Product
製品から探す

  • Wacom MobileStudio Pro
  • Wacom Cintiq Pro
  • Wacom One
  • Wacom Intuos Pro
  • Wacom Cintiq
  • Intuos
  • Bamboo Smartpads
  • Bamboo Stylus

Category
タイトルタグから探す

  • 製品の選び方
  • 活用ガイド
  • Sculpting with Wacom
  • Drawing with Wacom
  • イラストテクニック
  • ~あの作品の制作環境が見たい~
  • ペンタブレット活用事例
  • Bamboo Blog
  • 写真に絵を描く!フォト・ドローイングのススメ
  • 教育現場での導入事例
  • デジタルペンのおしごと図鑑

Category
カテゴリから探す

  • イラスト
  • アニメーション
  • マンガ・コミック
  • ゲーム
  • ウェブデザイン
  • グラフィックデザイン
  • デザイン
  • ムービー
  • 3DCG
  • フォト
  • コラージュ
  • お絵かき
  • ビジネス
  • ナビゲーション

イラストレーター
館田ダン

可愛く可憐な絵柄でVTuberのデザインや人気キャラクターコンテンツのイラストを数多く手がけ、自らも配信者として人気のイラストレーター館田ダンによる「Wacom Cintiq Pro 27」を使ったライブペインディングを公開!(2025年12月3日撮影)

※ブラウザで動画が再生されない場合はYoutubeのワコムチャンネルでご覧ください。

Drawing with Wacom 152 / 館田ダン インタビュー

館田ダンさんのペンタブレット・ヒストリー

館田ダン初個展「Pre Lady」by pixiv WAEN GALLERY
メインビジュアル(2024)
©館田ダン

――館田ダンさんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
高校生の頃に友達の家で初めてペンタブレットを触らせてもらって、友達に怒られるくらい夢中になってずっと描き続けてしまいました(笑)。どうしても欲しくて、おこづかいで中古のBAMBOOを買ったのが自分にとって初めてのペンタブレットです。それまで紙に色鉛筆で描いたイラストを写真にとって自分のWebサイトにあげていたんですけれど、デジタルで描くようになってからのほうが人に見てもらいやすくなりましたね。

――液晶ペンタブレットを使うようになった経緯は?
Intuos4に買い換えたら、めちゃくちゃ絵が上手くなった気がして、応募したイラストコンテストで最優秀賞をいただけたりしたんです。その時の賞品もIntuos4でした(笑)。仕事をするようになって、漫画を描き始めた時にペン入れが難しいなと感じて、試しに液晶ペンタブレットを使って描いてみたらすごく描きやすかったので、Cintiq Companionを導入しました。思ったところに直観的に線を描ける感覚があって、作業時間もすごく短縮することができました。その後、所属した会社ではCintiq 24HDを使っていて、フリーランスになってからWacom Cintiq Pro 24を使うようになりました。

――現在の作画環境はどのようなものですか?
ドスパラのゲーミングPC(CPU:AMD Ryzen7 7700/RAM:16GB/GPU:NVidia GeForce RTX 5070)に、Wacom Cintiq Pro 24と、ディスプレイを2枚(EIZO FlexScan EV2480、BenQ EX251)を繋いで使っています。サブデバイスにLogicool G13を使っていて、主な作画ツールはCLIP STUDIO PAINT、補助的にAdobe Photoshopです。描き味は紙っぽいほうが好みなので、Wacom Cintiq Pro 24には市販のペーパーライクフィルムを貼っています。

――Wacom Cintiq Pro 27を使って描いてみた感想はいかがですか。
ふだん使っているWacom Cintiq Pro 24よりもサイズが大きくて、描いている画面以外が視界に入ってこないので、描くことに没頭することができました。Wacom Pro Pen 3はシンプルな形で使いやすくかっこいいなと思いました。ペンのスイッチも3つあるので、使い方の幅が広がりそうだなと。そのままでも描きやすくて、大きい画面とあわせて絵の世界に入り込むことができるので、描くのが楽しく、初心に帰ったような感じで描くことができました。

館 田 ダ ン さ ん の 作 業 環 境

館田ダンさんのデジタル作業環境。ドスパラのゲーミングPC、Lightning-G AF7W(CPU:AMD Ryzen7 7700/RAM:16GB/GPU:NVidia GeForce RTX 5070)にWacom Cintiq Pro 24を繋いでいる。ディスプレイはEIZO FlexScan EV2480とBENQのEX251の2枚で、作画作業中は主に製作中のイラストの表示と配信画面の表示のように使い分けてることが多い。
キーボードは画面上に置くスタイルで、ショートカット類の操作は左手にあるサブデバイスのLogicool G13を愛用している。

