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デジタルアーティスト
wataboku

SNSで発表するノスタルジックな存在感を持つ制服少女のイラストで注目され、池田エライザ、欅坂46など人気モデルやアーティストとのコラボレーションや小説の装画などで活躍するデジタルアーティストwatabokuさんによる「Wacom Cintiq Pro 24」を使ったライブペインティングを公開!(2019年12月5日撮影)

Drawing with Wacom 103/ wataboku インタビュー

watabokuさんのペンタブレット・ヒストリー

「感0」プライベートワーク(2016)
©wataboku

――watabokuさんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
大学でカーデザインの勉強をしていて、当時はカーデザインの作業もアナログからデジタルに変わっていくタイミングでゼミ室にもペンタブレットが導入されていたのですが、自分ではあまり使うことがありませんでした。元々、絵を描くことは好きで、アートコミュニティサイトのdeviantARTを見ている内に自分も描いた絵を発表してみたいと思い、社会人になって最初のボーナスでIntuos4を買いました。最初はデジタルの描き味に慣れず、線画までアナログで作業してAdobe Photoshopでアウトラインにベタ塗りするような描き方をしていたんですけれど、deviantARTで主流の絵柄はいわゆる厚塗り系の作風なんですよね。その影響を受けてだんだん描き方も変わっていって、1年くらいでフルデジタルに移行しました。

――液晶ペンタブレットを使うようになったのは?
26歳の頃に上京してグラフィックデザイナーになってからほとんど絵を描かなくなっていたのですが、仕事で写真をレタッチするのにペンタブレットが必要になりIntuos4を引っ張り出して使い始めたんです。1年ぐらいしてまた絵を描き始めようと思った時に、よりアナログに近い感覚で描ける液晶ペンタブレットが欲しくなってCintiq 13HDを買いました。板型のペンタブレットだとどうしても自分のイメージと描いた線がズレることがあるので、やり直しのために左手は常にCommand+Zに置くみたいな感じで。僕はけっこう前のめりになって描くタイプなので、やり直しが少なく、画面だけを見て集中して描くことができるCintiqを使うようになって作業効率もかなり上がりました。

――現在の作業環境について教えてください。
Cintiq 13HDをiMac(2016)に繋いで使っています。ツールはAdobe Photoshop CC(2017)ですね。最初にデジタルで描いてみようと思って勉強し始めた時にJace Wallaceさんというアーティストの動画を見ていて、そこで使っていたのがPhotoshopだったのと、グラフィックデザインの仕事でAdobeのツールに慣れていたこともあり、ずっとPhotoshopで描いていますが、最近はCLIP STUDIO PAINTも気になっています。

――今回初めてWacom Cintiq Pro 24を使って絵を描いてみた感想はいかがですか。
ずっとCintiq 13HDを使っていたので、タッチ機能だけでもうびっくりです(笑)。筆圧感知性能も繊細で、かなりレベルアップしているのを感じましたし、USBハブも搭載していてものすごく便利になっていますね。画面も大きく精細で、細部まで見られるので寄った時に力を発揮するなと思いました。Cintiq 13HDの画面サイズだと見ることができない、描いていない部分の粗まで同時に確認することができる、すぐ気になる箇所を見つけられるというのはすごいアドバンデージだなと。ツールパレットも邪魔な時に動かしたりする必要がなくて、そのまま置きっぱなしで描くことができるので、作業もしやすかったですね。

w a t a b o k u さ ん の 作 業 環 境

Cintiq 13HDをiMac(2016)に接続。ディスプレイは作業姿勢にあわせてミラーリングで同じデスクトップを表示させて使っている。
ペンは標準芯を使用し、Cintiq 13HDの液晶面にハードコート仕様の摩擦が少ないフィルムを装着。
作画ツールはグラフィックデザイナー時代から慣れ親しんだAdobe Photoshop CC(2017)を愛用しているとのこと。

watabokuさんのクリエイティブ・スタイル

「十二人の死にたい子どもたち」(冲方丁/文春文庫)
装画(2018)
©wataboku

――watabokuさんの絵は、制服を着た女の子のどこかノスタルジックな雰囲気が印象的です。
以前は特にモチーフを固定せず描いていたのですが、社会人になって自分の作品を作り始めた時に、自分が好きなもの、日常的に意識して観察しているものを描いたほうがしっくりくるなと思って、そこからキャラクターを女性に固定したんです。deviantARTを見ていたので描き始めの頃は西洋の女性をモチーフにすることが多かったですが、自分がより理解している異性像を考えた時に、当時は23歳でまだ学生時代の記憶が色濃くあったので制服を着た日本人女性だろうと考えて、高校時代の同級生をイメージしてSAIというキャラクターを作りました。顔は気分によって変わりますが、僕のオリジナルの作品では基本的にSAIだけを描いているんです。

