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キャラクターデザイナー
齋藤将嗣

ゲーム『ゼノブレイド2』、アニメ『楽園追放』『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』など数々の作品でデザインワークを手掛ける人気キャラクターデザイナー齋藤将嗣さんによる「Wacom Cintiq Pro 24」を使ったライブペインティングを公開!(2019年1月21日撮影)

Drawing with Wacom 092 / 齋藤将嗣 インタビュー

齋藤将嗣さんのペンタブレット・ヒストリー

『楽園追放 Expelled from Paradise 齋藤将嗣デザインワークス』表紙イラスト
©東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサイエティ
©TOEI ANIMATION, Nitroplus / EFP Society

――齋藤さんがデジタルで絵を描き始めたのは?
大学生の頃はずっとアナログで描いていましたが、ゲーム会社に就職して、デジタルでデザインするのがあたりまえの環境になったので、必然的にデジタル化せざるをえ なくなったんです。それでIntuos3のMサイズを買って使い始めたら楽しくなってきて、当時は「しぃペインター」とかお絵描きチャットが流行っていたので、僕も「タカミンお絵描きチャット」でひっそりと描きながら、pixivに絵をアップしたりしていましたね。

――液晶ペンタブレットを使うようになったのはいつ頃ですか?
ずっと使っていたIntuos3からIntuos Proに買い替えて、2014年くらいまでは板のペンタブレットを使っていましたが、友人がCintiq 13HDを買ったのを見て、すごくいいなと思って。僕と同じフリーでやっているデザイナーさんから、持ち運びのしやすさを薦められたこともあって、2015年くらいからCintiq 13HDを使い始めました。デジタルなのにアナログ的な描き方ができるので、最初は不思議な感じがしましたが、すぐに慣れましたね。

――現在お仕事に使われている作画環境について教えてください。
アニメ制作スタジオやゲーム会社をいったりきたりしながら仕事をすることが多いので、自宅用と持ち出し用にCintiq 13HDを2台持っていて、PCは、自宅ではデスクトップのiMacを、持ち運び用にMacBookProを使っています。ツールはCLIP STUDIO PAINT EXとPhotoshopCCで、作画資料などはiMacやMacBookProの画面に表示して描いています。色はCintiq 13HDとiMacのディスプレイでなんとなく合わせてはいますが、クライアントの環境によっても差があるのでそこまで気にしていません。印刷するようなものは最終的に色校で合わせられるので、自分の目を信じて描くしかないかなと思っています。

齋 藤 将 嗣 さ ん の 作 業 環 境

メインの作画環境はiMac (Retina 5K, 27-inch,Late 2014)にCintiq 13HDを繋いで使っている。外での作業用にMacBook Pro (Retina, 13-inch, Early 2015)ともう1台のCintiq 13HDを導入、プロジェクトが終わるまでクライアント先に置いたままにすることも少なくないとか。

――今回、Wacom Cintiq Pro 24を使われてみた感想はいかがですか。
Wacom Cintiq Pro 24は最高ですね。大画面で隅々までクリアに見えるので、限りなくアナログで描いている感覚に近いです。小さいほうが携帯性はいいぶん、描いていて疲れやすいのですが、これくらい画面が大きいと仕事に集中できて疲れにくいので、描くことに没頭できます。Cintiq 13HDを使っている時には、キャンバスを拡大してみると線が狙ったところからズレていたりすることがありますが、Wacom Cintiq Pro 24の4Kディスプレイは拡大しなくても細部までしっかり見えるのに加えて、Wacom Pro Pen2の精度も高く、狙ったところにピタっと線を描くことができました。

齋藤将嗣さんのクリエイティブ・スタイル

CeVIO Creative Studio「さとうささら」パッケージ用イラスト
©CeVIO

――齋藤さんの作画工程はどのようなワークフローですか。
イラストの場合、キャラクターや背景の設定があればそれを加味してアイデアを出します。キャンバスの中に小さく枠を作って構図やポージングを描いて一人でコンペをする感じですね。選んだアイデアを大ラフにして、線を整えたラフの状態で1度、クライアントに確認してもらい、OKが出たら線をクリンナップして下描きにします。ペン入れと塗り分けのレイヤー作成までをCLIP STUDIO PAINTで、塗りと仕上げはPhotoshopで行っています。