館田ダンさんのクリエイティブ・スタイル

「かわいくなれるかな」プライベートワーク(2023)
©館田ダン

――館田ダンさんがふだんイラストを描く時のワークフローを教えてください。
仕事の絵はしっかり線画を描きますが、趣味の絵を描くときはアイデア出しをしてラフを描き上げたら、線画をクリンナップする工程を省いてそのまま着彩します。色を塗りながら線があったほうがいい部分には線を加筆して、色を整えたら最後に全体的な微調整をして完成です。

――線画の工程を省くのはなぜでしょうか。
仕事をしながら週に2回、Twitter(現X)にイラストを投稿しようとしていた時期があって、そうなると線画まで描いていると時間が足りず、線画の工程を省くようになりました。やってみて、線画を描かなくても絵を見てくれた人の反応は変わらず表現したいものも表せたので、そのまま続けています。

――ドローイングでも、線をクリンナップせずに塗り分けでシルエットを整えていました。
お絵描き配信をしていても、よくコメントで不思議な描き方だと言われますね。ふだんから塗りで形をとったりシルエットを作ったりしているので、線画が無いほうが楽なんです。ただ、顔まわりは目のいくところなので、他の部分よりも線を大事にしています。

――線画や塗りでよく使うブラシはありますか?
柔らかい鉛筆のような感じで、筆圧で線の強弱をつけられる「ラフ線画用ペン」というカスタムブラシと、水彩にじみ、水多めといった筆ブラシを主に使っています。塗りはGペンブラシでざっくり塗り分けてから、水彩にじみで塗って、削って、ぼかしてを繰り返して、水多めで馴染ませるような感じです。

――キャラクターを魅力的に見せるために、塗り工程で特に意識していることはありますか?
キャラクターの顔はデッサンや立体感よりも、ぱっと見たときに「かわいい!」と感じるように意識していて、メイクアップをするつもりで調整しています。感覚的なところが大きいですけれど、実際のメイクの知識なども使って、お化粧感覚で塗っています。今回のイラストだと最後の方で下まぶたの部分をかなりピンク色にしました。バニー衣装を着せたので、「うさぎメイク」というピンク系の色を使ったメイクの手法を使ってキャラクターの印象を作っています。

――終盤の仕上げ工程ではかなり多くのレイヤー数を使っているのに驚きました。
自分の中で95点くらいにならないと完成しないというラインがあって、自己評価で90点くらいからは、どこか駄目なのかを探す作業になります。最終工程は基本的に顔まわりのクオリティを上げるための調整ですが、これまでの経験から得た「ここを直すと良くなる」という要素がたくさんあるので、正しい方向性が見えるまでそれらの要素をかたっぱしから試していくんです。最終的にこれでいいと判断できるところまで何枚もレイヤーを重ねて細かく加筆修正を行っていきます。

画集『モナ・ノーブル』表紙イラスト(2025)
©館田ダン

――館田さんはライフワーク的に「お嬢様やめたい」シリーズを描き続けていますが、オリジナルで描くイラストのアイデアは、どのように考えているのでしょうか。
日常生活で、だいたいイラストとは関係ないところで思いつきますね。サブスクで色々な雑誌を読めるので、ファッション誌やメイク雑誌、グラビアとかを見ている時にいいなと思ったり、映画を見るのも好きなので、そこからアイデアを貰ったりしています。人と話すことも重要で、雑談ひとつとっても自分が思いつかないような話を聞くと、そこから着想を得ることができるんです。

――館田さんが描いていきたいテーマやモチーフがあれば、教えてください。
物語のワンシーンを切り取ったような、ストーリー性のあるイラストを描きたいと思っています。最近はコミケのときくらいしか趣味のイラストを描けていないので、時間があればロボットとか、もっといろいろなジャンルのモチーフに挑戦してみたいですね。

――お仕事ではキャラクターの立ち絵イラストもよく描かれています。背景や物語のない立ち絵を描く時に意識していることはありますか?
そのキャラクターが何を考えているか、何をしているのかをわかりやすくすることを心掛けています。漫画を描いていた経験が活きていると思っていて、漫画は文字ではなく絵で説明するものなので、イラストもそのキャラクターの魅力を絵で説明するつもりで描くと、見る人の心に残るイラストになると思っています。

