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イラストレーター
popman3580

SNSで目にするしなやかでキュートな女の子のイラストで注目を集めるイラストレーターpopman3580さんによる「Wacom Cintiq Pro 24」を使ったライブペインティングを公開!(2020年7月31日撮影)

Drawing with Wacom 109/ popman3580 インタビュー

popman3580さんのペンタブレット・ヒストリー

「待ち伏せガール」プライベートワーク(2020)
©popman3580

――popman3580さんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
大学生になった頃からMacを使っていて、4年生の時に初めて小さいIntuos2(i-420)を買ったんです。大学ではデザインを学んでいたので、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorには慣れていたのですが、ずっとマウスで使っていました。趣味の絵はずっとアナログで描いていて、デジタルで描いてみようと考えた時にネットで見ている絵描きさん達が使っていたペンタブレットを使ってみたいなと思ったんです。アナログの時はほとんど鉛筆画で色を塗ることがなかったので、カラーイラストを描くようになったのはデジタルを使い始めたことがきっかけですね。

――液晶ペンタブレットを使い始めたのは?
ずっとIntuos2を使って絵を描いていたのですが、ごく個人的なものであまり人に見せたりはしていませんでした。液晶ペンタブレットへの憧れもあったのですが、店頭で試し描きしてみただけだと馴染めないですし、値段も安くはないのでなかなか踏み切れずにいたんです。30代に差し掛かるくらいの頃にpixivをやり始めたので、本腰を入れてデジタルで描く勉強をしようと思ったのをきっかけにCintiq 13HDを買って使い始めました。

――液晶ペンタブレットで描く様になって制作に変化はありましたか?
板型のペンタブレットは自分の手で絵が隠れないのがよかったですが、手元を見ながらペン先でダイレクトに線を描けるというのはやはり使い心地がいいなと思いました。液晶ペンタブレットに慣れると、板型には戻れないですね。

「学校の屋上から君とあの歌を贈ろう」
(道草よもぎ/メディアワークス文庫)
表紙イラスト(2018) ©KADOKAWA

――現在の作画環境はどのようなものですか。
iMac(27inch/2017)にCintiq 13HDを繋いで使っています。作画中はiMacに資料などを写して、サブディスプレイとして使っているHPの22インチディスプレイに動画などを流しています。作画に使うツールはAdobe Photoshopです。以前はAdobe Photoshopのブラシの手ぶれ補正があまり好みでなかったのでCorel Painterで線画まで描いてAdobe Photoshopで塗っていましたが、最近は最初から最後までAdobe Photoshopだけで完結できるようになりました。ショートカット等はほとんどCintiq 13HDのエクスプレスキーに登録して使っています。あまりPCに詳しくないので設定なども基本的にデフォルトのままで使うことが多いですね。

――今回、Wacom Cintiq Pro 24を使って描いてみた感想はいかがですか。
まず、画面が大きいなと思いました。普段はCintiq 13HDのサイズ感で描いているので、絵の全体を見ながら作業できるのはいいですね。13インチだと画面が小さいので全体を見て、細部を見てというのにキャンバスの拡大縮小を繰り返す必要があるんですけれど、その煩雑さがないのが描きやすかったです。画面の感触もスムーズで描きやすかったですね。僕の絵は線や塗りがざっくりとしているのでペン自体の機能をそこまで活用できていないかもしれませんが、いつもより迷い線が少なかったのでイメージ通りの線が引けている気がします。

――画面の色や見やすさはどうでしょう?
いつもはCintiq 13HDで描いてからiMacで色を見てイメージが違っていたらAdobe Photoshopで調整するような感じですが、Wacom Cintiq Pro 24の画面は綺麗だと思います。普段SNSなどに投稿するイラストは見る人の環境にあわせてiPhoneで最終確認することが多いので見比べてみたいですね。Wacom Cintiq Pro 24は液晶のドットがすごく細かくて怖いくらいに鮮明なので、自分の絵が恥ずかしいくらい際立ってみえて、もっと勉強しないといけないと思いました(笑)。

p o p m a n 3 5 8 0 さ ん の 作 業 環 境

iMac(27inch/2017)にCintiq 13HDを接続。
作画中はiMacに資料などを表示し、右側のサブディスプレイ(HP LA2205wg)は作業中にBGVなどを流している。奥のiMac(2007)は以前使っていたマシン。
作画につかうツールはAdobe Photshop CC。あまり機械は得意でないので基本はデフォルトのまま使うことが多いとのこと。

popman3580さんのクリエイティブ・スタイル

「チャリンコパーカー」プライベートワーク(2018)
©popman3580

――popman3580さんが普段イラストを描かれる時のワークフローはどのような感じですか?
PCでネットの画像をみながらインスピレーションを得ます。立ち方や座り方のようなポーズとか、髪の毛の流れ方とか、何か1つひっかかるものを見つけたら、それを軸にしてAdobe Photoshopでラフを描き始めるみたいなことが多いですね。リビングでiPadを使っている時にひらめいたら、そのままProcreateで描いたラフをAirDropでiMacに飛ばしたりすることもあります。アイデアやラフを描き貯めたりはせず、基本は描き始めたら完成までもっていく感じです。ラフから下描きまでは同じレイヤーの中で線を重ねて整えていき、形が決まったら新しいレイヤーに線画をクリンナップして、塗っていきます。

