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イラストレーター
あまみね

季節感あふれる情景とともに、キャラクターの一瞬を切り取ったようなオリジナルイラストで人気のイラストレーター、あまみねによる「Wacom Cintiq Pro 27」を使ったライブペインディングを公開!(2026年6月4日撮影)

※ブラウザで動画が再生されない場合はYoutubeのワコムチャンネルでご覧ください。

Drawing with Wacom 155 / あまみね インタビュー

あまみねさんのペンタブレット・ヒストリー

「またお会いできましたね」プライベートワーク(2023)
©あまみね

――あまみねさんがデジタルで絵を描き始めたのはいつ頃ですか?
もともとアナログでイラストを描くのが好きで、中学で美術部に入っていたんです。当時好きだったマンガのファンサイトにお絵描き掲示版が設置されていて、そこで描き始めたのがデジタルで絵を描く最初の経験でした。最初はマウスを使っていましたが、美術部の友だちがペンタブレットの存在を教えてくれて、親に頼んでFAVO(F-430)を買ってもらったのが初めてのペンタブレットです。

――初めて手にしたペンタブレットはいかがでしたか。
最初はアナログで描くより難しいと感じながら、お絵描き掲示版で他の人の描き方を真似しながらレイヤーの概念を学んだりしていました。高校生になってSAIを手に入れて、そこからはより本格的にデジタルで描くようになり、pixivやTwitter(現X)にイラストを投稿し始めました。

――液晶ペンタブレットを使うようになったきっかけは?
社会人になるまでずっとFAVOを使い続けていて、ソーシャルゲームの開発会社に入ってから、周りの絵が上手い人たちが使っているのを見てIntuos Proに買い換えたんです。しばらくそれで会社の仕事や趣味のイラストを描いていたのですが、会社で液晶ペンタブレットを触らせてもらった時に、いきなりアナログに近い感覚で描くことができたんです。それでCintiq 13HDを買ったところ、ラフから線画までのスピードが上がったので、やっぱり自分にはペン先を見ながら描く方が向いていると思いました。

――現在の作業環境はどのようなものですか?
友人に譲ってもらったWindows PC(CPU:Intel Core i7-11700/RAM:32GB:GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060)に、Cintiq 13HDとDELLの24インチディスプレイ(DELL ST2420)を繋いで使っています。作画に使うツールはCLIP STUDIO PAINTで、ショートカットの操作には左手のキーボードを使っています。

――Wacom Cintiq Pro 27を使って描いてみた感想はいかがですか?
ブラウン管から最新の液晶テレビに買い換えたみたいな気持ちになりました(笑)。画面がすごく綺麗で、ペン先とカーソルの間に距離がないので描きやすかったです。画面が小さいと一部分を拡大して作業することが多いので、つい描き込みすぎてしまうんです。Wacom Cintiq Pro 27の画面サイズだとあまり拡大しなくても描き込めるので細かい部分を描くのが楽でした。

あ ま み ね さ ん の 制 作 環 境

あまみねさんの作業環境。Windows PC(CPU:Intel Core i7-11700/RAM:32GB:GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060)にCintiq 13HDとDELLの24インチディスプレイ(DELL ST2420)を繋いで使用している。
モニターの横にはYouTube配信用のオーディオミキサー(YAMAHA AG03)とマイク(Audio-technica AT2020)を設置。
左手にあるキーボードの奥は、観葉植物と推しのグッズが並ぶ癒しスペースになっている。

あまみねさんのクリエイティブ・スタイル

「ドーナツ」プライベートワーク(2024)
©あまみね

――あまみねさんがふだんイラストを描く時のワークフローを教えてください。
CLIP STUDIO PAINTのキャンバスにアタリの状態でいろいろ試しながらポーズを考えていきます。この感じだなと思ったら下描きをしてから簡単に色を塗ってカラーラフにします。それから線画をクリンナップして、パーツ毎に塗り分けをしたらあとはブラシで影をつけていって、最後の仕上げに調整レイヤーで色を整えて完成という流れです。

――ブラシはどのようなものを使っていますか?
下描きまでは「これだけで塗る筆」で、線画には「アニメーター専用リアル風鉛筆」というカスタムブラシを使っています。塗りはディープブリザード様の「魔王厚塗りブラシ」とエアブラシを組み合わせて、細かいところはGペンや丸ペンなども使っています。「魔王厚塗りブラシ」は厚塗り用の筆ブラシですが水彩筆に近い感覚で、髪の毛の艶みたいに光源を意識して塗る時に、ストロークに合わせていい感じのグラデーションが作れるので愛用しています。

――ドローイング動画を見ると、仕上げの手前までの塗りの工程はかなりシンプルな印象です。
もともと美少女ゲーム寄りの萌えイラストを描いていたので、シンプルなアニメ塗りをしてからグラデーションで境界をぼかすような塗り方だったんです。美少女ゲームのイラストは複数のスタッフが同じ塗りを再現できるよう工程の再現性が重視されるので、自分もそうした塗り方が自然と身についていて、今の作風では筆のタッチを残した塗りをしたいと思っていても、つい手癖でぼかしてしまうんです。