――線を描くのに使われているブラシはどのようなものですか。
線画に使うのは[粗い鉛筆]にお気に入りのテクスチャーを加えたブラシです。以前はもっとシュッとした鋭い線で描いていましたが、いわゆる典型的な「美少女絵の描き方」みたいな描き方に違和感があって、もっと大雑把に描いても力の入れどころを特化すれば、ちゃんと力のあるイラストが描けるんじゃないかという試行錯誤の結果、鉛筆の線でペン入れもするようになりました。最近の若いイラストレーターさんの絵は、よく見るとブラシのタッチそのものは粗いのに、完成したイラストはちゃんと情報量があって、かっこよく雰囲気も出しているんですよね。そういうデジタルデジタルさせない描き方が今のトレンドだと思うので、僕なりに別のやり方を見つけられたらいいなと。

――塗りはCLIP STUDIO PAINTではなく、Photoshopで行っているんですね。
CLIP STUDIO PAINT上でだいたいの色で塗り分けたレイヤーを、Photoshopで色調補正して、その上にフラットな円ブラシで色を重ねていったのを、柔らかめの消しゴムで削ることで陰影をつける感じですね。塗りは、くどくなりすぎないように力の抜き具合が難しいです。瞳の中の透明感を出すための映り込みとかでオーバーレイを使ったりはしますが、そんなに特殊なことはやっていません。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

キャラクターの着ているカーディガンや靴下に、ブラシでニット素材の「リブ」(糸の編み方によって現れる縦方向のライン)が描き込んであり、細かい質感の違いを表現している。齋藤さんによれば「素材のテクスチャーは遠目にはわかりませんが、これがあるとないとでは絵の質感が全然違ってくるんです」とのこと。
(動画では17:30あたりから齋藤さんがセーターにリブを描き込む工程を見ることができます)

――今回描いていただいた絵では、キャラクターの衣装にもニット部分のリブを描き加えて素材感を出しています。
テクスチャーはここ数年、頑張ろうと考えている部分です。入れることによって、二次元のキャラクターが少し三次元のリアルさに寄ってきて、記号的な可愛さとは違う、生っぽい感じの可愛さが出るのが面白いなと。フォトリアルまでいかないところで、上手いことキャラと写実的な表現を融合させようとしているのが現在のキャラクターイラストだと感じています。最近はファッション的にもお洒落な絵を描くイラストレーターさんが多く、刺激を受けていますが、アニメやゲームの中では描くのが難しい服の構造や質感まで表現できる、そういう所で一枚絵の力が発揮されますね。

『楽園追放 Expelled from Paradise』ポスター用イラスト
©東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサイエティ
©TOEI ANIMATION, Nitroplus / EFP Society

――齋藤さんはこれまでアニメやゲームで3DCGで描かれる作品のキャラクターデザインを手がけています。2Dのデザインをする時との違いはありますか?
3Dの方が盛れる情報量が圧倒的に多い反面、コストもかかるので1回しか登場しないキャラクターとかは3Dで作れなかったりします。また、ひらひらするパーツや干渉するパーツをなるべく避けるといった制限もあって、肩にかかるデザインのマントはダメみたいなこともありました。よく体にフィットした衣装デザインをしているのはそういう理由ですね。もともとアニメやゲームのキャラクターはシルエットで見せるデザインが多く、3Dが苦手とする「ひらひらするパーツ」は遠目にシルエットの違いをわかりやすくする有効な手段でもあったので、3Dのキャラクターの場合、動かすのは「マフラーだけ」「髪の毛だけ」みたいに1点突破でデザインするのがセオリーになっています。

――動くキャラクターにテクスチャーを加えたり、技術的に可能なことは増える一方で、そういう葛藤も抱えながらデザインしているんですね。
3DCGなら何でもできるというイメージですけれど、意外と制限は多いんです。ただ、僕はキャラクターデザインをする場合、「これは絶対できないだろうな」と思っても、あえて一回出してみるようにしています。「これ挑戦してみようよ!」となることもありますし、ダメだといってやらなければ新しいものは何も生まれないので。

齋藤将嗣さんのクリエイターズ・ストーリー

『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』デザイン設定画
©2016「CYBORG009」製作委員会

