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イラストレーター/アニメーター
米山舞

アニメ『キズナイーバー』のキャラクターデザインや「レーシングミク 2016ver.」、エヴァンゲリオン公式ファッションブランド『RADIO EVA』等のイラストを手掛け、現在はクリエイターチーム「SSS by applibot」のメンバーとして活躍するイラストレーター/アニメーター米山舞さんによる「Wacom Cintiq Pro 24」を使ったライブペインティングを公開!(2019年10月21日撮影)

Drawing with Wacom 101/ 米山舞 インタビュー

米山舞さんのペンタブレット・ヒストリー

「EVANGELION Millennials RADIO EVA 10th Anniversary」
表紙イラスト(2019 /ポプラ社刊)
©カラー

――米山さんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃からですか?
小学校3年生の頃から父親のPCを使って、マウスとMicrosoft Paintで絵を描くみたいなことはしていましたが、中学生になってインターネットで絵描きさんのWebサイトや、お絵描き掲示板なんかを見ている内に、上手い人はどうやらペンタブレットというものを使っているらしいと知って、Intuos(i-400)を買ってもらったんです。当時は上手い人の集まるお絵描き掲示板に描きに行く勇気はなくて、「お絵描き共和国」とか「しぃペイントチャット」に描いてはすぐ消すみたいな感じでした。

――液晶ペンタブレットを使われるようになったのは。
高校生になってからは、自分でバイトをしたお金で新しいペンタブレットを買うようになったので、手が届きやすいFAVOシリーズなどを使ったりしていましたが、アニメーターを目指して専門学校に入学してからは紙での作業がメインだったので、デジタルのイラストからはほとんど離れていたんです。2009年にアニメーターになってしばらくしてからCintiq 13HDを買って、本格的に使うようになったので実用化したのはここ3、4年ですね。

――液晶ペンタブレットを使う様になって、作業に変化はありましたか?
液晶ペンタブレットにはすぐ慣れることができました。紙に描いている感覚に近くて、直接線に触れられるのでより能動的に絵を描くことができるんです。私は「ストローク命」みたいな感じで線を重視するタイプなので、筆圧のコントロールのしやすさとか、液晶ペンタブレットが向いていた感じがありますね。

Eve『レーゾンデートル』ジャケットイラスト(2019)
©TOY'S FACTORY INC.

――現在の作業環境はどのような構成か教えてください。
Cintiq 13HDの後にWacom Cintiq Pro16を経て、今は自宅ではiMacにWacom Cintiq Pro 24を繋いで、スタジオではCintiq 27QHDを支給されて使っています。作画ツールは、イラストはCLIP STUDIO PAINTとAdobe Photoshop CCで、アニメ作業の時はCLIP STUDIO PAINTを使っています。ペンはデフォルトのWacom Pro Pen 2とクラシックペンの2本を標準芯で使っていますが、ペンが細い方が手にかかる負担が少ない様な気がします。

――今回はWacom Cintiq Pro 24とWacom Pro Pen slimの組み合わせで描いていただきましたが、描き心地はいかがでしたか?
Wacom Pro Pen slimは手に重さがかからない分、力を入れなくても筆圧を上手くコントロールできる感じがします。いつもは拡大縮小しながら描くような部分でも引いたままでススっと描けました。ペンを持つ手にかける力が小さいほうが楽に作業できるので、描く絵も変わってくると思います。Wacom Cintiq Pro 24で格段によくなったのは描画面の感触ですね。Wacom Cintiq Pro 16にはペーパーライクフィルムを貼っていますが、24はそのままでも絶妙なサラサラ感ですごくいいです!

米 山 舞 さ ん の 作 業 環 境

iMac(27インチ)にWacom Cintiq Pro 24を接続、iMacの画面には作画資料などを写して使っている。ペンはWacom Pro Pen 2とクラシックペンの2本。
以前メインで使っていたWacom Cintiq Pro 16は持ち運んで使う様に所持。
所属するSSS by applibotのオフィスではCintiq 27QHDを支給されて使っている。

米山舞さんのクリエイティブ・スタイル

――米山さんがイラストを描く時のワークフローを教えてください。
描きたいテーマに合わせて構図を考えながらCLIP STUDIO PAINTで10種類くらいのラフを描いていきます。その中から消去法で一番伝わりやすい構図を選んで、下描きで要素を削ぎ落してからペン入れして線をクリンナップする感じです。そこから塗り分け、影つけ、エアブラシなどの特効(特殊効果)を乗せてから、Adobe Photoshopでカメラレンズを通した様なぼかしや光の演出などを加える、アニメでいうところの撮影処理みたいな流れですね。この階で最終的な色味も決めてしまいます。時間があるときはさらにアニメのTP修正(トレスペイント修正)のような感じで絵の上からタッチをつけたり、狙いと違う線を変形ツールで修正したり、手前に物を増やしたりすることもあります。