――レイヤー1枚でキャラクター全体に乗せた逆光の影を、オン/オフしながら塗り進める様子が興味深かったです。
乗算レイヤー1枚で全体に同じ色の影を重ねると、後からパーツごとに色を調整しなくても全体の色調に統一感を出しやすくて便利なんです。塗り分けの段階で作った逆光の影は、キャラクターを塗っている間はいったんオフにしておいて、通常の色で各パーツを塗り進めます。ある程度塗り終えたら表示をオンに戻して、影がついた状態の色味を確認しながら仕上げていきます。

――仕上げ作業で絵の雰囲気がガラッとかわりますね。
スクリーンやオーバーレイを使って、照明効果を加えたり、絵を見る人に意識してほしいポイントを強調したりするんです。顔まわりにオーバーレイで暖色系の色を乗せ、それ以外の部分には寒色系の色を乗せると、顔に視線誘導できるのに加えて、イラストの雰囲気がエモくなったりします。

「甘味少女-秋-」プライベートワーク(2023)
©あまみね

――ふだん描かれているオリジナルイラストは、全体の色調を意識してコントロールされていますよね。
光を使った演出が好きで、シチュエーションを切り取ったイラストの場合は、明るくコントラストを抑えた感じで描くことが多いかもしれません。作品ごとに青っぽい絵とか、赤っぽい絵みたいなテーマになる色味を決めていて、仕上げの最終段階でいちばん上に色調補正レイヤーを重ねて、レベル補正でRGBのチャンネルごとにいじって全体の色味や雰囲気を整えて馴染ませる作業をしています。

――あまみねさんがイラストを描くときに、特に意識しているポイントはありますか?
女の子のキャラクターが可愛いと感じられるようなシチュエーションで、その場、その瞬間の空気感を切り取るつもりで描いているんです。絵を見ている人がカメラマンの視点になって、目の前にそのキャラクターが立っているような臨場感を感じられるように意識しています。

――これを描きたいというテーマやモチーフがあれば教えてください。
和のモチーフが好きで、一時期はずっと和菓子をテーマにしたイラストを描いていました。日本の四季をあらわす言葉がすごく素敵だなと思っていて、それをイラストで表現することを最近のテーマにしているんです。いまは四季の中から「夏」をテーマに、制服みたいなキラキラした青春感のある絵を描きたいなと考えています。

――あまみねさんが絵を描く上で、影響を受けたクリエイターや作品はありますか?
可愛い女の子の絵を描きたいと思うようになったのは、「りぼん」を読んでいた頃に好きだった種村有菜先生がきっかけですが、萌え系のイラストを描くようになったのは、デジタルイラストを描き始めた頃に一目惚れしたkaroryさんの絵柄の影響なんです。最近は萌え系よりもライトノベルや創作系のイラストを意識していて、れい亜さんやgomziさんみたいな光の表現が印象的なイラストレーターに憧れています。

ワ ン ポ イ ン ト テ ク ニ ッ ク

イラストの雰囲気がガラッと変化する、あまみねさんの仕上げ工程。
逆光の影で均一に暗くなったキャラクターの顔まわりに暖色、周辺に寒色のオーバーレイを乗せると、キャラの顔に視線誘導すると同時にリアルな存在感を出す効果がある
最後に色調補正レイヤーでRGBのチャンネルごとにレベル補正をして、画面全体の色調をイラストのテーマに合わせて整える。

※動画では14:14からあまみねさんの仕上げ工程を見ることができます。

あまみねさんのクリエイターズ・ストーリー

「E☆2 frontier Vol.9」 掲載イラスト(2024)
©あまみね/E☆2

――あまみねさんが絵を仕事にしたいと思ったのはいつ頃ですか?
小学生の頃から絵を描くのは好きで、当時はイラストレーターという仕事を知らなかったのでマンガ家になりたいと思っていました。デジタルで描き始めて、初音ミクのファンアートを描いたりする中で1枚絵の楽しさに気づいて、将来はイラストレーターになりたいと思い始めました。とにかく好きなことしかしたくなかったので、ずっと絵を描いて生きていく気が満々だったんです(笑)。

――学生時代は学校で絵の描き方を学ばれていたのでしょうか。
中学で美術部に入っていたくらいで、専門的に絵の描き方を学んだことはないんです。デジタルでの描き方も、お絵描き掲示板で周りの人の見よう見まねで描き続けている内に、レイヤーとかの概念を身につけていった感じです。pixivで絵を発表するようになった時期に、ちょうど「描き方講座」を投稿するのが流行っていて、そこで学んだ上達法やテクニックにはすごくお世話になりました。あの時に見ていた色んな描き方講座が、私の基礎になっていると思います。

