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アニメーション作家・イラストレーター
Shuzuku

『BanG Dream!』プロジェクトからデビューしたバンド「MyGO!!!!!」のアートワークを手がけ、京都精華大学の卒業制作として発表した短編アニメ『鯨を夢む』が高知クリエイターアワードグランプリを受賞したアニメーション作家・イラストレーターのShuzukuによる「Wacom Cintiq Pro 27」を使ったライブペインディングを公開!(2025年6月4日撮影)

※ブラウザで動画が再生されない場合はYoutubeのワコムチャンネルでご覧ください。

Drawing with Wacom 149 / Shuzuku インタビュー

Shuzukuさんのペンタブレット・ヒストリー

短編アニメーション『鯨を夢む』(2025)ポスターイラスト
©Shuzuku

――Shuzukuさんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
コロナ禍で“おうち時間”が増えた時に、何か新しいことをやってみようと思って絵を描き始めたんです。最初はアナログで描いていましたが、YouTubeで好きなイラストレーターのメイキングを見るとみんなデジタルで描いていたので、自分もペンタブレットを買って描いてみようとなったのが最初です。

――液晶ペンタブレットを使うようになった経緯は?
板型のペンタブレットで描くのがどうもしっくりこなくて、大学に入学する前にWacom Cintiq 16を購入したんです。板型のペンタブレットだと、画面と手元のズレを意識して変に力が入ってしまっていたんですけれど、液晶ペンタブレットにすることでそのストレスはなくなりました。画面を見ながら直接、線を描くことですごく絵が描きやすくなったのを覚えています。しばらくWacom Cintiq 16を愛用していましたが、大学の卒業制作中に、「アカデミック価格で買える一番大きい画面の液晶ペンタブレットにしよう」と思い立ち、Wacom Cintiq Pro 27に買い換えました。

――現在の作画環境はどのようなものですか?
サイコムのBTOで組んだPC(CPU:Intel Core i7-14700F/RAM:64GB)に、Wacom Cintiq Pro 27とAcerの27インチディスプレイを繋いでいます。メインの作画ツールはCLIP STUDIO PAINTとAdobe Photoshopで、アニメーションや映像系の仕事の時はAdobe Premier ProとAdobe After Effectsを使っています。Wacom Pro Pen 3には木製グリップをつけていて、ペン先の方が重くなるようにカスタマイズしています。

――Wacom Cintiq Pro 27の使い心地はいかがですか?
画面が大きく解像度も高いので、大きなサイズのイラストを描く時にも、細かい部分まで全体を見渡せるのがすごくありがたいです。iPadでアニメーションの作業をすることもあるのですが、Wacom Cintiq Pro 27だとUIで画面が狭くなることもないですし、長尺で動かしたい時にタイムラインの先の方まで表示できるのが便利だと感じています。Wacom Pro Pen3もお気に入りで、ペン先が細く描いている線が見やすいのと、これまでより芯がしっかりホールドされている感じがいいですね。

S h u z u k u さ ん の 作 業 環 境

卒業制作のアニメーション制作中にWacom Cintiq Pro 27を導入したShuzukuさんの作業環境。
イラスト、アニメーション、映像編集、音楽制作と様々な作業を行うデスクの中心に液晶ペンタブレットを設置。
作画はCLIP STUDIO PAINTとAdobe Photoshopで行い、動画編集でAdobe PremierやAdobe After Effectsを使用する際は左手のディスプレイで作業して、ユーザーの視聴環境に近いiPhoneやiPadで仕上がりを確認している。

Shuzukuさんのクリエイティブ・スタイル

MyGO!!!!! 1st LIVE「僕たちはここで叫ぶ」KV(2022)
©BDP

――Shuzukuさんがイラストを描く時のワークフローを教えてください。
CLIP STUDIO PAINTでカラーラフを描いて、ある程度の色彩とコントラストが決まったら線画をクリンナップしていきます。キャラクターの下塗りの後に背景を地塗りして、全体のバランスが見えてきたところでキャラクターの塗りを仕上げます。そこから背景とbook(背景美術がキャラクターの手前に重なる部分)を描きこんでいき、全体を塗り終えたらAdobe Photoshopに移ってレイヤーごとにぼかしなどの処理を加え、ライティングを施して完成という流れです。

――作画に使うブラシはどのようなものですか?
線画はデフォルトの粗い鉛筆ブラシ、背景の地塗りにはGペンをカスタムして入り抜きで不透明度が変化するブラシを使っています。大学で背景美術を教えてくれた先生にいただいたブラシセットを愛用していて、アナログで背景を描くのに使う日本画用の毛筆(削用筆)を模したブラシを植物の描き込みなどで使っています。あとは水彩馴染ませブラシや、質感残し馴染ませ、デフォルトのぼかし色混ぜみたいなツールで塗りのタッチを整えたりする感じですね。

