツール]で下からの反射を入れて完成です。
同時に白目部分もこの段階で塗りました。

9:他のパーツの彩色

肌や髪と同じように、薄い影から濃い影を重ねていく、という工程で他のパーツも塗っていきます。
ここで洋服や、手袋などの小物を彩色しました。

10:模様を入れる

マフラーと、コートの裏地に模様を入れます。
マフラーは、ベースの彩色をしたレイヤーの上に新規レイヤーを作成し、筆圧感知なしのブラシで直接描きました。
コート裏地のドットは、選択範囲を作り、トーン素材をバケツツールで流し込んでいます。
これで、人物の彩色がほぼ完成しました。

11:主線の色を変える

主線の色を、周囲の色となじむ色に変えます。
線画レイヤーを[透明ピクセルをロック]にチェックを入れ、髪のあたりは青みがかった色、マフラーや手袋のあたりは赤系…という風に周囲の色に合わせて線画の色を変えていきます。

12:仕上げ~完成!

全体のバランスを見て色味を調整し、寒さを演出するために、口のあたりに白い息を描き足しました。
最後に背景を入れ、完成です!

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