――そこからどのようにしてイラストレーターを目指したのでしょうか。
絵を描いて生きていくつもりだったのですが、いったんは普通の就職をして欲しいという親の希望もあって、高校卒業後は地元を離れた京都で、イラストとは関係のない専門学校に入学したんです。でも自分には接客とかの仕事は向いていないと感じて、学校を辞めてしばらくバイト生活をしながら絵を描いていました。そのうちネット経由でお仕事の依頼をいただいたりするようになったのですが、たまたま見つけたゲーム開発会社の求人に応募して、ソーシャルゲームのイラストを描く社内イラストレーターとして働き始めました。

「これが私の道」絵師100人展 12 出展作品(2022)
©産経新聞社/あまみね

――念願の仕事に就くことができたときの気持ちはいかがでしたか?
私は当時、ポートフォリオの作り方すら知らなかったので、採用面接に自分が描いたイラストのコピーを数枚だけもっていったんです。でもそれがちょうど会社の求めている絵柄にマッチしたらしくて(笑)。入社してみると、周りに自分よりはるかに絵の上手い人がたくさんいて、喜びよりもここでやっていけるのかという不安の方が大きかったですね。1人で描いているのと違って、自分の描いた絵に「ここはこうした方がいい」みたいなクオリティを上げるためのディレクションをもらえるのはすごくいい経験になりました。もしあの会社に入ることがなかったら、今こうして絵の仕事を続けられていなかったかもしれません。

――そこからフリーとして活動するようになったのはなぜでしょうか。
数年たって、自分で挑戦してみたいという気持ちが出てきて、会社を辞めてフリーのイラストレーターとして活動を始めました。そこからソーシャルゲームのキャラクターデザインやイラスト、萌え系イラスト雑誌のお仕事など色々な依頼をいただくようになりました。

――これまで手掛けたお仕事の中で、特に印象に残っているものはありますか?
フリーになってしばらくして、いろいろあって調子を崩してしまい、精神的にも落ち込んでいた時期があったんです。そんな時に、産経新聞社の「絵師100人展 12」に選んでいただいて。お客さんとして見に行っていた憧れのイベントに、自分の描いたイラストが展示されて、サイン会まですることができたんです。「絵師100人展」に参加することで、私は絵を描くことができる、絵を描いていていいんだと思えたのを覚えています。自分にとって救いになったお仕事ですね。

「約束」絵師100人展 13 出展作品(2023)
©産経新聞社/あまみね

――お仕事以外で、同人活動などプライベートの制作はされていますか?
コミティアなど、創作系のイベントを中心に「あまみねこカフェ」というサークルで活動しています。イベントで出す同人誌1冊を1つの作品にしたいと思っていて、毎回、コンセプトをもって1冊作り上げることを同人活動のテーマにしているんです。全部を自分の意志だけで決められるのは、同人誌だけなので、イベントで本を手に取ってもらえるのはすごくありがたいです。

――最近のお仕事や活動の状況はいかがですか?
もともと美少女ゲーム系の萌えイラストが好きで、自分もそっちの絵柄で描いていたんですけれど、そのジャンルで活動する中で何かしっくりこないものがあって。コロナ禍の頃に、自分が描きたいものは何だろうと考えていて、私は萌え系の絵柄が好きだけど「萌え」そのものを描きたかったわけじゃないんだと気づいたんです。それで思い切って絵柄や表現を方向転換して、1からスタートするつもりで描き始めたのですが、最近はSNSでなかなかイラストが拡散されなくないこともあり、まだまだ自分の作風が認知されていないと感じていて……。YouTube配信などもやりつつ、なんとかして今の創作スタイルを軌道に乗せたいと思っているところです。

――これからやってみたいお仕事や挑戦したいことがあれば教えてください。
今の作風はコミケの「創作(少年)」ジャンルやライトノベルのイラストを意識しているので、やっぱりライトノベルのお仕事や、キャラクターデザインをしてみたいですね。あとは、自分も推し活をしていているので、もっとVTuberさんの活動のお手伝いができたら嬉しいです。

――あまみねさんにとってワコムのペンタブレットはどのような存在ですか?
イラストの差分を作ったり、やり直しをしながら描いたり、いまデジタルを使って描いているようなイラストのお仕事をアナログで続けていけるイメージがまったくできないので、私にとってワコムの液晶ペンタブレットはこれからもずっと一緒に活動していく大切な相棒だと思っています。

取材日:2026年6月15日
インタビュー・構成:平岩真輔(Digitalpaint.jp)



画像をクリックすると今回制作した作品をご覧いただけます。

あまみね
島根県出身のイラストレーター。ゲーム制作会社で社内イラストレーターとして経験を積んだ後、フリーに。ソーシャルゲームや雑誌イラスト等の仕事をするのと並行してサークル「あまみねこカフェ」として発表する同人作品が注目され、同人誌専門店の特典イラストなども多く手掛ける。2022年、2023年には「絵師100人展」にも出展し、オリジナルの女性キャラクターを描く創作イラストに力を入れた活動を続けている。
twitter:@amamine
https://www.foriio.com/amamine

高い色精度と高解像度のディスプレイと、新しいペンテクノロジーWacom Pro Pen 3を搭載。クリエイターと作品の間で交わされる共鳴を存分に描きつくす、ワコムの最先端液晶ペンタブレットです。

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