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「モッタイナイ」の次なるアイデアで、世界に「HENKA」を起こしたい

アプリやプロダクトなど、幅広い分野のデザインで活躍するHENKAの宇田川直哉。彼が「CREATIVE HACK AWARD 2013」に応募したのは、グラフィックでもムーヴィーでもなく、ある「アイデア」だった。準グランプリに輝いたそのアイデアが生まれた背景を知るべく、宇田川が働くHENKAのオフィスを訪れた。

TEXT BY WIRED.jp_I
PHOTOGRAPHS BY KOZO KANEDA

インタビュー/宇田川直哉
宇田川直哉|NAOYA UDAGAWA
株式会社HENKA代表取締役 / デザインディレクター。東洋美術学校プロダクトデザイン科を卒業後、日本IBMにてマルチメディアデザイン、アドバンスデザインに従事。のちにアクシスのプロダクトデザイングループにてGUIや電子機器の製品開発に携わる。その後アメリカのポートランドに本部をもつziba tokyoにてクリエイティヴディレクターとしてインタラクションデザイン/コンセプトディベロップメント/ワークショッププランニングなどを担当。また、スマートフォン開発やアプリ、サービスのUX/UI開発に従事。クリエイティヴとデザインとビジネスの融合を目指し、2013年8月にHENKAを設立。

──デザインに興味をもったのは、いつからですか?

4年制のデザイン専門学校に行ってからですね。高校3年になるとまわりが進路のことを考えはじめるじゃないですか。でも、ぼくは何も考えていなくて、焦っていました。そんな時に、たまたま家に遊びにきた友人が、大量の学校資料を家に忘れていったんです。そのなかのパンフレットのひとつに「自分で椅子をつくってみませんか」というコピーの資料が目にとまったんです。

元々、プラモデルをつくるのが好きだったので「こんな世界があるんだ!」と思い、ぼくの気持ちに火がついたというか……。友達がパンフレットを忘れていなったら、専門学校にも進むことも、この職業にもついていなかったでしょうね。

──では、デザインが面白いと思うようになったのは入学してからですか?

1、2年生の時は先生に「デザイナー辞めろ」とか「向いてない」なんて言われてましたが、信号のデザインなどをしている秋田道夫先生に巡りあい、褒めてもらえるようになったんです。それからちょっと楽しいかもと思うようになりましたね。あともうひとつは、コンピューターを使いだしたことでしょうか。

──PCが得意だったのですか?

学校に入るまでは触ったことありませんでした。ぼくはデザインをはじめたのが遅く、手書きのスキルが無くて。PCだと3Dでも平面でもキレイにできますよね。それで触っていくうちに使えるようになりました。

──そのスキルをもって会社に就職された訳ですね。

IBMでは、ThinkPadが10周年を迎える際のプロダクトに携わったり、先行開発や商品開発を行っていました。感性メールといって、感情がより伝わるようなメールシステムの開発のグラフィックをつくったりもしました。メールに書いてある文字や、タイピングのスピードをとって、そのメールがどんな感情で書かれているか読み取るのです。その画面や背景を自動的にマッチングして送ったり出来るシステムがあったんです。

その後は、アクシスという会社のプロダクトデザインの部署で、デジカメの液晶画面の中のデザインなどをやっていました。アクシスを退職した後は、アメリカ・ポートランドを本拠地とするデザインコンサルタント会社、ziba tokyoの東京オフィス立ち上げに参加し、ストラテジックデザインやディレクターをつとめました。そして、現在の会社「HENKA」の起業に至ります。クリエイティヴに関わるコンサルタントや制作などをおこなっています。

──どういった思いで起業を?

「変化」のきっかけになるアイデアを生み出す会社でありたいと思っています。変化を遂げる時代のなかで、変化を生み出したいんです。例えば、キティちゃん。普通、キャラクターは、キャラクター自身を売らなければならないのに、ハローキティは観光地をはじめとする8,000以上ものコラボレーションによって商品化され、知名度も人気も上げていますよね。それも「変化」です。Facebookも、もともとは「あの子に彼氏がいるか知りたい」なんていう思いからアイデアが生まれました。「でもそれって本当に知れたら面白いよね」っていうちょっとした「変化」からここまで大きくなってきたわけですよね。ぼくたちも、そういう変化をつくる手伝いをしたいと思っているんです。

インタビュー/宇田川直哉
準グランプリを受賞した「DOUZO DOUMO」。

──HENKAではどんなお仕事をされているんですか?

主にコンセプトを考える仕事をしています。メーカーの各種デザインをはじめとして製品やサーヴィスの開発、社内コミュニケーションのデザインなど、事業戦略のようなことからピクセル単位の絵づくりまでさまざまです。ヴェンチャー企業のアプリ開発なんかもしています。

「HENKA」では、「いまを知る(Know Now.)」「問題をつくる(Create Challenge.)」「勇気をもつ(Brave Stupid.)」の3つを大切にしているんです。

──具体的にどんなことでしょう?