――お仕事では「MyGO!!!!!」のキービジュアルやジャケットアートを手がけられていますが、イラストを描く時に意識していることはありますか。
「MyGO!!!!!」には「現実と仮想が同期するバンド」というコンセプトがあるので、できるだけ背景には実在の場所を使って、キャラクターがその場所に立っているという説得力のある絵にしたいと思って描いているんです。アニメのキャラクターのイメージもあるので、自分が描く時もちゃんと可愛く描かなければというプレッシャーもありますが、1stライブから「MyGO!!!!!」のビジュアルを担当してきた中で、自分として譲れない部分を大切にしたいと思うようになって、今はちょうどいいバランスに落ち着いたと感じています。

――ドローイングで描かれたイラストでもかなり背景を描きこんでいて、Shuzukuさんのイラストは背景を見せることをかなり意識している印象です。
もともと背景を描くのは苦手で、あまり描いてこなかったので「MyGO!!!!!」の仕事をきっかけに本気で背景美術の勉強を始めたんです。大学ではジブリ作品の背景美術を描いていた先生からアナログでの美術の描き方を教わり、吉田誠治さんのYouTubeを繰り返し見ながらデジタルでの描き方も練習していました。そこからだんだん色彩表現やカラースクリプトのような部分への関心が高まっていき、今はイラスト全体の色彩やコントラストの演出で絵作りをすることが一番楽しい部分になっています。

MyGO!!!!! 7th シングルジャケットアート(2025)
©BDP

――背景レイヤーはかなり細かく分けて仕上げまでの作業を行われていますね。
アニメーションを作る時にも、かなり細かく背景やbookのレイヤーを分けています。仕上げ段階で細かく位置調整したり、奥行きに合わせてぼかし処理をかけたいので、カメラが固定で背景を動かす必要がない場面でも基本的にレイヤーは分けるようにしているんです。オールドレンズの質感が好きで、その感じを出すことでシーンの空気感やキャラクターが感じている匂いなどを視覚的に表現できると思っているので、被写界深度の表現や色収差、ノイズやハレーションといった効果を仕上げ段階で加えることが多いですね。

――Shuzukuさんがこれから描きたいと思っているモチーフやテーマはありますか?
具体的にこれというモチーフは無いですが、『スター・ウォーズ』シリーズが好きで、自分の創作活動の軸としてSFがあるんです。中学生の頃から自分の中で温めている物語があるのですが、短編アニメにするにはスケールが壮大すぎて、卒業制作では作ることができませんでした。ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の『DUNE/デューン 砂の惑星』を見た時に、演出的な部分や、再生したヴィンテージレンズを装着したカメラで撮影していることにすごくシンパシーを覚えて、自分のような作風でも壮大なSFを描ける気がしています。

――Shuzukuさんが絵を描いたりアニメーションを作る上で影響を受けたクリエイターはいますか?
山田尚子監督の劇場アニメ『聲の形』を見た時に、キャラクターの表現や閉塞感のある画作りにすごく説得力を感じて、アニメでもこんな表現ができるのかと衝撃を受けたことが、アニメーション制作に興味を持つきっかけでした。実写映画だと河瀨直美監督の作品も好きで、ドキュメンタリー的な表現が「MyGO!!!!!」のアートワークでキャラクターの実在感を出す上でもすごく参考になっていると思います。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

イラストで実在感を出すためカメラで撮影したようなレンズ感を意識して背景美術を制作するというShuzukuさん。
キャラクターの手前にある草(book)はカメラからの距離ごとにレイヤーを分けて作画し、それぞれ異なるぼかし具合でレンズの被写界深度を表現している。

※動画では3:45からShuzukuさんがbookの草を描いていく作業を見ることができます。

Shuzukuさんのクリエイターズ・ストーリー

短編アニメーション『鯨を夢む』(2025)より
©Shuzuku

――Shuzukuさんが絵を仕事にしたいと思うようになったきっかけは?
元々、カメラや映像は好きだったのですが、あまりアニメには詳しくなくて、将来は料理人になりたいと思っていたんです。コロナ禍で家にいる時間が増えて、YouTubeを見ている時にたまたま米山舞さん達のチャンネルでFAMYさんがイラストレーターになるまでの話をしているのを見て。なんとなく自分も絵を描く仕事ができるようになるんじゃないかと思ったのが最初のきっかけでした。

――そこから絵を描き始めて、アニメーションの道に進もうと思ったのはなぜでしょうか。
映画や音楽が好きだったのと、高校時代に少しだけ演劇をやって演出や脚本にも興味を持っていたので、全部やれるのはアニメーションだと考えて、京都精華大学のアニメーション学科に進学しました。1年生の間にデッサンやクロッキーといった絵の基礎を身につけて、2年生からはより実践的なアニメーション制作の講義が始まり、3DCGや撮影技術、背景美術や脚本の書き方など幅広い内容を学ぶことができました。

――ネットや同人誌などで個人的に作品を発表する活動はされていましたか?
デジタルで描き始めた最初の頃は、ヨルシカのファンアートをよく描いていて、Twitter(現X)やInstagramに投稿したりしていました。大学1年生の頃に自分で作った曲のMVを3本制作してYouTubeに公開したのですが、その動画がきっかけになって、「MyGO!!!!!」のお仕事の話をいただいたんです。