「everlasting -flower-」プライベートワーク(2018)
©米山舞

――米山さんの作品はアニメの撮影的な処理ですごく奥行き感が演出されているのを感じます。
もともとカメラが好きで、単焦点レンズで撮った写真の雰囲気は絵にも使えるなと。やりたいことは視線誘導なので、自分はレイアウトに加えてぼかしを使って視線誘導している様な感じですね。アニメーションをやっていたからだと思うんですけれど、シチュエーションの前後があるような絵を描くのが好きなんです。そのためにAdobe Photoshopで躍動感をつけたり、光の表現で情緒的な画面効果をつけたりするのは、新海誠監督をはじめデジタルで絵作りをするアニメーションの影響を受けているのかなと。

――今回描かれたイラストのコンセプトを教えてください。
カラフルな絵を描こうと思っていたのと、光を使いたかったので影と反射の表現を入れようと思いました。透明素材を描くのが好きなので、ビニールみたいな透明のコートとバラバラになった傘を描いています。ちょっと抽象的な絵にしようと思ったので、あまり物をちゃんと描くことはしていませんね。今度やる個展のテーマが「逆境」なので、降りかかる火の粉みたいなもののメタファーを別の物を使って表現できないかと思いました。

――米山さんの塗りはすごく艶があるというか、リッチな感じがします。
結城信輝さんとか、荒木伸吾さん、杉野昭夫さんの様な方々のアニメを見て育ったので(笑)。『美少女戦士セーラームーン』の伊藤郁子さんとかも、セル画の線の感じがすごく好きで、線のまわりが光って見えるんですよ。髪の毛をすごく細かく描いたりとか、2号影を入れたりとか、OVA(オリジナルビデオアニメ)的なゴージャスな画面の絵を新しいバランスでやりたいと思っているところはありますね。

――ルック(画面の見栄え)としては80~90年代OVAのセル画の雰囲気をただ模倣するのではなく、今の時代の新しい絵だなという印象です。
アニメーターを始める前から、ペンタブレットを使って色々なソフトウェアに触れていたことが大きいと思います。キム・ヒョンテさんに憧れてPainterを使ってみたり、90年代末からのデジタル絵の進化の歴史を浴びるように見てきたので。アニメ塗り、厚塗り……と色々な手法を取捨選択しながら描いてきて、今も自分なりのやり方を追求する途中にいるという感覚ですね。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

米山さんはAdobe After Effectsで行うアニメーションの撮影工程の様に、Adobe Photoshopで画面のルックを仕上げている。
今回のイラストでは、キャラクターのレイヤーをRGBのチャンネル毎に複製して、少しずつずらしてスクリーンで合成する「RGBずらし」という手法でカメラレンズの色収差を表現。キャラクターの手前にぼかしフィルタ(ガウス、移動)をかけた物を置いたり、虹彩ぼかしフィルタで全体の被写界深度を浅く見せることで平面のイラストに現実のカメラで撮影したような空間の奥行き感を与えている。
※動画では15:10あたりから米山さんがAdobe Photoshopでルックを仕上げる作業を見ることができます。

米山舞さんのクリエイターズ・ストーリー

『キズナイーバー』第2弾キービジュアル
©TRIGGER・岡田麿里/キズナイーバー製作委員会

――米山さんが絵を仕事にしようと思われた経緯は?
小学生の頃からマンガ家やイラストレーターになりたいと文集に書いていたのですが、現実味を帯びてきたのは高校生の頃に『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995)とか『AKIRA』(1988)を観て。当時はちょっとした作画ブームで、『NARUTO』(2002~2007)の松本憲生さんとか、『ノエイン もうひとりの君へ』(2006)でりょーちもさんが暴れているみたいな感じで。私は元々は作画監督の絵が好きなタイプだったんですけれど動きもかっこいいなと思う様になって、専門学校にいけばアニメーターになれるのかなくらいの軽い気持ちで上京して東京デザイナー学院のアニメーション科に入りました。

――卒業後はアニメーターとしてガイナックスに籍を置かれますね。
2009年にガイナックスに入社して、動画、原画を経て作画監督になるくらいの頃に、スタジオを立ち上げたばかりのトリガーに誘われて、『キルラキル』(2013)の作画監督や『キズナイーバー』(2016)のキャラクターデザイン等をしました。

――現在はアニメーターからイラストレーターの方にお仕事の軸足を移されていますが、何かきっかけがあったのでしょうか。
アニメのキャラクターデザインを担当できたことも大きかったんですけれど、30歳を目前にして、自分の絵で勝負してみたいと思うようになったんです。大きなきっかけになったのはコヤマシゲトさんの勧めで「レーシングミク 2016ver.」のイラストを描いたことですね。その時にイラストレーターの仕事の仕方を学ばせてもらいました。