まず、「いまを知る」についてですが、ぼくたちの仕事はクライアントビジネスなので、クライアントの企業風土はチャレンジャブルなのか、停滞しているのか、なんてことを加味しつつ、顧客の企業のマインドを知ることからスタートし、企業の課題や問題を把握していきます。

そして、「問題をつくる」。例えば、会社の経営が思わしくない時に、社長が悪いのか、そのほかの環境が悪いのかによってアプローチの仕方は変わってきますよね。何を問題と定義するかによってプロジェクトやプロセスの内容は大きく変わります。それだけではありません。課題が解決したときに、どう世界が変わっているかいうことを共有することも問題のひとつです。これをやれば1億儲かる、こっちだと10億儲かるというプランがあったとします。もちろん10億儲かる方がいいですよね。でもぼくたちが目指しているのは、「これをやったら世界はさらさらになるよね」とか、「ピカピカになるよね」っていうことなんです。さらさらとピカピカどちらがいいか分からないですよね? でも、どちらを目指すかの話し合いはできます。そういう問題も大事にしたいと思っています。

最後に「勇気をもつ」。これは、馬鹿になりましょうということです。ただ馬鹿になるのではなく、笑いの足りない場所に、馬鹿になる場を提供したいのです。真剣に何かをつくったり、話し合っていると、頭がかたくなりがちです。でも、どんな人でも家に帰れば家族とくつろいだり、テレビを見てゲラゲラ笑ったりしますよね。そういう感覚を、打ち合わせはもちろんプロジェクトにも取り入れていきたいと思っています。

──最近おもしろかったお仕事はありますか?

製品の制作もやりますが、クリエイティヴリサーチをやることもあるんです。この前は、日本とBRICsのブラジルを除いた国での「好まれない」デザインを知りたいというリクエストがありました。好まれるデザインだったら分かりやすいのですが…難しいですよね。インドやロシアの方に直接会ってリサーチして、テンプレートをつくりました。そのほかにも、これからの銀行についてや、20XX年のウェアラブルについてなどコンセプトデザインのようなことも手がけています。こういった未来を見据えた仕事も楽しんでやっています。

──たくさんのお仕事をされているなかで、「CREATIVE HACK AWARD 2013」に応募したきっかけは?

代官山蔦屋書店に行ったときに、たまたまフライヤーが目に入ったので持って帰ってきたんです。

アワードに応募することはほとんど無いのですが、フライヤーのデザインがきれいだったのと、会社をたちあげたばかりだったので、テーマのなかに「ビジネス」という言葉が入っていたのも、ひっかかった言葉のひとつですね。

実は、仕事が忙しくて一度あきらめかけたんですよ。テーマが分かりづらくて……。でも締め切りが1週間延びましたよね? それで、応募が少なかったのかな、なんて邪推して、なんとか締め切りに間に合わせることができました。

インタビュー/宇田川直哉
デスクに置かれたCintiq 24HDで、すらすらと絵を描く宇田川。

──グラフィックやムーヴィーなどの作品ではなく、なぜアイデアで勝負しようと思ったんですか?

単純に絵をつくる時間がなかったのもありますが、本音を言うと「何で勝負するか」が難しいアワードだと感じました。

「日本」「リビルト」という言葉から、海外に日本を売り出していく、そんなアワードにしたいのだろうなぁと思ったのです。それならば、海外で受け入れられている日本の価値をいれるといいのかなと解釈しました。そして、「モッタイナイ」の次にくる言葉をつくりたいと考え、そこから「DOUZO DOUMO」が生まれました。

──受賞して、周りの反応はどうでしたか?

会社の社員が、天丼おごってくれました(笑)。あとは、WIREDのFacebookの投稿を見て、ひさしぶりに連絡をくれた人もいましたよ。

──授賞式はいかがでした?

いまだから言えるのですが、応募の時に審査員の方々を気にしていなかったので、授賞式の前に調べてびっくりしました。当日は、和やかな雰囲気でしたし、みなさんすごくいろんなことを考えながら作品をつくっていることを知ることが出来て刺激になりました。

──デスクに副賞のCintiq 24HDを設置していただいていますが、もともとペンタブレットは使用していらっしゃったのでしょうか?

使っていませんでした。でも、いまでは、とても重宝しています。というのも、アイデアをホワイトボードにしょっちゅう書くんですよ。ちょっとした提案書つくる時にも、ちょっとここに絵が欲しいなってときにパパっと書いたり。あってよかったな、と思う時がよくあります。

──オフィスの壁1面、ホワイトボードですが、会議や何かを考えるときに、絵やメモをされるのですか?

そうなんです。1時間の打ち合わせで壁が真っ黒になるくらい色々書きます。なので、それが手元で出来るようになって、どこでも書いたり考えたりできるので助かっています。

絵を描きながらの方が、喋っていることが伝わるんです。なので、ホワイトボードに代わる意思疎通のツールとしてCintiq 24HDを使っています。これに書けば、データとして資料にも使えますしね。

──最後になりますが、全体を通して「CREATIVE HACK AWARD 2013」に参加してみていかがでしたか?

審査員の皆さんが、日本の新しいかたちのアワードにしていきたいという熱い思いでやられていて、感銘を受けました。その1回目に受賞させてもらい光栄です。HENKAも「CREATIVE HACK AWARD」と同じく、クリエイティヴとデザインとビジネスの融合という新しい試みに対してドンドン失敗しながらも"ポジティヴクリエイティヴカンパニー"として一緒に発展していきたいと思います。

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