――初の商業画集『モナ・ノーブル』(一迅社)の表紙イラストはキャラクターが主体のイラストとはまた違う雰囲気を感じました。
画集や個展で描くイラストは、美術作品をモチーフにすることが多いです。画集は高級感を出したかったので、絵画をイメージしてキャラクターの白い衣装にいろんな色を少しずつ乗せて、それ自体がパレットのように見えるようにしています。お仕事ではなかなか挑戦できないので、こういう絵を描いている時は楽しいですね。

――館田さんが絵を描く上で影響を受けたクリエイターはいますか?
武田日向先生の絵がすごく好きで、先生の描くフリルや和服など、一目見て可愛いと思える表現にすごく影響を受けました。自分の描きたいモチーフとして「お嬢様」という属性のルーツになっています。カスカベアキラ先生もすごく好きで、雑誌の表紙イラストを何枚も模写していました。顔のパーツのバランスはカスカベアキラ先生の影響を受けているとよく言われます。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

顔まわりのパーツ、メイクアップをするつもりで塗っているという館田さん。
描くキャラクターの性格やシチュエーションに合わせてアイシャドウやチークの色を変え、流行のメイクを取り入れた塗りをしている。
線画の工程も他の部分より手をかけていて、拡大して見るとまつ毛の塗りはハッチングを使って情報量を盛っているのがわかる。
※動画では7:55から館田ダンさんが目元を塗っている様子を見ることができます。

館田ダンさんのクリエイターズ・ストーリー

「お兄ちゃんただま。……あれ、誰か来てたの?」
プライベートワーク(2021)
©館田ダン

――館田さんが絵を仕事にしたいと思ったのはいつ頃ですか?
絵はずっと趣味で描いていたんですけれど、本格的に絵を学ぶには学費もかかるので、仕事にはできないだろうと思っていたんです。高3の夏に親戚の援助で専門学校に進学できることになって、そこから将来はイラストレーターを目指したいと思うようになりました。

――専門学校を卒業してからは、どのような進路をたどったのでしょうか。
専門学校在学中にインターンをしていた会社に就職して、ソーシャルゲームの社内イラストレーターになりました。社会人になって1年くらいたって、pixivのイラストを見た「まんがタイムきらら」(芳文社)の編集さんからマンガを描きませんかとお声がけいただいて。会社が副業禁止だったので、退職して『大正浪漫喫茶譚 ラクエンオトメS』を1年間連載させてもらいました。

――マンガ家から再びイラストレーターへと軸足を移したのはなぜですか。
マンガ家として仕事をする中で、自分には人生経験が足りていないと感じて、連載終了後にフリーターとしていくつか接客業のアルバイトに挑戦してみたものの、思った以上に仕事が大変で……。収入的にも苦しかったので、イラスト制作会社に応募して、派遣のイラストレーターとしてゲーム制作の現場で働くようになりました。そのまま正社員になりたかったんですけれど、採用基準がかなり厳しく美大卒が条件だったので、他のゲーム会社に転職して正社員になりました。

――そこからどのようにしてフリーのイラストレーターとして活動するようになったのでしょうか。
せっかく正社員になれたんですけれど、家の事情ですぐに会社を辞めて、フリーのイラストレーターとして活動することになりました。始めた頃はぜんぜん仕事がなくて、とにかく人に絵を見てもらわないといけないと思って、知り合いからもらった仕事をしつつ、週2回、Twitter(現X)にイラストを投稿してフォロワーを増やす活動を続けていました。

デュエル・マスターズ 神アート COLORFUL*SNOW
「天災 デドダム/出戸環」(2023)
TM&© 2025, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO
©TOMY

――フリーでの活動に手応えを感じるようになったのはどのタイミングですか?
推しキャラのファンアートを描いたのがバズったのをきっかけに、フォロワー数が増えだして、アンソロジーのマンガや、ライトノベルのイラストのお仕事をいただくようになりました。Twitterでオリジナルのイラストにストーリーをつけて連続投稿していたのも注目してもらえたのに加えて、YouTubeで始めた配信活動で自分自身も見てもらえるようになり、現在に至ります。

――最近は動画配信をするイラストレーターも少なくないですね。
配信中は、目の前のファンと楽しむことだけを考えるので、日常で嫌なことや悩み事があっても意識がリセットされて助かっています。イラストを描いているだけだと自分の世界に閉じこもってしまうところ、配信を始めてYouTubeで活動される色々なクリエイターさんと交流することで、イラストレーターというのは自分が思っているよりもっと色々なことができるんだと気づきました。目指すべき背中がいっぱいあるので、楽しいですね。