――アニメの仕事とイラストの仕事では、絵を描かれる時のスタンスや作品への関わり方は違っていますか?
イラストレーターとして仕事を始めたことで、私のアニメへの関わり方も少し変化しました。以前は作画監督なら作画監督のやるべき作業に徹することで作品のクオリティを高めることに寄与していたんですけれど、最近手掛けたMVのアニメでは作画監督以外にもキャラクターデザインをしたり色彩設計をしたりイメージボードを描いたりと、枠を越えた関わり方をしているんです。やれることが増えた分、画面をコントロールできたり、色々なセクションの人と関われるのが面白くて、もっと広い世界で、見たことのない画面を作ってみたいという興味が出てきました。

『レーシングミク 2016ver.』イラスト
©米山舞 / Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
directed by コヤマシゲト

――最近では、クリエイターチーム「SSS by applibot」のメンバーとして活動を始めたことが話題となっていますが、どのようなチームなのでしょうか。
昨年に株式会社アプリボットさんから新しい「コンセプトを作るスタジオ」の立ち上げに加わらないかと声をかけられたのですが、私以外のメンバーが元々ファンとしてWebサイトを見ていたTOKIYAさん、PALOWさんなどという人選でドンピシャだったんです。憧れの人たちと席を並べられるなら! と参加を決めました。参加して1年少し経ちましたけれど、最初の頃はお互いの言葉を理解するのが難しくて、試行錯誤の連続でしたね。クリエイターの自主性をすごく大切にしてくれる一方で、スタジオとしての目標や勝利条件みたいなものは用意されていなかったので、それをみんなで決めるまでに半年くらいかかりました。

――実際にチームとして活動を初めてみていかがですか。
メンバーの相性はすごくいいなと思います。後から参加してきたBUNBUNさん、タイキさんも含めてみんな得たいものや出来ることが分かれているんです。それは一見、バラバラにも見えますけれど、それぞれの強みを組み合わせでよりよいものを作ることができればいいんですよね。ちょっと抽象的ですけれど、全員が違う方向を向いて仕事をしていても強く見えるチームにする、というのが目標です。

――普段はどのような形で集まってお仕事をされているんですか?
週3または週4でスタジオに出社して、だいたいみんなが集まる時はマネージャーが持ってきた案件に対してどう動くべきかを話し合ったり、メンバーの誰かが担当した作業に率直なダメ出しをしたり、誉めあったりすることが多いです(笑)。どんな案件でもその分野のスペシャリストがいるので、任せたり教わったりしながらこなしています。

米山舞個展『SHE』描き下ろし(2019)
©米山舞

――現在はどの様な案件に関わっているのでしょうか。
まだ発表できないものばかりですけれど、広告から映像、ゲームまでジャンルはかなり広いですね。その他にもBUNBUNさんがキャラクターデザインをしている『セブンスコード』という音楽ゲームをアプリボット社内で開発しているので、私もアートのルックを決めたり、ディレクターとして背景を描いたりしています。

――12月には米山さんにとっても初めての個展が開催されますね。
個展のタイトルは「SHE」で、自分自身や絵の中の主人公、つまり「彼女(彼)」が逆境に立ち向かうイメージなんです。なかなかない機会なので、コンセプトに合わせて沢山描き下ろしをしようと思って頑張っているところなので、ぜひ楽しみにしていて下さい。

――最後に、米山舞さんにとってペンタブレットとはどのような存在か教えてください。
「自分を飛躍させてくれる道具」です。ワコムのペンタブレットを使ってデジタルでイラストを描くまでは世間に認知されていなかったので、自分自身の表現ができずにいました。Cintiqを使い始めたことを含めて、色々な条件がかみ合って今のスタイルがあるので、私にとって無くてはならない要素の一つかなと思っています。

取材日:2019年10月21日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

米山舞
イラストレーター/アニメーター。クリエイターチーム「SSS by applipod」メンバー。東京デザイナー学院アニメーション科を卒業後、アニメ制作会社ガイナックスで『パンティ&ストッキング with ガーターベルト』(2010)、『放課後のプレアデス』(2015)等、数々の作品で原画を担当する。2009年、『キルラキル』(2013)『プロメア』(2019)等の作品で知られる制作会社トリガーに初期メンバーとして合流、『キズナイーバー』のキャラクターデザインや『ダーリンインザフランキス』(2018)のED演出等を手掛けた。近作としてアーティストEveのMVアニメ『レーゾンデートル』が公開中。イラストレーターとしては『レーシングミク 2016ver.』、エヴァンゲリオン公式ファッションブランド『RADIO EVA』等での活躍で注目を集め、2019年12月6日より東京・表参道のpixiv WAEN GALLERYにて初の個展「SHE」を開催する。

twitter:@yonema
tumblr:yoneyamai.work
米山舞個展「SHE」特設サイト

Wacom Pro Pen 2による高精度な描き心地と、4K表示対応、最大Adobe RGBカバー率99%の広色域ディスプレイで使用可能な液晶ペンタブレットです。

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