――キャラクターにリアルな存在感を感じますが、表情やポーズはどのように描かれているのでしょうか。
描いたことのないポーズは資料をみたり、人にやってもらうか自分で試してみたりしますね。Webカメラで自分の顔や手がどう見えるか試したりもしますが、実際に観察したまま描くのではなく、絵を見た人が受ける印象を大事にしているので、陰影などはだいぶ嘘をついています。「不気味の谷」という言葉がありますが、僕の絵はわりときわどい所があるので、リアルに描きながらも自分の中でキャラクターとして咀嚼することでバランスをコントロールしています。

――コラボレーションで実在のモデルを描かれることも多いですが、その場合も描き方は同じですか?
基本的にモデルさんとは会わないようにしていて、本人のSNSなどから集めた写真を見て描いています。その人が発信している自分のイメージ、みんなが知っているその人を描きたいので、会うことで印象が変わるのが怖いんです。ただ似すぎてもここが違う、あれが違うというのが出てくるので、似顔絵にならないように写真は顔の感じや雰囲気をインプットするために見るだけで、なるべくモデルさんの印象を描くようにしています。

――普段イラストを描き上げるまでのワークフローを教えてください。
いつもはAdobe Photoshopで描いたラフにベースとなる色をベタで塗って、だんだん明るい色を足していく油絵のような描き方で、太いブラシからだんだん細いブラシにしていき、最終段階では拡大しながら細かいブラシで仕上げています。最初に描いた線画は完成時には無くなってしまいまうのですが、今回は時間が限られていたので、短い納期で何枚も描き上げる必要にせまられて考えた線画ベースで仕上げる手法を使って描きました。

「オニツカタイガー×ストリートファイターV」
春麗コラボレーションイラスト(2108)
©CAPCOM U.S.A., INC. ALL RIGHTS RESERVED.
©wataboku

――レイヤーの枚数も多く、デジタルならではの機能をかなり多用している印象でした。
フォトレタッチを勉強していた時に覚えた手法を自分の絵に取り入れていて、ゆがみフィルタで形を曲げたり、調整レイヤーでトーンカーブを使ったりしています。調整レイヤーでの色調補正は、1枚だけでなく何枚も重ねることでだんだん深みがでてくるんですよ。工程が進むごとにレイヤーの結合を繰り返して、実際に描き込むレイヤーは1枚だけで済むようになっていきますが、序盤で分けているレイヤーは必ず残すようにしているので、レイヤー数は多い時だと100枚近くなります。その時はいいなと思っても後から個展や画集で絵を使おうとしたときにやり直したい部分が出てきたり、仕事でクライアントから「前の方がよかった」と言われたりすることがありますが、同じレイヤーに塗り重ねていく厚塗りは描き直しが難しいので、過程を残しておけば修正作業もしやすくなるんです。

――絵の中で特に意識して描いている部分はありますか?
顔のバランスの気持ちいいところを見つけるのにいちばん時間を使っています。色がついて陰影が出てくると線画の時と印象が違ってくるので、塗り進めながらその誤差を修正していくんです。工程の中盤からは、統合したレイヤーの顔のパーツを範囲選択で移動させて、ずれた部分をぼかしで軽減させた上からブラシで塗り重ねていくという作業を繰り返している感じですね。

――細かいブラシ使いに加えて、最後の仕上げ段階で全体にテクスチャを加えることで一気にアナログっぽい質感になったのが興味深いです。
フルデジタルで作業していながら、アナログの水彩で描いたような質感を目指しているんです。今回使ったのはアートブックを出した頃によく使っていた手法で、デジタルの滑らかな質感で写実的に描いてから生っぽさを軽減するために水彩のテクスチャを貼りこんで合成しています。最近はブラシを鉛筆っぽい質感のものに変えたので、画面の中でアナログ感を作るほうが気持ちよくなってきて、テクスチャーはあまり使わなくなりました。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