――popman3580さんの絵は線がすごく魅力的ですが、線画で特にこだわっていることはありますか?
最近は女性のキャラクターばかり描いていますが、線画ではあまり角をつけずに、できるだけシンプルな線で全体のシルエットを作りたいと思っているんです。細かい部分はそれなりに細かく描き込んだりもしますが、手足や髪の毛のラインなどはできるだけ1本のストロークで入りから抜きまで描いてしまいたいという気持ちで描いています。絵を描く人のあるあるですが、下描きからクリンナップするときに線の勢いが無くなってしまうのをもどかしく感じることがよくありますね。

――塗り分けに使うレイヤーが1枚だったり、全体的にレイヤー数は少なめですね。
描くモチーフの複雑さによって増えることはありますが、あまりレイヤーの数が多くなるとごちゃごちゃして間違えやすくなるので、できるだけシンプルにしています。塗り分けは同じレイヤーでも色を変えたい時は範囲選択で拾えばいいので。影も基本的には1枚のレイヤーで塗ったものを乗算で重ねています。あとは最後の仕上げの方で、明るくしたい部分にハイライトを入れたりする時にスクリーンでレイヤーを重ねたりするくらいですね。

――線画や塗りに使うブラシはどのようなものを使っていますか?
線画はAdobe Photoshopのデフォルトのハード円ブラシを筆圧で線の太さが変わる設定で、ストロークの入りの太さを0%にしたものを使っています。描きながらその都度、欲しい線に合わせて滑らかさのパラメーターを調節しています。塗り作業は基本、硬めのブラシとバケツツールでセル画調のフラットな塗り方をしていますが、質感的に柔らかくしたい部分は指先ツールで境界をぼかしたりします。終盤の塗り重ねは、通常の丸や四角のブラシでは面の形をコントロールできないので、ブラシの形状を楕円形にカスタムして使います。感覚的にはアナログの絵筆のような感じですね。

「スケボー女子」プライベートワーク(2018)
©popman3580

――popman3580さんが主に女の子をモチーフに絵を描くようになったのは何故ですか。
線を描くのが好きなので、より綺麗な線を描けるのが女性のキャラクターだったのかなと思います。学生の頃はマッチョなキャラクターとかもたくさん描いていたんですけれど、男性の身体だと自分にとって気持ちいい線にならないんです。色々描いていく中で、だんだん淘汰されて自分の描きたいものが残りました。今は女の子のポーズを描くのが楽しくて、単調なポーズにしたくないという思いが強いです。女性らしさを感じるポーズは、ただ立っている、座っているではなく、身体のパーツを反ったり捻ったりする印象が強いので、それをふんだんに取り入れていきたいと思っています。

――今回、描いていただいた絵のポーズではどの部分がポイントですか?
キャンバスが正方形なので、その中に納まるポーズを考えると立ち絵は難しいので、必然的に座ったところから考えていきました。単純な座りポーズではなく、女の子らしい要素を入れていきたかったので、右手で左の髪の毛を触らせるところと、足先の向きで「捻り」を加えています。

――popman3580さんの描く女の子はどれもかわいいと感じます。popman3580さんが考える「かわいさ」はどの部分に宿っているのでしょうか。
言葉では表しにくいですが、現実の女の子のかわいさを絵にする時に、他の人が通っていない所でそのかわいさを表現したいと思っているんです。ポーズや表情でも王道は避けて、どこか陰鬱だったり、微笑している様な、ミステリアスでつかみどころがない方が魅力的だと感じますね。あとは、頭からつま先までのシルエットでキャラクターを完成させることですね。手の指先と足の向きが女性を描きとる上で「かわいさ」の最大のポイントになると考えているので、指先、足先を切ってしまうのはすごくもったいない気がするんです。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

女の子キャラクターのシルエットを可愛くするために少ない線でできるだけ角をつくらないようにするというpopman3580さん。
ポージングは捻りや反りを入れて、特に指先や足先の向きを意識することで女の子らしさを表現できるという。
※動画では3:03あたりからpopman3580さんが線画をクリンナップする作業が見られます。

popman3580さんのクリエイターズ・ストーリー

「引きこもりっ子合同誌」表紙イラスト(2020)
©EBISU HORIZON

――popman3580さんはこれまでどの様に絵を学ばれてきたのでしょうか。
幼い頃から絵を描くことが好きで、『ドラゴンボール』や『エヴァンゲリオン』みたいな好きなアニメや漫画の絵を描いたり、自分の創作キャラクターを作ったりしていました。大学進学の時に進路を美術系かデザイン系か決めきれないまま受験して、合格したのが大阪芸術大学のデザイン学科だったんです。卒業後はデザイン会社に就職して、20代前半は仕事が忙しくて趣味で絵を描く時間もとれなかったんですけれど、その分デザインをたくさんやったことで、現在の自分の絵の色使いや構図に繋がっているかもしれません。