――館田さんのようにVTuberとして活動することで、イラストレーターの仕事にもシナジーがあったりするのでしょうか。
Live2D用のモデルは作るのが大変ですけれど、自分が描いたキャラクターが動いて喋るというのは、面白いです。自分自身のモデルを作って配信するのは、クリエイターとしてこういうものが作れるよというアピールにもなりますし、ファンと交流できるのも本当に楽しいですね。最近、アニメーターのまめすずさんに自分のYouTubeチャンネルのオープニングアニメを作ってもらったのが、すごいクオリティで話題になって、より多くの人に自分のキャラクターを見てもらう機会になりました。こうして好きなクリエイターさんに自分のキャラクターを描いてもらうことができるのも配信のいいところですね。

――これまでの活動の中で、特に思い出に残っているものはありますか?
去年の5月に開催した個展は、すごくいい思い出です。お仕事の絵はクライアントの求めているものが第一ですが、個展はぜんぶ自分で考えて決めていいんだなって。来てくれるお客さんを招待客にみたてて、お茶会のようなイメージで展示をつくりました。会期中に、たまたま表参道を歩いていたら可愛い絵をみつけたので入ってみたという女の子や、たまたま立ち寄った結婚前のカップルが、結婚式のおもてなしのヒントを貰えたというメッセージをくれたりして。ネットで自分の絵をみることがなさそうな人達にも届いたと感じる瞬間があって、すごく嬉しかったです。

 『さくなばーす』パッケージイラスト(2025)
©2025yuukisakuna/ ©SAKUNA GAMES

――自分の中で代表作だと思うお仕事があれば、教えてください。
今年の夏に出した初めての画集『モナ・ノーブル』(一迅社)が、これまでのイラストレーターとしての活動をまとめているので、自分にとっての代表作といえるかもしれません。お仕事で描いたイラストの中で、特に気に入っているのは「デュエル・マスターズ 神アートシリーズ」で描かせていただいた「天災 デドダム」の擬人化イラストです。このキャラクターを晴れ着の女の子にするのはかなり難しかったんですけれど、髪の毛の流れや色遣いなど、かなり気に入った仕上がりにできました。

――館田さんがこれからやってみたいと思っていることはありますか?
最近はイラストに対して「正解」を求める人が多い気がして、絵を描かない人もそれで良し悪しを語ったりするので、あれはダメ、これはダメではなく、自分の「好き」を表現するって楽しいんだよということを伝えられるような活動をしていきたいですね。自分のイラストをもっと多くの人に届けられるように、イラストを軸に配信活動やその他のクリエイティブなことを通して、自分のメッセージを届けていきたいと思っています。

――最近のお仕事について教えてください。
少し前に、ホビーサーチさんから複製原画を出させていただきました。VTuber関連だと海外で活動するVtuberのシャベル・トーニャちゃんの新デザインを担当させてもらいました。大きなお仕事としては、来年発売予定の、VTuber結城さくなさんプロデュースのゲーム『さくなばーす』(SAKUNA GAMES)の原画を担当しているので、楽しみにしていてください。

――館田さんにとって、ワコムのペンタブレットとはどのような存在ですか?
もしペンタブレットと出会わなかったら、今ごろイラストの仕事をしていなかったんじゃないかなと思うので、ワコムのペンタブレットは私にとって「人生の分岐点」なのかな、と思います。

取材日:2025年12月5日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

館田ダン
イラストレーター。ゲーム会社勤務を経て、2014年『大正浪漫喫茶譚 ラクヱンオトメS』(芳文社)でマンガ家デビュー。その後フリーランスのイラストレーターとなり、可愛く可憐な少女のイラストで注目されるようになる。2024年にはpixiv WAEN GALLERYで自身初となる個展「Pre Lady」を開催。2025年8月には初画集『モナ・ノーブル』(一迅社)を上梓した。因幡はねる、レグルシュ・ライオンハートなど人気VTuberのデザインを担当する他、自らもVTuberとして精力的に配信活動を行い人気を博している。
twitter:@done_kanda
YouTube:@Kanda_Done

高い色精度と高解像度のディスプレイと、新しいペンテクノロジーWacom Pro Pen 3を搭載。クリエイターと作品の間で交わされる共鳴を存分に描きつくす、ワコムの最先端液晶ペンタブレットです。

製品詳細をみる

の検索結果 : 0件のページが見つかりました。
もっと見る