アナログ水彩で描いた様な質感の絵にするために、水彩絵の具で紙に描いた模様をスキャンした画像をレイヤーモード[ソフトライト]で絵の上に合成することでアナログの塗りムラのようなテクスチャ感を出している。
さらに最後の仕上げで全体に薄く乗せる粗い紙目のようなノイズも見た目のアナログっぽさを増している。

※動画では16:15あたりからwatabokuさんがテクスチャを乗せてアナログ感を出す作業を見ることができます。

watabokuさんのクリエイターズ・ストーリー

「サヨナラが聴こえる」プライベートワーク(2019)
©wataboku

――watabokuさんが本格的に絵を描き始めるようになった経緯を教えてください。
亡くなった父は東京で漫画家をしていたことがあり、姉も美大に進学していたので、自然と自分も絵を描くことに興味を持つようになって、高校2年生くらいから本格的に勉強し始めて、九州産業大学の美術学部デザイン学科に進みました。将来はグラフィックデザイナーを志望していたのですが、定員の関係で専攻がプロダクトデザインになって、卒業までカーデザインの勉強をしていました。楽しかったですが不本意な選択でもあり、この先何をやりたいのかはっきりしないまま就職活動をして、地元の食品会社に就職しました。

――元々の志望だったグラフィックデザイナーとはだいぶ方向が異なりますね。
最初の会社では企画部として、通販のカタログやダイレクトメールをデザイナーさんに発注して、修正指示を出すようなクライアント側の仕事をしていたのですが、やっている内にだんだん自分で作りたくなってきて。家に帰ったら趣味で絵を描いていたりもしたので、やっぱり創る側に行きたいという気持はふつふつとあったんです。それから26歳の時に会社を辞めて上京し、PerfumeのPVを観た時から憧れていたクリエイティブ・プロダクションのOOO(トリプル・オー)に飛び込みで「何かお手伝いをさせてください」と電話をしたところ、お試しで働かせてもらえることになりました。

――念願のプロダクションに入ってからはどのようなお仕事をされていたんですか?
グラフィックデザイナーとしての実務経験は無かったので、修行ですよね。トリプル・オーはエンターテインメント分野のデザインワークや、映像部門もあって幅広いクリエイティブを手がける会社だったので、僕も撮影の現場があれば機材を積み込んで車を運転してと、ディレクターのアシスタントをしていたような感じです。会社の倉庫を整理していたら自分が初めて買ったCDのジャケット撮影に使われた小道具とかが置いてあって。そのCDもこの会社で作ったということを知らなかったので、不思議な縁を感じました。

――現在のような絵の仕事を始めるようになったのは?
東京で仕事を始めてから1年くらいは絵を描いていなかったのですが、ある時、久しぶりに上京前に描いた絵のファイルを開いてみたら「ひどいな…」と思って(笑)。会社でプロのクリエイターの仕事と接するうちに、自分も成長していたんですね。グラフィックデザインの仕事で学んだ技術や知識をフィードバックしながら再び絵を描き始めたら、エグジットチューンズの方がエージェントをしてくれることになって。それまで絵の仕事はほとんど実績が無い状態だったのですが、「2016年の12月に画集を出版して個展をやろう」という目標をたてて、少しずついろいろなコラボレーションをし始めました。

――イラストレーターではなくデジタルアーティストという肩書を使っているのなぜですか?
もともとイラストレーターとして活動していなかったので自分自身にそのイメージがなかったのと、deviantARTで絵を描いている人達がデジタルアーティストという呼称を使っていたので、自分もそれに倣いました。

「あの頃、君を追いかけた」
(九把刀,阿井幸作,泉京鹿/講談社)
装画(2018)
©wataboku

――そこから会社を辞めてフリーになったのはいつ頃ですか。
個展をきっかけに仕事の依頼がくるようになり、山田悠介さんの小説『パーティー』(幻冬舎文庫)の装画や、欅坂46さんの番組「KEYABINGO!2」(日本テレビ)のメインビジュアルを描いたりして、さらに多くの人に認知してもらえるようになりました。当時、会社ではディレクターの下についてグラフィックデザインをしていたんですけれど、だんだん自分を指名していただく絵の仕事が増えてきて、納期が重なったりする様になってきたんです。そうなると心苦しいですが会社員としては会社の仕事を優先せざるを得ないんですよね。2017年の夏ごろに自分のキャパがオーバーしたのを感じて、「このまま続けていくのは難しいので辞めさせて欲しい」と上司に相談して、フリーになりました。