――本格的にイラストレーターとして活動を始められたのはいつ頃ですか?
8年ほど前にpixivを始めて、自分のオリジナルの絵を投稿するようになったのですが、絵を観た人から反応をもらえるのが嬉しくて、それからpixivやTwitterに絵を出すことを続けています。転機になったのはpixiv主催のP-1グランプリというイラストコンテストで、2013年の大会で3位(佳作)に入賞したことで、そこからぐっとフォロワーの数も増えていって、お仕事の打診などもいただくようになりました。今はデザイン会社から転職してメーカー勤務でデザインや商品企画をしながら副業でイラストの仕事をしているので、ボリュームのある依頼はお断りせざるを得ないことも多くてなかなかアウトプットが増やせません。

――商業では寡作なぶん、SNSで絵を見かける度にどんなイラストレーターなのかと不思議に思っていました。今年の1月に開催された初個展「charm」の反響はいかがでしたか。
ギャラリーのEBISU HORIZONから声をかけていただいて、もし個展をやるなら東京がいいなと思っていたので、ありがたく開催させてもらいました。どんな人達が自分の絵を観てくれているのか知ることができましたし、個展の後からまた色々なお仕事の声をかけてもらえるようになったので、開催してよかったです。Twitterでは女性のユーザーからたくさんフォローされているので、自分の絵は女の人に人気があるのかなと思っていたのですが、ギャラリートークに来てくれたのは思いのほか男性が多かったので、なるほどこういう感じかと(笑)。

――最近では、芸人コンビ「霜降り明星」の粗品さんがご自身のYouTubeチャンネルで公開した楽曲にイラストを提供されていましたね。
TwitterのDMで突然、連絡をもらって依頼されたんです。「とにかくイラストが刺さりました」と言っていただいて、粗品さんの作曲した歌の動画にイラストを描かせてもらうようになりました。こういうコラボにも憧れていましたが、どうせやるならでっかく目立ちたいと思っていたので、とてもありがたいお話ですね。最初はボチボチと描いていく感じかなと思っていたのですが、粗品さんが新曲を発表するペースが思っていたよりも速くて、驚きました(笑)。

『ビームが撃てたらいいのに』feat.初音ミクMVイラスト(2020)
『ぷっすんきゅう』feat.初音ミクMVイラスト(2020)
©popman3580/粗品

――先日の個展では初めて作られた同人誌も販売されていましたが、コミケやコミティアの様なイベントにしてみようと思うことは?
個展の会場にも同人イベントのスタッフの方が来てくれて、なんで参加してくれないんですかと誘ってくれたんですけれど、これまで周りにもそういうイベントに参加している人がいなくて、同人文化みたいなものにまったく触れてこなかったんです。自分でデザインもして同人誌を作ってみたら楽しかったので、これから活動の幅を広げていこうという気になっていた矢先にコロナ禍でイベントが開催されなくなってしまったので、少し残念ですね。しばらくはSNSをメインにやっていくことになるのかなと。

――これからpopman3580さんがやっていきたいと思っている事はありますか?
とにかく絵を描いていることが好きなので、時間が許す限りは何でもやってみたいと思っています。商業で大きな仕事もやりたい気持ちはあるので、ゆくゆくは本業イラストレーターとして活動できたらいいと思うんですけれど、会社勤めが長いのでなかなか勇気がでませんね(笑)。正直なところ、まだ「イラストレーター popman3580」という呼ばれ方をすることに自分自身がピンときていない部分もあるので、プロのイラストレーターと呼ばれることに自信を持てるような活動をしていきたいなという気持ちがあります。

――最後に、popman3580さんにとってペンタブレットとはどのような存在か教えてください。
ペンタブレットは、自分では気づかない表現を引き出してくれる道具ですね。アナログの画材だけでは表現できないものが描けるのはもちろんですが、色々試している中で偶然生まれる表現が、自分の新しい引き出しを開けてくれるようなことが何度かあったんです。そういう経験ができるのは、トライ&エラーをしやすいデジタルならではなのかなと思っています。

取材日:2020年7月31日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

popman3580
イラストレーター。大阪芸術大学デザイン学科卒。2013年P-1グランプリ(pixiv主催)佳作。pixivやTwitter等のSNSを中心にイラストを発表し、そのしなやかでキュートな作風が注目を集める。メーカー勤務の傍ら、兼業イラストレーターとして書籍イラストやファッションブランドとのコラボ、キャラクターデザインなど活躍の場を拡大中。2020年1月には初の個展「Charm」(EBISU HORIZONギャラリー)を開催、多くのファンが訪れて好評を得た。2020年5月よりお笑い芸人・粗品が自身のYouTubeチャンネルで公開しているオリジナル楽曲動画にイラストを提供して話題を呼んでいる。

twitter:@popman3580
pixiv
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