――齋藤さんが絵を仕事にしたいと思ったのはいつ頃ですか?
高校生の時にアニメにはまり、アニメーターになりたいと思って担任の先生に相談したら、なぜか教頭先生から専門学校より美術系の大学に行けと言われて、美術予備校に紹介状を書いてくれたんです。そこの居心地が良くて2浪しちゃったんですけれど(笑)、成安造形大学に進んで、油絵をやっていました。その頃の僕は、2浪して勉強したぶんデッサン力もあると勘違いして、「観ないでも描ける」のが凄いと思っていたんです。ある時、別の学科の特別講師で西村キヌさんが来るというのを聞いて、僕も受講させてくださいと頼んで講義を受けることができたのですが、キヌ先生にポートフォリオを見ていただいたところ、「あなた観て描いてないでしょ」と指摘されて(笑)。その日から毎日4~5時間、一からデッサンを勉強するつもりで、見ながらスケッチすることを卒業まで続けました。大学時代は今もお互い切磋琢磨しあう親友とも出会えたので、大きな転機でしたね。

――卒業後はアニメーターではなく、ゲーム会社に就職されたのはなぜですか。
就職活動を始める時になって色々調べていたら、すごく給料が安いと知って(笑)。いつかアニメーターになるとして、まずは勉強のためにゲーム会社を受けてみようとエントリーしたところ、内定を頂けたんです。親もゲーム会社に行っておけと言うし、2浪して迷惑もかけていたので、最初に内定が出たセガに就職して、ゲームに登場するオブジェクトのモデリングなどをしていました。

――その後、フリーでキャラクターデザインのお仕事をされるようになったのは?
『pixiv年鑑』で僕の絵を見た東映アニメーションの野口(光一)プロデューサーから『楽園追放-Expelled from Paradise-』(2014年)のオファーをいただいたのを機に、フリーランスになろうと決心をしたんです。そこから『キャプテン・アース』(2014年)のデザインワークスをお手伝いしたり、別の仕事で描いたイラストを見てくださった神山健治監督からTwitterのDMで「一緒にお仕事がしたい」と声をかけていただいて、『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』(2016年)の制作に参加したりと、いろんなご縁でさまざまなお仕事を経験することができました。

「交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション」デザイン設定画
©2018 BONES/Project EUREKA MOVIE

――最近のお仕事では『ゼノブレイド2』(2017年)や『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』(2017年~)のデザインが話題です。
『ゼノブレイド2』は、総監督の高橋(哲哉)さんが『楽園追放』を観てくださり、新作のキャラクターデザインで声をかけて下さいました。『エウレカセブン』は、監督の京田知己さんが『楽園追放』で演出をやられていた繋がりで呼んでくださって。最初はメカ設定だけの予定でしたが、最終的にニルヴァーシュ(オリジネート・ゼロ)のデザインまでやらせていただくことができました。

――仕事が仕事を呼ぶ感じで繋がっていますね。フリーランスで仕事をされる中で、特に意識していることはありますか?
クライアントが求めていることに、僕の持っている「武器」を合致させることは意識しています。これまでの仕事を見て声をかけてくれるということは、何かしら僕のもっているものを欲しいと思ってくれたわけなので。あとはクライアントワークとは別に、プライベートで新しい表現方法も研究しつつ、それを仕事にもフィードバックできたらいいなと思っています。

――最後に、齋藤さんにとって液晶ペンタブレットはどのような存在か教えてください。
仕事の効率や表現のために、今の時代の絵描きにとって、なければならない大切なデバイスですね。Cintiqがあるおかげで現在のいろいろな表現が可能になっていますし、もっと新しいものにもチャレンジすることもできるんです。

取材日:2019年1月21日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

齋藤将嗣
イラストレーター/キャラクターデザイナー/メカデザイナー。北海道出身。成安造形大学を卒業後、セガを経てフリーに。東映アニメーションとニトロプラスによるフルCG劇場アニメ『楽園追放-Expelled from Paradise-』のキャラクターデザイン/メカデザインに抜擢され注目を集める。『キャプテン・アース』のデザインワークスや、石ノ森章太郎原作の人気アニメ『サイボーグ009』を『攻殻機動隊S.A.C.』の神山健治監督がフル3DCGでリメイクした『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』をはじめ、人気テレビシリーズの続編映画『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』、Nintendo Switchの大作ゲームタイトル『ゼノブレイド2』など数々の人気作品でキャラクターデザイン、メカデザインを手がけている。
デザインワークスで参加した『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』のBlu-ray&DVDがバンダイナムコアーツより2019年3月26日(水)発売。

twitter:@_saitomasatsugu

Wacom Pro Pen 2による高精度な描き心地と、4K表示対応、最大Adobe RGBカバー率99%の広色域ディスプレイで使用可能な液晶ペンタブレットです。

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