――会社を離れ、フリーになってみていかがでしたか。
何の準備もしていなくて、前日まで会社でバリバリ働いて翌日から休みみたいな感じで。その時点ではギリギリ食べられるくらいの仕事しかないので不安しかありませんでしたが、なってみたら気楽なもので(笑)。生活もガラリと変わりましたが、フリーとして2年目を迎える中でいろいろなお仕事もさせていただいて、それをきっかけに知り合った人のほうが会社員時代よりも多くなってきました。

――最近はどのようなお仕事をされているのでしょうか。
ここしばらくは5、6本くらいの仕事が常に動いている感じですね。装画の依頼が定期的にあるのと、あとはCDのジャケットイラストやMV、たまに裏方みたいな仕事もあってテレビ番組のコンセプトアートや映像作品のイメージボードのようなあまり世に出ない仕事の依頼もあります。2019年の夏は、バイオリニストのリンジー・スターリングさんからInstagramのDMで依頼をいただいた海外スタイルのコミック本を描く仕事に捧げました。日本のマンガと違って作り方も分業制で、他のクリエイターと連携して1冊のマンガを描くのですが、自分の英語で細かいニュアンスを伝えるのが難しかったので、詳しい方に間に入ってもらってなんとか完成させることができました。

「# 柚莉愛とかくれんぼ」(真下みこと/講談社)
カバーイラスト(2020)
©wataboku

――以前、twitterにもマンガを投稿されていましたが、マンガを描いていきたいという気持はあるんですか?
僕には話を考える能力がないのですが、父のマンガを元にすれば描くことができるだろうと思ってリメイクしてみました。亡くなった父は蟻田邦夫という名前で雑誌「ガロ」に載ったりして、東京で頑張っていた人間なのですが、時を経て僕も同じようなことをしているので、ちょっとだけやってみたかったんですよね。マンガを読むのは好きですし、友達を笑わせるために落描き程度に描いたりはしましたが、父の影響もあるのか自分にとってマンガはすごく敷居の高いものだと刷り込まれていて、なかなか手が出せないんです。

――これからやってみたいお仕事や展望があれば教えてください。
今は1枚絵で完結する仕事が多いので、もっとストーリー性のあるものに挑戦してみたいと思っています。ゲームやアニメのキャラクターデザインとか、自分の絵を動かしたいという気持がありますね。あとは前の個展から新しい絵もたまっているので、今年の夏頃にかけて2回目の個展を開催したいと思っているところです。

――最後に、watabokuさんにとってペンタブレットとはどのような存在でしょうか。
まさに一蓮托生の「相棒」ですね。フリーになってからは独りで仕事をしているんですけれど、自分の仕事道具と言えるのはPCとペンタブレットの2つで、これがなくては仕事ができない、料理人にとっての包丁のようなものなんです。アナログで描き始めて、始めてIntuos4を触ったときはなかなか慣れることができませんでしたが、今では逆にアナログの画材のほうが不安ですからね。僕にとってアナログとデジタルの間を埋めてくれた液晶ペンタブレットの存在は大きいです。

取材日:2019年12月5日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

wataboku
日本人デジタルアーティスト。架空のキャラクターSAIを使った作品をソーシャルメディアで展開し国内外から反響を得ている。2016年末に初の個展を表参道ROCKETにて開催し、国内各地での展示に加え、上海・ジャカルタでも個展を開催した。2017年から翌年にかけてアジアツアーを敢行。日本国大使館JCCをはじめアジア4都市で個展を開催し数千人の来場者数を記録。イラスト・アートディレクション・キャラクターデザイン・コンセプトアート等多岐に渡って活動している。アートブック「感0」がポニーキャニオンより発売中。

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Wacom Pro Pen 2による高精度な描き心地と、4K表示対応、最大Adobe RGBカバー率99%の広色域ディスプレイで使用可能な液晶ペンタブレットです。

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