――絵を描く仕事をできるかも、と思い立ってから商業の仕事依頼がくるまでかなりのハイペースですね。
在学中に仕事ができるとは思っていなくて、順当に大学生活を終えてアニメーターとして就職を目指すつもりでいたんですけれど、自分でも名前を知っているくらいの会社から連絡をいただいて驚きました。送られてきた企画書にあった「MyGO!!!!!」のコンセプトが自分的にすごく刺さったので、ぜひやってみたいと思い、1stライブのキービジュアルを描かせてもらうことになったのが、最初の絵の仕事でした。3年生の頃には「MyGO!!!!!」以外のお仕事も受けるようになっていたので、かなり忙しくて……毎日学校に通って、夜中に絵を描く生活でした。

――卒業制作の短編アニメ『鯨を夢む』は高知アニメクリエイターアワードでグランプリを受賞されています。
『鯨を夢む』で一番描きたかったのが、ラジオを聴く側だった主人公がクライマックスで発信する側に転換するという展開なんです。自分がものづくりを始めるきっかけのひとつが京都アニメーションの作品だったので、そういう自分にとっての灯台のような、大きな道しるべの一部が失われてしまった喪失感が、何かを作りたいという衝動に変わっていった逆転現象みたいなものを、今のうちに作品として描いておきたいという思いで作っていました。ラジオから流れる詩人の声をマンガ家の大童澄瞳さんに演じていただけたのと、3年生の時に別の作品で受賞を逃した高知でリベンジできたのは嬉しかったですね。

MyGO!!!!! 7th シングルジャケットアート(2025)
©BDP

――これまで手掛けたお仕事の中で、特に印象に残っているものはありますか?
この夏にリリースされる「MyGO!!!!!」の7thシングルのジャケットアートは個人的にかなり思い入れのある絵で、1stライブのキービジュアルの絵を描いた時にやりたかったアイデアの1つを使っているんです。背景はアニメにも登場する駅なんですけれど、イラストのためにロケハンに行ったら工事中で少し風景が変わっていて。その時に目にした工事現場のフェンスを使って、楽曲のコンセプトを表現できるんじゃないかと思って描いたイラストが、ジャケットアートになっています。

――Shuzukuさんがこれからやってみたいことや、挑戦したい仕事はあれば教えてください。
大学1年生の頃にやっていた楽曲制作は、できれば再開したいと思っています。お仕事では、卒業制作が忙しくてしばらく作ることができなかったMVに再挑戦したいですね。ドラマパートがあったり、短編映画みたいな演出の入るMVが作ってみたいので、次回作のアニメーションの構想を練りつつ、MVの制作依頼も受けていきたいなと考えているところです。

――最近のお仕事状況はいかがですか?
春に大学を卒業して、関東に拠点を移したばかりで色々と落ち着かない部分はありますが、『鯨を夢む』をいくつかの映画祭に出品する作業を進めています。卒業制作を終えてしばらくは燃え尽きていたんですけれど、そろそろ次回作に向けて動き出さなければと構想を練っているところです。「MyGO!!!!!」の7thシングルは8月リリースなので、こちらも楽しみにしていてください。

――最後に、Shuzukuさんにとってペンタブレットとはどのような存在ですか?
自分にとってなくてはならないものです。1人でアニメーションを作るためには、デジタルツールが必須で、卒業制作を作っている間にWacom Cintiq Pro 27を使い始めたら、劇的に作業効率が上がったんです。特に少人数で作品を作るクリエイターにとっては、液晶ペンタブレットは欠かせない存在だと実感しています。

取材日:2025年6月9日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

Shuzuku
アニメーション作家/イラストレーター。京都精華大学マンガ学部アニメーション学科卒。大学在学中にメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』からデビューしたバンド「MyGO!!!!!」のライブキービジュアルを手がけイラストレーターとしてデビュー、同バンドの楽曲のジャケットアートワークを担う。 2024年には人気アーティストAdoの2ndアルバム『残夢』リリースにあわえ渋谷で展開されたポスタージャック「SHIBUYA WILD POSTING」のポスターイラストも話題となった。アニメーション制作も精力的に行い、星街すいせい、角巻わため等人気VTuberの楽曲のMV制作に参加している他、大学卒業制作の短編アニメーション『鯨を夢む』が高知アニメクリエイターアワード2025でグランプリを獲得、次世代のアニメーション作家として期待されている。同作はマンガ家の大童澄瞳が声優を務めたことでも話題となった。

twitter:@shu_atelier
BM ECHOES クリエイタープロフィール
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高い色精度と高解像度のディスプレイと、新しいペンテクノロジーWacom Pro Pen 3を搭載。クリエイターと作品の間で交わされる共鳴を存分に描きつくす、ワコムの最先端液晶ペンタブレットです。

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